下斗米伸夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ロシア革命はキリスト教の正教の古儀式派が関係していたということについての詳細な説明がある。
最初は、「とんでも」系の陰謀説かと思ったりしたが、これは真面目な話しで、説得力は高い。
よく考えたら、あの時代に無神論、唯物論で、民衆を巻き込んだ革命とかできないはずだし、ドストエフスキーとか、トルストイとか、読むと、ロシアにおける宗教の重要性は明確で、革命が宗教的なものと関連しているのは自明なことのはず。
つまり、いつの間にか、私も共産主義=唯物論というイデオロギーに洗脳されていたということか。
ただ、やたら詳しくて、全体像が見えにくかったら、既出の論文を使ったためか、同じ話しが繰り返されたり -
Posted by ブクログ
モロトフを基軸に、ソビエトの勃興から崩壊までを最新の研究成果も交えながらコンパクトにまとめ上げた力作。
アナクロニズムの連続、そもそも革命政権が肥大化していくことの内包する矛盾が、ソ連の崩壊の端的な理由だと改めて。
ただ、ソビエト史と共産主義史へのある程度の知識がないと、事実の羅列を追うだけになってしまうので、入門的には使えない。
スターリンの時期はかなり丁寧に記されているが、崩壊のメカニズムに迫りたい、という個人的なこの本を手に取った動機を満たすものではなかったかな、、
個人的には、モロトフという着眼はとても面白く、彼の人生こそソ連の歴史そのものだというのはまさしくその通りだと思った