下斗米伸夫のレビュー一覧

  • ソビエト連邦史 1917-1991

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    御近所の書店が閉店するというその日に立寄り、眼に留めて求めた一冊であった。ゆっくりと読んだ。
    随分と以前から関心を寄せている事項に纏わる本ということにもなる。主に“政治史”ということで、「ソ連」が辿った経過を振り返る内容である。
    ヴャチェスラフ・ミハイロヴィチ・モロトフ(1890-1986)という人物が在る。「モロトフ」は、「レーニン」や「トロツキー」や「スターリン」と同様、往時の革命家が使っていて、そのまま通称として有名になった“ペンネーム”である。本名はスクリャービンというそうだ。
    近現代の歴史に関心を寄せる方であれば、「モロトフ・リッペンドロップ協定」という、第2次大戦の前のソ連とドイツ

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    2023年07月08日
  • 日本冷戦史 1945-1956

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    WW2終結後、同盟関係から徐々に対立関係へと移行していく米ソにとって、争点となったのは「東欧」「核管理」だけで無く「大日本帝国の領土」でもあった。ソ連(スターリン)は当初北海道の北半分の直接占領を要求していたが、それを取り下げるに当たって、核兵器開発のためのウラン入手先としての東欧を優先したからと言うのは目からうろこだった。もしもソ連国内のウラン鉱山が既に発見・発掘されていたら、容易にソ連が折れない展開もあったかと思うと…
    また、鳩山政権時の日ソ国交回復交渉においては、ダレスが「二島での妥協はサンフランシスコ平和条約への違反なので、その場合は米国による沖縄併合もあり得る」という発言もまた、日本

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    2021年08月10日
  • ソビエト連邦史 1917-1991

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    単純な通史ではなくモロトフの立場からロシア近代史はどう評価しうるのか。といった視点で記述がされていると思う。ただ、いかんせん、スターリンの時代から第二次世界大戦後をモロトフの目線で見ることはとてつもなく無理を生じる。読み進める中で、革命期の活動家がその後何を発言しうるのか、という点が面白かった。はっきり言えば、時代錯誤である。

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    2017年12月21日
  • アジア冷戦史

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    アジアでの冷戦を概観することで第二次世界大戦から今までの東アジアの国際政治の流れが繋がった。近現代史ってのはなかなか勉強する気が起きずにいたんだけど、その意味でこの本から多くを学んだ。
    北朝鮮、中国、モンゴル、ベトナムなんかとソ連がいかに絡み合ってきたのか。ソ連崩壊後に公開された史料も合わせて淡々と歴史を説明してくれる。

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    2015年11月03日
  • プーチンはアジアをめざす 激変する国際政治

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    隣国ロシアの今後の進む道について、ロシア国内で生活してる人が書いてる本。

    この本の通りだとすると、今後何かと日本にアクションを求めてくるだろうと思う。

    その時に適切に対応できるように準備しておかなければならないかもと思う

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    2015年01月19日
  • ウクライナ戦争後の世界秩序(集英社インターナショナル)

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    ウクライナ戦争計画は最初から漏れ気味だった、スターリンが核兵器開発を優先したことで日本本土、特に予定されていた北海道へのソ連軍の侵攻は中止された等、興味深いことが書かれていました。

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    2025年09月26日
  • 新危機の20年 プーチン政治史

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    16世紀以降西ウクライナ地域はポーランド=リトアニア大公国と西方教会の影響を受け、東ウクライナは正教国家、ロシア帝国の一部「小ルーシ」「新ロシア」と呼ばれてきた。

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    2023年07月23日
  • プーチン戦争の論理(インターナショナル新書)

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    ソ連〜ロシア研究の専門家によるウクライナ戦争の解説。

    ウクライナ戦争については、どうしてもウクライナ側、欧米側にたった記事や論評が多く、ロシア側からみようとしていても、実は、ロシア側というより、反米という視点にたったものが多い感じがする。そういうなかで、長年、ソ連〜ロシアを見てきた著者による本は、新しい視点を与えてくれた感じがする。

    著者は、この戦争は、長い時間軸のなかでみることの必要性を述べていて、どこが起点になるかというとキリスト教化、正教化した時点となる。

    そして、ソ連という建前上、無神論の時代においても、実は正教的なものが指導者の間にもあって、ソ連崩壊後は、それが前面にでてきてい

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    2023年07月19日
  • ソビエト連邦史 1917-1991

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    モロトフを軸に叙述するのは、ちょうどその生涯がソ連の誕生から崩壊に至る歴史とほぼほぼ重なる要素もあるだろう。それにしても、ソ連の誕生から崩壊に至る過程はまさに壮大な社会実験そのものという気がする一方、その実験で失われた命はあまりにも多い。
    米ソ冷戦が終結といったニュースを聴いた子供の頃、これから戦争というものは起こらなくなるのだなとぼんやり思った記憶があるが、現代は覇権主義やポピュリズムなどが台頭し、冷戦時の二極から多極化して混迷の度を深めている。未来の世界史の行方が気になる。

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    2022年09月04日
  • プーチンはアジアをめざす 激変する国際政治

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    ネタバレ

    大変読みやすく、1日で読破できる。読みやすさでいえば★5だ。
    2014危機については、ロシア寄りの解説となっている。ウクライナ側からの立場の記述が少ない。マイダン革命についても、ネオナチによるクーデターとしての側面を強調している。この部分は他の書籍で補う必要がある。ただ、「ロシアから見たクリミア危機」を理解するにはうってつけともいえる。
    プーチンの素顔に迫った部分や、アジア外交の分析については、大変勉強になった。日露外交や北方領土についての叙述も参考になる。

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    2020年12月11日
  • アジア冷戦史

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    問「なぜ、東アジアでは冷戦が終結しないのか?」答「欧州と違い、モスクワの一元管理ではなかったから」『アジア冷戦史』といいながら、東西対立ではなく、ソ連と中国(と北朝鮮とモンゴルとベトナム)の対立の歴史である。北朝鮮問題がここまで長引いているのも、金日成がモスクワと北京の共同介入を乗り越えて逆に絶対権力を掌握した事に端を発するのだろう。北朝鮮の『自主』の重みをようやく理解できた気がする。

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    2018年10月14日
  • プーチンはアジアをめざす 激変する国際政治

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    ネタバレ

    2014年2月に起こったウクライナの政変に端を発するウクライナ危機によって、欧米諸国とロシアとのあいだに緊張が走った。ロシアのプーチン政権はどのような舵取りをするのか、そして日本との関係はどうなるのか。著者はロシアとウクライナの国家成立の歴史から現在の政治情勢までを非常にわかりやすく説明しながら、今なぜロシア外交が東方へシフトしているのかを繙いていく。筆者の見立てでは、プーチンが進めるユーラシア主義に基づくアジア重視外交は、特に日本に対する接近を強めていくであろうとみている。そして今こそロシアと日本のあいだにある北方領土問題の解決を進めるべきであることを強調する。
    日本は中国との関係改善が進ま

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    2017年02月05日
  • プーチンはアジアをめざす 激変する国際政治

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    なかなか宗教や人種についての土地勘ができぬので苦しんだが、良い一冊であった。
    浅羽先生とこで推薦されてたけど、やはり二国間関係を考えるというのはあまり現実的ではないというか、有効ではなくて、多国間での見通しを持った上での二国間関係とならねばならんが、外務省はどうもスクールごとのセクショナリズムが強いと聞きますし、どうすりゃいいのやら。
    そして、ウクライナもユーゴスラビア並みとは言わないけどなかなか解決の難しい入り乱れ方なのね…

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    2015年03月11日
  • プーチンはアジアをめざす 激変する国際政治

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    すみません。
    まったくもって、帯のプーチンの写真がかっこよかったからとジャケ買いしました。

    下斗米先生の書かれるものなので読みやすく、分かりやすいだろうと信じています(何

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    2015年02月18日
  • アジア冷戦史

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    極東アジアにおける冷戦史を国家間のやりとりをもとに記した一冊。
    骨太な内容であり、個々の事象についてはある程度の
    事前知識が無ければおいて行かれる印象を受ける。
    とはいえ冷戦下のパワーバランスの中での北朝鮮の起こりや
    中ソ冷戦に関する記載は非常に興味深く読むことができた。

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    2012年08月21日
  • アジア冷戦史

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    ネタバレ

    冷戦に関する本は数多く読んできたが、読む本それぞれ新しい内容にふれ、驚かされる。
    ・中ソ対立はイデオロギー対立というより、核による利害対立であったといえること。
    ・北朝鮮の正式名称はロシア語からの直訳であること。また中ソ対立では、巧妙に小国がゆえの立ち回りを見せたこと。

    この本は2004年と比較的新しく、六カ国協議まで含まれる。
    東アジアの複雑怪奇な冷戦史を知らない限り、語れないことも多い。

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    2011年04月09日
  • アジア冷戦史

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    アジアの近代は、国民国家の成立を待たずに帝国主義の支配に従い、次いでただちに社会主義の洗礼を受けた。
    このため、ヨーロッパでの東西対立のような国家関係が存在しなかった。
    こうした、この地域独得の多極的な力関係や歴史的背景を抜きにしてアジアの冷戦は語れない。
    本書は、ソ連崩壊前後に公開された機密文書、重い口を開いた証言などを綜合して、アジアでの冷戦の誕生から終焉までをたどるものである。

    [ 目次 ]
    第1章 アジア冷戦の始まり
    第2章 中国革命と中ソ同盟(一九四九―六〇)
    第3章 北朝鮮―建国・戦争・自主
    第4章 ソ連とアジア、偽りの同盟(一九五四―六四)
    第5章 中ソ冷戦とアジ

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    2011年04月03日
  • ウクライナ戦争後の世界秩序(集英社インターナショナル)

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    ●ウクライナ戦争の原因とこれからの世界の構図を分析した本。
    ●筆者は、ウクライナは歴史的に東西の分裂があり、この国内の歪みがウクライナ戦争を引き起こした最大の要因と語る。その上で、冷戦終結時に米ロで約束されたはずの軍事同盟の不拡大を破って、NATOやアメリカによる東方拡大政策もウクライナ戦争の一因だと繰り返し述べている。日本は西洋諸国側の立場だからか、メディアなどではロシアが悪といった風潮があったが、そう単純なものではないのだと改めて思い知った。

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    2025年11月10日
  • ウクライナ戦争後の世界秩序(集英社インターナショナル)

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    ウクライナ情勢への関心が下がっている事は至近の支援件数や寄付、報道の減少からも明らかなようだ。個人的には、国益最大化を求め合った故のバグという為政者の身勝手な論理が透け、善悪二元論で片方を擁護しようという気持ちが冷めてきている、というか成立しないままだ。特にトランプのディールの介入がそうさせた気がする。唯一、戦争という手段を選んだプーチンは先に手を出したから悪いという論理くらいだ。

    長期化するのかも知れない。また、だからといってマンネリ化して受け止め、日本には影響がない事とも言えない。本書のタイトルにあるような〝戦争後“なんて考えられるのか、覗いてみたい気がしたのだが。だが、正直いうとその事

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    2025年10月06日
  • ソビエト連邦史 1917-1991

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    レーニンからゴルバチョフまで。二次大戦期に外相を務め、スターリン時代のNO.2でもあるモロトフを軸としてソビエトの始まりから終わりまでが書かれてる。よく分からないところもあったけれど、ソビエトの社会主義とはなんだったのか改めて考えさせられた気がする。

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    2024年04月11日