安岡治子のレビュー一覧

  • 貧しき人々
    貧しい老人と、病弱なこれまた貧しい女性のひたすら手紙のやり取りする文面がつづられた小説。
    その手紙の内容でお互いの生活、環境、交友関係などが明かされていく。二人の文面に思わずニヤニヤしてしまいながらも最後はもうコントなのかなんなのか!?
    そういうことなんですよ、ワーレンカ!w
    解説を読むまでなかなか...続きを読む
  • 白夜/おかしな人間の夢
    『白夜』
    不幸比べから始まり、どっちなのよ⁈という流れになり、やっぱりそっち行くんかよ!という結末。
    ナースチェンカは、白痴のナスターシャのような、どっちやねん女だった。

    『キリストのヨールカ祭りに召された少年』
    かなり短いストーリー。号泣した。貧しく、母親がいなくなり、少年もまた孤独死。死んで母...続きを読む
  • 地下室の手記
    地下室に引きこもった人が書いた恥ずかしい記憶の一部。

    自意識過剰。そして性格がとても悪い。
    愛を知らず考えがねじれている…
    自分の中でこれだけ破壊してるのだから、辛いだろう。

    かわいそうだけど、あまりにも極端なので少し滑稽だった。

    なんでそんなこと言うの!大丈夫??って何回思ったか。

    せっか...続きを読む
  • 貧しき人々
    どんなに辛いときでも、声を掛け合える人がいると頑張れるよね。落ち込んでるときには遠慮して人と距離をおきがちな自分にとっては羨ましい限り。手紙でなら、暗い姿を見せずにすむし、距離感もはかりやすいかもしれないな。
  • 白夜/おかしな人間の夢
    ドストエフスキーは「罪と罰」は小学生の頃、所謂子供向けダイジェスト版で読んだ。「白痴」は高校生の時分に父親の本棚の文学全集から引っ張り出して読んだ。辻原登さんの「東京大学で世界文学を学ぶ」で「白痴」を恐ろしい小説と取り上げていたので40年振りに読もうと思い、反射的に本屋で手に取った。

    読み始めて、...続きを読む
  • 貧しき人々
    解説がなかったら47のおっさんが18の少女に
    入れ込んでいるだけの話としか思えなかった。
    これはやっぱり読解力が足りないのか。
  • 白夜/おかしな人間の夢
    健気、ここにいます。
    「白夜」の主人公みたいな人を健気というのではないでしょうか。

    解説で訳者の方が述べているように、この作品たちは、(ドストエフスキーらしい)重苦しく、暗い印象より白夜という言葉から連想されるような薄明るい光に照らされている印象です。(決して春の昼間の陽射しのようではないけれど。...続きを読む
  • 地下室の手記
    あまり面白さを感じられなかった。これに限って言えば、面白さを求めるものではなかったのかもしれないけれど、結局自分が求めているのは面白さなので、それが求められないのであれば読まなければ良い、となる。
    主人公の語りが、ずっと滑稽に見えていて、ちぐはぐだと感じていたけれど、解説を読んで初めて、表現する何か...続きを読む
  • 地下室の手記
    【本の内容】
    世間から軽蔑され虫けらのように扱われた男は、自分を笑った世界を笑い返すため、自意識という「地下室」に潜る。

    世の中を怒り、憎み、攻撃し、そして後悔の念からもがき苦しむ、中年の元小官吏のモノローグ。

    終わりのない絶望と戦う人間の姿が、ここにある。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    ...続きを読む
  • 地下室の手記
    もしもここに100の内容があるなら、私はそのうちの1しか理解していない。もしかするとその1さえも怪しい。
    ただ、主人公が自分の価値を過信しつつ、それを認めない周囲に対して取る行動の醜悪さに、主人公の心の孤独というか。やりきれなさを見る思いがした。彼はいつも叫んでいるようだ、助けてほしい、でも助けてく...続きを読む
  • 地下室の手記
    自意識だけは人一倍強く、プライド故に幸福に近づくことのできなかった非リア男の独白。150年近く前の話だが、古さは感じない。今ならこの男は派遣社員で、地下室はインターネット、手記は某巨大掲示板での自分語りにでもなるのだろう。自分の中にも似たような部分を発見し、苦々しい気持ちで読みきった。
  • 貧しき人々
    以前、新潮文庫版で読んで以来の再読。ドストエフスキー文学のモチーフがそこかしこに散りばめられているデビュー作。悪くはないが、その後の作品と比べるとやはり薄味。

    やはり、これからドストエフスキー読むなら「罪と罰」以降の大作から読んだ方が良いと思う。
    厚かろうが薄かろうが、読み始めたら一気に読んでしま...続きを読む
  • 貧しき人々
    私も手紙を書くのが好きだし、手紙の中で見せたい私と現実とのギャップに苦しむ人間なので、マカールさんの気持ちが分かるような気がして苦しかった。
    言葉ばかりが上滑りして、滑稽な感じがする手紙を書いてしまう。
    自意識に苦しめられる人間にはグサグサ来ると思うなぁ。
    ロシア文学のあとには芥川を読みたくなるw
    ...続きを読む
  • 貧しき人々
    主人公の男が若い女の子に貢ぐ話(ざっくり)。

    男が体よく利用されているように感じるのは、私が歪んでるのか?

    この作品ではドストエフスキーがまだ若い感じ。
  • 貧しき人々
    貧しいって切ないなぁって感じました。

    でもどんな状態でも人間ってものは、尊厳があるし恥ずかしさとか、そういう感情ももちあわせているはず。

    そしてそういう人間らしい気持をとどめていられるのはやはり人とのつながりとか、そういう支えになる誰かなのかなって。

    でなければ人間、貧しさに負けちゃうのかもし...続きを読む
  • 貧しき人々
    ドストエフスキーの処女作。手紙という当時の文壇のはやりの手法を使っている。すぐそばに住みながら手紙という手段によってやり取りをするマカールとワルワーラ。現在のメールでの交際に通じるところがあるかもしれません。貧しい二人が、何とか日々のやりくりしながら生きている姿が、伝わってきます。生まれ育った環境か...続きを読む