【感想・ネタバレ】アジア冷戦史のレビュー

あらすじ

アジアの近代は、国民国家の成立を待たずに帝国主義の支配に従い、次いでただちに社会主義の洗礼を受けた。このため、ヨーロッパでの東西対立のような国家関係が存在しなかった。こうした、この地域独得の多極的な力関係や歴史的背景を抜きにしてアジアの冷戦は語れない。本書は、ソ連崩壊前後に公開された機密文書、重い口を開いた証言などを綜合して、アジアでの冷戦の誕生から終焉までをたどるものである。

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Posted by ブクログ

アジアでの冷戦を概観することで第二次世界大戦から今までの東アジアの国際政治の流れが繋がった。近現代史ってのはなかなか勉強する気が起きずにいたんだけど、その意味でこの本から多くを学んだ。
北朝鮮、中国、モンゴル、ベトナムなんかとソ連がいかに絡み合ってきたのか。ソ連崩壊後に公開された史料も合わせて淡々と歴史を説明してくれる。

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2015年11月03日

Posted by ブクログ

問「なぜ、東アジアでは冷戦が終結しないのか?」答「欧州と違い、モスクワの一元管理ではなかったから」『アジア冷戦史』といいながら、東西対立ではなく、ソ連と中国(と北朝鮮とモンゴルとベトナム)の対立の歴史である。北朝鮮問題がここまで長引いているのも、金日成がモスクワと北京の共同介入を乗り越えて逆に絶対権力を掌握した事に端を発するのだろう。北朝鮮の『自主』の重みをようやく理解できた気がする。

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2018年10月14日

Posted by ブクログ

極東アジアにおける冷戦史を国家間のやりとりをもとに記した一冊。
骨太な内容であり、個々の事象についてはある程度の
事前知識が無ければおいて行かれる印象を受ける。
とはいえ冷戦下のパワーバランスの中での北朝鮮の起こりや
中ソ冷戦に関する記載は非常に興味深く読むことができた。

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2012年08月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

冷戦に関する本は数多く読んできたが、読む本それぞれ新しい内容にふれ、驚かされる。
・中ソ対立はイデオロギー対立というより、核による利害対立であったといえること。
・北朝鮮の正式名称はロシア語からの直訳であること。また中ソ対立では、巧妙に小国がゆえの立ち回りを見せたこと。

この本は2004年と比較的新しく、六カ国協議まで含まれる。
東アジアの複雑怪奇な冷戦史を知らない限り、語れないことも多い。

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2011年04月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
アジアの近代は、国民国家の成立を待たずに帝国主義の支配に従い、次いでただちに社会主義の洗礼を受けた。
このため、ヨーロッパでの東西対立のような国家関係が存在しなかった。
こうした、この地域独得の多極的な力関係や歴史的背景を抜きにしてアジアの冷戦は語れない。
本書は、ソ連崩壊前後に公開された機密文書、重い口を開いた証言などを綜合して、アジアでの冷戦の誕生から終焉までをたどるものである。

[ 目次 ]
第1章 アジア冷戦の始まり
第2章 中国革命と中ソ同盟(一九四九―六〇)
第3章 北朝鮮―建国・戦争・自主
第4章 ソ連とアジア、偽りの同盟(一九五四―六四)
第5章 中ソ冷戦とアジア冷戦(一九六四―八四)
第6章 ソ連の崩壊とアジア
第7章 二一世紀のアジア

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月03日

Posted by ブクログ

主にソ連崩壊後に公開されだしたロシア側の資料に基づいて、アジアという地域に焦点を当て、冷戦の始まりから終焉までの通史を描いている。
ヨーロッパ側とは違って、アジアの社会主義陣営は当初から多元化・多極化していたところに特徴があり、そのアジア冷戦の特異性が北朝鮮など現在に至る冷戦の残滓につながっているということがよくわかった。また、アジア冷戦において、スターリンや毛沢東をはじめ「人」の要素が大きく影響を与えてたこともあらためて感じた。
ただ、事実の羅列が多く、重複箇所も散見される本書はあまり読みやすくはなかった。

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2014年04月12日

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