ビアスのレビュー一覧

  • アウルクリーク橋の出来事/豹の眼
    岩波文庫などで、著者の『悪魔の辞典』以外の短篇もいくつか読んだはずなんだけど。ビアスってこんなに面白かったか…と思いました。編纂がよかったのかな、それとも翻訳や解説が。それにちょうど現在の私自身の「調子」のようなものともよく合っていたような。幸運な出会いでした。
  • 新編 悪魔の辞典
     風刺と機知に富む社会批評で、
    アメリカ草創期のジャーナリズムで
    辛辣な筆を揮ったピアスの箴言警句集。
    その中で面白かったのが、
     「王子さま」
       ロマンスの中では田舎娘に、
      現実の生活では友人たちの細君に
      愛情を施す青年紳士。
     「電話」
       気に食わぬ奴を寄せつけないでおく
      便...続きを読む
  • 新編 悪魔の辞典
    原語で読めたらさらに面白かろうに!
    言葉遊びと、辞書のように他の類義語に対応させているのでより面白い。
  • 新編 悪魔の辞典
    一番のおすすめは『友情』
    天気の良い日は二人ぐらい十分乗れるが、悪い日にはたったの一人しか乗れない船。

    他のおすすめとしては『大砲』『批評家』『殺人』『お金』『阿片』『尊敬』などが素晴らしい。
  • 新編 悪魔の辞典
    ひねくれものとあまのじゃくは必携だと思う。ただし読み過ぎると穿った見方を獲得しすぎて多分社会生活に影響します。
  • 新編 悪魔の辞典
    捻くれものは絶対読んでいる一冊 笑 「偏愛」→「幻滅への予備段階」で妙に納得してしまいました。なるほど捩れた世界の方が見通しが良いようです。
  • 新編 悪魔の辞典
    「人ってここまで皮肉れるものなんだなぁ…」と思わず感動さえ覚える一冊です。
    古典文学の定番でもあり、未だに根強い人気を持ちます。
    とにかくページをめくった瞬間から出るわ出るわ、ブラックジョークの嵐。
    唖然のち苦笑、時々鬱。
    「一年」を思わず「365回の失望からなる一期間」と読んでしまわない程...続きを読む
  • 新編 悪魔の辞典
    人間って昔も今も考えてる事あんまかわんないだなあと読んで思った。
    ウイットに富んだ会話を欲するけども、どうもするっと出てこない。そんなシャイで弱気な貴方のポケットに是非一冊。
  • 新編 悪魔の辞典
    題名の悪魔って言葉は内容と関係ないです!!この辞典は多くの真実を教えてくれます。新明解国語辞典を超えてこれが本物の辞典です!!とにかく読んで下さい。思わず笑っちゃいますよ。
    例えば「逮捕された」を引いてみると「現行犯で捕まり、お巡りを納得させるだけの持ち合わせていない。」
    「達成」は「努力の死、嫌悪...続きを読む
  • 新編 悪魔の辞典
    さまざまな言葉(さらには物事)に対して、自分なりに定義をしていくのは大事なことのように思う。ただ、この人の場合は多分にひねくれているけれど。
  • 新編 悪魔の辞典
    本著のあらましを紹介された上で読み進めてもやはり彼自身の筆の力を感じられずにはいられない一方で、あらすじで語られるように、幼少期の反発からついには消息不明で終りを迎えたその生涯のあり方が示唆的でもある。
  • 新編 悪魔の辞典
    注目すべき点はp.294「人間の心は一定量の愛情しか持たない。従って、対象の数が多くなれば多くなるほど、一つ一つの対象が受ける愛情は、それだけ分量が少なくなる」である。これを念頭に入れてから読んだ方が、効力は一層大きくなる。
  • 新編 悪魔の辞典
    まさに「冷笑家」のための辞典。
    内容は皮肉が大半だが、自虐的なものもありそれほど嫌味っぽくは感じなかった。
    見出し語が日本語訳後の五十音順で並べられており、非常に読みやすい。
    内容に関しては、若干女性への軽蔑などの偏った見方が含まれるため、苦手な人は注意。
    物事の見方が広がるのでオススメ。
  • 新編 悪魔の辞典
    厨二よりも高二病拗らせてる時期に持ってるとドヤ顔出来る。
    でも年頃の娘の誕生日プレゼントにこれはどんなチョイスだよ親父。
  • 新編 悪魔の辞典
    この辞典を開くと、最初は愛国者から始まる(そう、愛は存在しない)。内容はこうだ。「部分の利害のほうが全体のそれよりも大事だと考えているらしい人。政治家に手もなくだまされるお人よし。征服者のお先棒をかつぐ人。」ははは。南北戦争の兵隊上がりのジャーナリストにとって、ペンと銃の区別など必要なかったようだ。...続きを読む
  • 新編 悪魔の辞典
    強烈な風刺本。
    女性にはまさしく敵ともいえるような本ですね(笑)
    だって扱いがあまりにもぞんざいなんですから。
    こうやって書いている私もまあ、女ではありますが。

    辞書よりも最後に出てくる
    彼の生涯のほうが魅力的に
    感じるかもしれませんね。
    そう、彼の最後はまさしく謎…

    人を選びます。この本。
  • 新編 悪魔の辞典
    辛辣な風刺批判で有名だったビアスらしいですね。悪魔の…というのは人の心や影。辞典を手に取ってみたら「幸福」を引いてみてください、納得しますから。

    辞典の中には当たり前ですが現代人に馴染みない単語も多々あります。気分転換程度にめくるにはうってつけの本ではないでしょうか。
  • 新編 悪魔の辞典
    中学生の時に読んだ本。
    友達、の欄にかかれてある「都合のよい大きな船」という表現(だったと思うけど)に、当時の私は衝撃をうけたのを覚えています。
    友達に裏切られた裏切った、が自分の世界の大きな出来事だった学生時代。悠々と泳ぐ大きな船のはかなさや切なさを知っていたからこそ、その皮肉めいた表現に思わず苦...続きを読む
  • 新編 悪魔の辞典
     A・ビアスは世の中を再定義したといっても過言ではない。ただし、毒気が多すぎる気はするが。
     「退屈な人間――聞いてもらいたいときに話をする人間」はその典型であろう。人間はみな自分の世界観を持たなくてはならない。本書は、読む人が自分なりの再定義をする作業を手助けしてくれるだろう。
     ちなみにA・ビア...続きを読む
  • 新編 悪魔の辞典
    芥川龍之介「侏儒の言葉」に大きな影響を与えたと言われる一冊。
    読み比べてみると確かに似ている。
    それぞれ持ち味はあるのだけれど。
    冷笑的な言葉の数々。
    元の題名も「冷笑用語集」だったらしい。
    この人は最後行方不明になっちゃうんだよね。
    こんな本を書く人の最後らしいというか。
    真っ当に死なないところが...続きを読む