両親を亡くし、英国の叔父の屋敷に引き取られたメアリ。
「秘密の花園」の存在と再生、彼女と関わる人々の成長を描く。
全27章。解説、バーネット年譜、訳者あとがき有り。
ヨークシャーの豊かな自然の中で育まれる、庭の再生と
子どもたちの成長の物語です。
両親を亡くし、インドからヨークシャーの叔父の家へ。
...続きを読むミッスルスウェイト屋敷に引き取られた、つむじ曲がりのメアリ。
謎の「秘密の花園」の存在を知り、発見。動物たちと仲良しの
ディコン、病弱な従兄弟のコリンと共に、その再生に熱中する。
愛情に飢えたメアリとコリンが豊の自然の中で変化し、成長。
彼らを支える個性豊かな人々。女中のマーサとその母スーザン。
老庭師のベン・ウェザースタフ。なによりも自然を愛し慈しむ
マーサの弟ディコンとの出会いは、メアリとコリンを成長させる。
それは季節の移り変わりと共に再生する「秘密の花園」のように。
小・中学校で福音館書店版に親しみ、手元には西村書店版がある
『秘密の花園』の大人版です。
訳者あとがきでは原書は、素っ気ない文章なので、手加減なしで
翻訳したと書かれてますが、挿絵が無いこともあり、
かえって想像力が膨らむ内容になっています。
インドやヨークシャー、クレイヴン氏が訪れたヨーロッパの描写。
季節の移り変わりと生物たちの息づき。
壮大な屋敷の内外と部屋。美味しそうな食事の情景等。
素っ気ないとはいうものの、登場人物たちの描写は丁寧で、
メアリとコリンの心と身体の成長が変化していく様子が良い。
また、ヨークシャー訛りも訳者の苦心でしっくり物語に合ってます。
だけど、タマゴちゃんって・・・謎の翻訳は原書に当たって調べて
みようかな?西村書店版も再読してみよう。