安岡治子のレビュー一覧
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本として読む初めてのドストエフスキー。
47歳の下級官吏マカール・ジェーヴシキンと、若くして両親を失った18歳くらいのワルワーラ・ドブロショロワの半年にわたる往復書簡。
まず、人物名がスムーズに読めない上に意外に多くの人がこの往復書簡に登場するので、なかなかそこから入り込むのが難しかった。
その歳頃にしては随分聡明で落ち着いているように思えるワーレンカ(ワルワーラの愛称)が、なぜこんなやけにプライドが高いくせに妙に卑屈で自意識過剰なマカールと文通を続けたのだろうか疑問に思う。
マカールは毎回「愛しいワルワーラ」、「私の天使」などと呼びかけているが、ワルワーラは「優しいマカールさん」、「親愛なる -
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ネタバレ『白夜』
不幸比べから始まり、どっちなのよ⁈という流れになり、やっぱりそっち行くんかよ!という結末。
ナースチェンカは、白痴のナスターシャのような、どっちやねん女だった。
『キリストのヨールカ祭りに召された少年』
かなり短いストーリー。号泣した。貧しく、母親がいなくなり、少年もまた孤独死。死んで母親と再開する。
『百姓のマレイ』
貧しいと心が荒んだりする。でも、ロシアの民衆にもこのような心の持ち主がいたんだとドストエフスキーは伝えたかったらしい。
『おかしな人間の夢 幻想的な物語』
『一八六四年のメモ』
この二つの短編は思想哲学的なものだけで面白いものではなかった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ地下室に引きこもった人が書いた恥ずかしい記憶の一部。
自意識過剰。そして性格がとても悪い。
愛を知らず考えがねじれている…
自分の中でこれだけ破壊してるのだから、辛いだろう。
かわいそうだけど、あまりにも極端なので少し滑稽だった。
なんでそんなこと言うの!大丈夫??って何回思ったか。
せっかく愛を出されても愛の受け取り方がわからず、酷い態度に。
自分を馬鹿にする人たちから「こいつはすごいな!」と思われたい一心。周りにそれを認めさせたいのだけど、上から目線で必死になって言うものだから、余計にバカにされ、反感を買い、本人は惨めになる。
自分の居場所が見つからないし、これ以上恥ずかしい思 -
Posted by ブクログ
ドストエフスキーは「罪と罰」は小学生の頃、所謂子供向けダイジェスト版で読んだ。「白痴」は高校生の時分に父親の本棚の文学全集から引っ張り出して読んだ。辻原登さんの「東京大学で世界文学を学ぶ」で「白痴」を恐ろしい小説と取り上げていたので40年振りに読もうと思い、反射的に本屋で手に取った。
読み始めて、あれ、ムイシュキン侯爵の話じゃないと気付く。年かな~。白痴にも白夜の情景があったような気がして勘違いしたかな~。う~ん。
さて、「白夜」。孤独な主人公が泣いていた少女と出会う。人付き合い出来ないくせに、彼女に喋りまくる主人公。二人の心が同調しているのは判るけれど、ドストエフスキーってこんなメンドイ