安岡治子のレビュー一覧
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購入済み
自意識過剰と書いているけど、実際は人の悪意を正面から受け止め過ぎた悲しい主人公だと思いました。人間は脳髄で考えているのではなく手足からつま先に至るまで、それぞれ別々に考えている。頭も尻もない下等動物の連中が暑い寒いを正確に判断したり、喰い物の選り好みをするのはまだしも、人間の脳髄なんぞが寄っても附けない鋭敏な天気予報までもはっきり表しているのだから。主人公は言動だけでなく人間の態度や、ささいな行動からも人の悪意を感じ取ってしまうのではないだろうか。
この主人公の考え方は狂っているように見えるが、それは他の人より目立っただけだと思う。 -
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自意識が肥大化し、現実との乖離に苦悩する男の手記。合理主義で結果を残す人物を浅はかと笑い、分析麻痺的に行動できない自分を、"周りより賢いのだからタチが悪い"と評している。
一方でこれが本質的に何も産まないことも理解しており、自己嫌悪のループに陥っている。
メタ認知が優れた手記の男は、同時に自意識が肥大化しており、何もかもうまくいかない。
メタ認知力と自意識過剰は相反する性質だと考えていたが、同時に存在した場合、この主義の男のような状況に陥るのかもしれない。
2章の男は、友人にも女性にも素直になれず、最後に感情が暴発し破滅している。
ここまで行くと流石に感情移入できないが -
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Ⅰ 地下室
前置きとしての独白。正直、全然何言ってるか頭に入ってこなかった。呪うことは人間だけ、人間は時として苦しみを猛烈に熱愛することもある、平穏無事な幸福だけを愛するなんて、どこか見苦しい気さえする、等々。たまに面白い言葉があった。
Ⅱ ぼた雪に寄せて
主人公の卑屈で面倒臭い自意識、たまんない。
"俺は、自分の際限のない見栄ゆえに、つまりは自分自身に対する止め処ない要求の高さゆえに、しばしばひどい嫌悪感と言えるほどの猛烈な不満を抱いて、自身を見ていたので、心の中で自分の厳しい眼差しを、他のすべての人間にも当てはめていたのだ。"
強そうなやつへの劣等感を何とかするため -
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弱者おじさんと孤児少女のラブレター
ドストエフスキーの入門書として手に取ってみたが大正解だった。デビュー作ということもあってか短めで読みやすく、それでいて彼の世界観や巧みな表現力を楽しめる1冊だと思う。
内容の9割が下級役人マカール(47歳)と孤児少女のワーレンカ(推定18歳)の手紙のやり取りを通して展開される。この2人は現代の言葉で平たくいうと若い女性に貢ぎ困窮していく独身弱者おじさんと、両親を失いメンタルが不安定な孤児少女というキャラクターである。貧困故に共依存的なラブレターでお互いを励まし合う姿は時代や国を越えて普遍的な生々しさがある。
特に印象的だったのは、マカールの自分の気持ち -
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「オブローモフ」が無気力・怠惰・沈滞の象徴人物として有名らしいのですがそれも始めて知った。
その名前の主は長編『オブローモフ』の主人公。こちらはその第一部第九章を独立させて文庫化したものだそうで、この部分は長編を書く前に発表されたので長編の土台のようなものらしい。
長編『オブローモフ』は怠惰な独身貴族オブローモフの怠惰な人生、そしてこの『オブローモフの夢』は、彼が寝床でゴロゴロして見た子供時代の情景になっている。
『オブローモフの夢』
イリヤ・オブローモフは領地のオブローモフカの村を夢に見ている。ここは緩やかな大地で気候も穏やか、人々も刺激を好まず暮らしている。例えば手紙が来ても「悪い知ら -
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ネタバレ金持ちが気まぐれに差し出す金は慈善として高く評価され人々の心を打つが、貧乏人が必死に自分を削ってまで少しだけ金や物を与えても、感謝されることは少ない。主人公は見栄っぱりで、お茶にも入れなくていい砂糖を入れるタイプの初老男性。彼には大切な娘のように思っている親戚の女性と手紙のやりとりをして、己の貧しさを理解しながらも、一番大切なお金をその女性にこまごまと差し出していた。それは真心からくる優しさであり、彼女に優しい人間だと思われたいからだった。しかし、彼女はお金がない生活に耐えきれず結婚を決意してしまう。もう手紙のやりとりはできない。主人公らのささやかな友情も、最後には良い思い出の終着点としてしか
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ドストエフスキーの処女作。(1846年発表 日本は江戸時代 鎖国)
中年男性マカール(下級役人)と孤児で病弱な娘ワルワーラの手紙のやりとり。書簡体小説は馴染みがなく(『あしながおじさん』ぐらい)、長い手紙にちょっとびっくり、かつ新鮮でした。
2人共に、貧しく切羽詰まった生活の中、自分の全てをさらけ出して、思いのたけを表出していました。お互いがお互いを思う気持ちに溢れ、喜怒哀楽が切実に伝わり、せつなくなりました。一方で、年の差のある2人の強い心の結びつきは、純粋そのものでした。
日常生活が不自由になるほど、物が買えない状況に、幸いにも私はなったことがありません。2人の立場に自分が置かれたら -
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3.8
斬新な方法で書かれてて1800年代にもうこう言う手法を思いついてたんだと思うと、本が今でも読まれてるのが不思議 その当時はこうでもしないと売れないみたいな感じではなかったんだろうけど、それでもファンタジーやフィクションってやはり有限のもので型を変えていかないと飽きられてしまうのもneedles to sayだと思うからこの作品が令和の今刊行されたものなら頷けるけど1800年代にこれをやろうと思うのはドスエフはなるほど名のおける作家なのだなーと感嘆せざるを得ない!
ストーリー自体がしっかりしたものだとは言い難いけど何も起きない貧乏人の文通のやりとりでよく飽きさせず読み進められる作品ができ