安岡治子のレビュー一覧

  • 地下室の手記
    僕が初めて『地下室の手記』に触れたのはこのヴァージョンでした。内容については亀山郁夫教授が訳したヴァージョンでさんざやったのであまり触れませんが、ここではエッセイ風に書いていることをご了承下さい。

    僕が初めてドストエフスキーの『地下室の手記』をすべて読んだのがこのヴァージョンで、記録によると200...続きを読む
  • 地下室の手記
    冒頭のとっつきにくさから想像できなかった、切ないラスト。
    あまりに自身の行動と気持ちの負の部分を突き詰めて考えているので、よく考えるなーと、嘲笑すらしてしまう。けれど、私自身を振り返った時、共感できる部分が多々あることに気がついた。
    普段感じているが、言葉にすることのできない人の心の汚い部分を、はっ...続きを読む
  • 地下室の手記
    第一部は難解でした。
    第二部にて主人公の生きざま、人格が掴めましたね。
    難解であるといっても最後に解説がついているため完全で無いとはいえ、理解を得られました。
    読み終えてスッキリ
  • 地下室の手記
    ドストエフスキーはちゃんと読んだことがないなと思ったので本書を手に取った。
    第一章の哲学的なモノローグはひたすら陰鬱で目が滑り眠くなって、何度も挫折しそうになった。
    が、第二章を読んで、彼のねじくれた生き様を知ると、やっぱり陰鬱ではあるけれども最後まで読み終えられた達成感が。
    どうしてそう、人間関係...続きを読む
  • 貧しき人々
    おいココで終わるのか!という。きになるきになる!マカール・ジェーヴシキンとワルワーラ・ドブロショロワ。ポクロスキーいいな。珍しい、普通に良い人だ。でもまだテーマがそれほどの広がりを持ってないところが初期ってことか。
  • 地下室の手記
    冒頭の一文が「俺は病んでいる・・・。」この時点で面白い。
    過剰な自意識に苦しみ、社会から逃げ、手記の中で世間に怒りをぶつける。ところが、持ち前の自意識で手記を書いてる際にも、他人の批判が聞こえてきて、その反論に追われる。
    言い訳がましくて、憐れで、笑えてしまうけど、共感できるところも多くて、気持ちが...続きを読む
  • 貧しき人々
    貧しい役人のマカールと聡明な少女ワーレンカとの往復書簡の形で描かれる、ドストエフスキーの処女作である。
    マカールが、ワーレンカとの手紙のやり取りや文学に触れることを通じて、文章力が上がっていく描写が好きだった。
    時に笑える描写も交えられており、スラスラと読める良書である。
  • 貧しき人々
    ワルワーラの健気さと聡明さが光っていた。

    ともすれば悲しい物語なのですが、人生の一時期だけでも、心から尊敬しあう相手がいた彼らは幸福な存在だったのかもしれない、と思った。
    そんなことは当人には慰めにもなりませんけどね。
  • 貧しき人々
    ドストさんのデビュー作。
    神からも人からも裏切り続けられ、それでも大事なのは人との絆なのだと、後の傑作群に繋がるさまざまなモチーフの萌芽が確かにここにある。
  • 白夜/おかしな人間の夢
    『おかしな人間の夢』は、エヴァの人類補完計画のような思想だと思ったけど、ドストエフスキー-キリスト教-エヴァと繋がってくるのかな。
  • 地下室の手記
    自意識過剰で気が弱い、生身の人間と付き合いたいが避難ばかりが先をついてうまくいった試しがない。同情しようとした女性に逆に同情されてしまう。どこに救済を見出すことができるのか。苦悶する人間。2022.8.17
  • 白夜/おかしな人間の夢
    この本の中で一番長い「白夜」は、ドストエフスキーのセンチメンタル•ロマンス短篇。
    こんなのも書くんだ、というくらい意外な出来だった。

    内気な青年(26)が恋に落ちた女の子(17)の恋愛成就を献身的に応援して、最後にきれいに振られる、というヒロイズムに満ちたお話。
  • 貧しき人々
    本として読む初めてのドストエフスキー。
    47歳の下級官吏マカール・ジェーヴシキンと、若くして両親を失った18歳くらいのワルワーラ・ドブロショロワの半年にわたる往復書簡。
    まず、人物名がスムーズに読めない上に意外に多くの人がこの往復書簡に登場するので、なかなかそこから入り込むのが難しかった。
    その歳頃...続きを読む
  • 地下室の手記
    前半は主人公の思想ばかりで退屈。後半はずっと面白いが、コミュ障、ヒキオタ的自意識過剰っぷりが読んでいて暗澹とした気分にさせられる。
  • 貧しき人々
    最後まで退屈せず読めたは読めましたが、自分を、誇張して若い女の子に尽くして愛して尽くし続けるマカールさんにワーレンカの立場になって寒気がしました。なんだか後味が悪いです。
  • 白夜/おかしな人間の夢
    読んで5人ではなした。

    コミカルな笑なのでは?マゾヒズム。
    青年期の恋の明るさ。
    貧しくない人のはなし。
    主人公と下宿やの青年に名前がない。

    ほかたんぺん。

    狼がきたぞーのあのはなしとにてた。百姓のマレイ、。

    おかしな人間の夢。あの少女にたすけられたんだな。きになることがあると人は生きられる...続きを読む
  • 貧しき人々
     ドフトエフスキーのデビュー作で中年男とうら若き娘の書簡のやり取り。このうだつの上がらない公務員の中年男がなぜこの娘に恋をしたのか?そしてこの娘がなぜこの中年男を相手にするのか不明である。
     貧しいというのはお金よりも愛情なんだろう、そして愛情の飢餓は、これほどまでに中年男を夢中にさせるということは...続きを読む
  • 白夜/おかしな人間の夢
    ドストエフスキーといえば「暗い」イメージがあったが、本書は人が持つ美しさと前向きさに焦点が置かれており、彼の別の一面を垣間見た気がした
  • 白夜/おかしな人間の夢
    タイトルに表記されてるのが短編。他は短短編。「白夜」ロマンティックとは一体なんなのかねと考えることが度々あり、これ(ここに書いてある)なんかなー。内容というより語り口調。「私はこの人好きかもしんないわ」と感じた時の高揚感。でもそれって今だけのことだし、けして確かな物なんかじゃない、その儚さを嘆く物な...続きを読む
  • 地下室の手記
    口語調で語られる盛大な妄想。
    大げさではあるが多少歪んだ考えを持つ人物なら考えるであろう納得性があるが、話は様々なところに飛び読みにくい。