アルトゥール・ショーペンハウアーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ三ヶ月ぐらいかけてゆっくり堪能。徹底した厭世ぶり。人が幸福なのは不幸でない状態だとする彼の考え方は自分のそれと同じため、読んでいて気持ちよかったです。
快楽や物質や名誉を得るよりも苦痛を回避するべき。それはこの本に書かれていることであり、自分が普段実践しちゃってることです。そのため筆者によれば自分は幸福なはずです。そうなのかな。ふむ。そうなのかもしれない。
でもでも顧みれば自分が失ってしまったものはあまりにも多い気がします。幸せなぶぶもあればそうじゃない部分もありますね。幸せなんてやっぱり定義しにくいですね。
なかなか興味深かったです。
ショーペンハウアーの孤独は言い訳がましいな。 -
Posted by ブクログ
哲学書を読む楽しみは、個人的に二つあります。
ひとつは自分が何度か考えたことのある問題を、名のある哲学者たちも考えたことがあったのだと発見すること。
もうひとつは自分がこれまで一度も考えたことがない問題を指摘され、世界の見方が一変するときです。
本書は前者に当たります。
幸福は「モノの所有」と「他者との関係」では規定できません。
欲しいモノを手に入れたとしても、手に入れた途端、また新たに欲しいモノが出てきます。いて欲しい人と望ましい関係を築いても、また別の人との関係を望むようになります。
しかも病気になってしまえば、欲しいモノや築きたい人間関係以前に、ただただ健康であることを望むよ -
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Posted by ブクログ
ショーペンハウアーの思想について簡潔に解説している入門書です。
ショーペンハウアーの主著である『意志と表象としての世界』は、カントの二元論の枠組みを継承しつつ、表象にもとづいて理解される世界を超えたところに、無目的な意志に突き動かされて活動する人間の真実を見ていました。彼は、生きようとする意志の奴隷であることから自由になることをめざし、芸術と共苦の意義についての考察をおこないました。
多くの人びとはこうしたショーペンハウアーの思想を、ペシミズムの世界観とみなしてきました。インド哲学にも親しんでいた彼は、意志の否定によって悟りの境地に到達することをめざしていたということができます。近年の反出 -
Posted by ブクログ
「人生とは苦しみである」とか「他者と関係しながら働く事は基本的には不愉快なことである」みたいな似非アフォリズムが私の頭を支配する。つまり、現状をネガティブに表象することで分かったような諦観で自己暗示し、傷を深めないように防衛する手段だ。これは私の悪い癖の一部なのだが、似たように悪い癖をもつ哲学者がいた。一緒にするにはレベルが違い過ぎるが、ショーペンハウアーその人だ。
自分の頭で考えないようになるから、読書なんてやめてしまえ、みたいな彼の読書論は、衝撃的だった。読書を楽しみ始めたばかりの若い私は、必死でこれへの反論を考えた。考える事の矛盾に気付き、自分の頭で考えないなんて言いがかりが間違いで馬 -
Posted by ブクログ
1年以上かかって、ようやく1人旅をきっかけに読みを終えることができた。大学に入って哲学に興味を持って哲学書になるものを初めて購入したのが本書であるが、結論から言うと私はそこまで哲学には夢中になれない。この本は数多の古典的な哲学者に比べて比較的平易だし、自分の好きな哲学者だからスイスイ読めるかと思いきや読み進めていくと疲れてくるし、イライラしてくる。理由としては、論理的に解決することが不可能であると思われる課題に立ち向かっていくという哲学の本質上仕方のないことだが、どうにもこうにもややこしすぎる。そしてややこしいのに解決しきったとは言い切れない。ここが哲学の特徴であるが、自分はこの点が少し馴染め
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