安岡治子のレビュー一覧

  • オブローモフの夢

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    怠け者オブローモフは悪い人ではない。ただ、生まれてこの方甘やかされて育ち、世話を焼かれるのが当然だと思っただけのお坊ちゃんであった。世間知らずなので騙されることもあるけれど、とても誠実で無垢な人なので人々からは愛される。勿論、あくせく働く人からしたらとんだ情けない人間に思えるかもしれない。しかしオブローモフは貴族でありながら高慢なところは何もない。結局何をしでかしても悪い人ではないからと擁護に回りたくなる魅力を持っている。

    0
    2024年09月11日
  • 白夜/おかしな人間の夢

    Posted by ブクログ

    『おかしな人間の夢』は、エヴァの人類補完計画のような思想だと思ったけど、ドストエフスキー-キリスト教-エヴァと繋がってくるのかな。

    0
    2022年12月30日
  • 地下室の手記

    Posted by ブクログ

    自意識過剰で気が弱い、生身の人間と付き合いたいが避難ばかりが先をついてうまくいった試しがない。同情しようとした女性に逆に同情されてしまう。どこに救済を見出すことができるのか。苦悶する人間。2022.8.17

    0
    2022年08月18日
  • 白夜/おかしな人間の夢

    Posted by ブクログ

    この本の中で一番長い「白夜」は、ドストエフスキーのセンチメンタル•ロマンス短篇。
    こんなのも書くんだ、というくらい意外な出来だった。

    内気な青年(26)が恋に落ちた女の子(17)の恋愛成就を献身的に応援して、最後にきれいに振られる、というヒロイズムに満ちたお話。

    0
    2022年08月05日
  • 貧しき人々

    Posted by ブクログ

    本として読む初めてのドストエフスキー。
    47歳の下級官吏マカール・ジェーヴシキンと、若くして両親を失った18歳くらいのワルワーラ・ドブロショロワの半年にわたる往復書簡。
    まず、人物名がスムーズに読めない上に意外に多くの人がこの往復書簡に登場するので、なかなかそこから入り込むのが難しかった。
    その歳頃にしては随分聡明で落ち着いているように思えるワーレンカ(ワルワーラの愛称)が、なぜこんなやけにプライドが高いくせに妙に卑屈で自意識過剰なマカールと文通を続けたのだろうか疑問に思う。
    マカールは毎回「愛しいワルワーラ」、「私の天使」などと呼びかけているが、ワルワーラは「優しいマカールさん」、「親愛なる

    0
    2022年07月26日
  • 地下室の手記

    Posted by ブクログ

    前半は主人公の思想ばかりで退屈。後半はずっと面白いが、コミュ障、ヒキオタ的自意識過剰っぷりが読んでいて暗澹とした気分にさせられる。

    0
    2022年04月17日
  • 貧しき人々

    Posted by ブクログ

    最後まで退屈せず読めたは読めましたが、自分を、誇張して若い女の子に尽くして愛して尽くし続けるマカールさんにワーレンカの立場になって寒気がしました。なんだか後味が悪いです。

    0
    2022年03月13日
  • 白夜/おかしな人間の夢

    Posted by ブクログ

    読んで5人ではなした。

    コミカルな笑なのでは?マゾヒズム。
    青年期の恋の明るさ。
    貧しくない人のはなし。
    主人公と下宿やの青年に名前がない。

    ほかたんぺん。

    狼がきたぞーのあのはなしとにてた。百姓のマレイ、。

    おかしな人間の夢。あの少女にたすけられたんだな。きになることがあると人は生きられる?

    0
    2021年09月28日
  • 貧しき人々

    Posted by ブクログ

     ドフトエフスキーのデビュー作で中年男とうら若き娘の書簡のやり取り。このうだつの上がらない公務員の中年男がなぜこの娘に恋をしたのか?そしてこの娘がなぜこの中年男を相手にするのか不明である。
     貧しいというのはお金よりも愛情なんだろう、そして愛情の飢餓は、これほどまでに中年男を夢中にさせるということはわかる気がする。だがしかし、小説としてどうなのかというとその完成度に疑問が湧く。東野圭吾の手紙の方が完成度は高いかもしれない。なんちゃって

    0
    2021年06月11日
  • 白夜/おかしな人間の夢

    Posted by ブクログ

    ドストエフスキーといえば「暗い」イメージがあったが、本書は人が持つ美しさと前向きさに焦点が置かれており、彼の別の一面を垣間見た気がした

    0
    2021年04月04日
  • 白夜/おかしな人間の夢

    Posted by ブクログ

    タイトルに表記されてるのが短編。他は短短編。「白夜」ロマンティックとは一体なんなのかねと考えることが度々あり、これ(ここに書いてある)なんかなー。内容というより語り口調。「私はこの人好きかもしんないわ」と感じた時の高揚感。でもそれって今だけのことだし、けして確かな物なんかじゃない、その儚さを嘆く物なのかしらー。「おかしな夢」熱いおとこのー。夢ということにしといて、世の中に対する不満、むしろ生きてる人間の怠慢さに対してウガアア!って感じ。古典って多分正解はなくて、個々で味わえよ、っていう編集スタイルだよね。

    0
    2020年11月17日
  • 地下室の手記

    Posted by ブクログ

    口語調で語られる盛大な妄想。
    大げさではあるが多少歪んだ考えを持つ人物なら考えるであろう納得性があるが、話は様々なところに飛び読みにくい。

    0
    2019年11月23日
  • 貧しき人々

    Posted by ブクログ

    貧しい老人と、病弱なこれまた貧しい女性のひたすら手紙のやり取りする文面がつづられた小説。
    その手紙の内容でお互いの生活、環境、交友関係などが明かされていく。二人の文面に思わずニヤニヤしてしまいながらも最後はもうコントなのかなんなのか!?
    そういうことなんですよ、ワーレンカ!w
    解説を読むまでなかなか全体を捕らえる事が出来なかったので、これは解説まで読むのをお勧めです。
    (自分の中では解説まで読まないと意味が解らないのはどうかとおもうが、そこまで何度も読みながら深く理解していく本なんだろうなとも思った)

    0
    2019年03月23日
  • 白夜/おかしな人間の夢

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『白夜』
    不幸比べから始まり、どっちなのよ⁈という流れになり、やっぱりそっち行くんかよ!という結末。
    ナースチェンカは、白痴のナスターシャのような、どっちやねん女だった。

    『キリストのヨールカ祭りに召された少年』
    かなり短いストーリー。号泣した。貧しく、母親がいなくなり、少年もまた孤独死。死んで母親と再開する。

    『百姓のマレイ』
    貧しいと心が荒んだりする。でも、ロシアの民衆にもこのような心の持ち主がいたんだとドストエフスキーは伝えたかったらしい。

    『おかしな人間の夢 幻想的な物語』
    『一八六四年のメモ』
    この二つの短編は思想哲学的なものだけで面白いものではなかった。

    0
    2018年03月10日
  • 地下室の手記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    地下室に引きこもった人が書いた恥ずかしい記憶の一部。

    自意識過剰。そして性格がとても悪い。
    愛を知らず考えがねじれている…
    自分の中でこれだけ破壊してるのだから、辛いだろう。

    かわいそうだけど、あまりにも極端なので少し滑稽だった。

    なんでそんなこと言うの!大丈夫??って何回思ったか。

    せっかく愛を出されても愛の受け取り方がわからず、酷い態度に。

    自分を馬鹿にする人たちから「こいつはすごいな!」と思われたい一心。周りにそれを認めさせたいのだけど、上から目線で必死になって言うものだから、余計にバカにされ、反感を買い、本人は惨めになる。

    自分の居場所が見つからないし、これ以上恥ずかしい思

    0
    2018年01月05日
  • 貧しき人々

    Posted by ブクログ

    どんなに辛いときでも、声を掛け合える人がいると頑張れるよね。落ち込んでるときには遠慮して人と距離をおきがちな自分にとっては羨ましい限り。手紙でなら、暗い姿を見せずにすむし、距離感もはかりやすいかもしれないな。

    0
    2017年01月14日
  • 白夜/おかしな人間の夢

    Posted by ブクログ

    ドストエフスキーは「罪と罰」は小学生の頃、所謂子供向けダイジェスト版で読んだ。「白痴」は高校生の時分に父親の本棚の文学全集から引っ張り出して読んだ。辻原登さんの「東京大学で世界文学を学ぶ」で「白痴」を恐ろしい小説と取り上げていたので40年振りに読もうと思い、反射的に本屋で手に取った。

    読み始めて、あれ、ムイシュキン侯爵の話じゃないと気付く。年かな~。白痴にも白夜の情景があったような気がして勘違いしたかな~。う~ん。

    さて、「白夜」。孤独な主人公が泣いていた少女と出会う。人付き合い出来ないくせに、彼女に喋りまくる主人公。二人の心が同調しているのは判るけれど、ドストエフスキーってこんなメンドイ

    0
    2016年11月04日
  • 貧しき人々

    Posted by ブクログ

    解説がなかったら47のおっさんが18の少女に
    入れ込んでいるだけの話としか思えなかった。
    これはやっぱり読解力が足りないのか。

    0
    2015年12月27日
  • 白夜/おかしな人間の夢

    Posted by ブクログ

    健気、ここにいます。
    「白夜」の主人公みたいな人を健気というのではないでしょうか。

    解説で訳者の方が述べているように、この作品たちは、(ドストエフスキーらしい)重苦しく、暗い印象より白夜という言葉から連想されるような薄明るい光に照らされている印象です。(決して春の昼間の陽射しのようではないけれど。)そのことで特に表題作の「白夜」の読後感は優しく、健気な主人公はいとおしい。

    0
    2015年09月09日
  • 地下室の手記

    Posted by ブクログ

    あまり面白さを感じられなかった。これに限って言えば、面白さを求めるものではなかったのかもしれないけれど、結局自分が求めているのは面白さなので、それが求められないのであれば読まなければ良い、となる。
    主人公の語りが、ずっと滑稽に見えていて、ちぐはぐだと感じていたけれど、解説を読んで初めて、表現する何かであることに思い至った。
    そう言われてみると、そういう気もする、というレベルでなく、きっと描き出されようとされたものがとても正確に描き出されていた。
    150726

    0
    2015年07月27日