【感想・ネタバレ】今を生きる思想 ショーペンハウアー 欲望にまみれた世界を生き抜くのレビュー

あらすじ

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100ページで教養をイッキ読み!
現代新書の新シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」刊行開始!!

1:それは、どんな思想なのか(概論)
2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景)
3:なぜ、その思想が今こそ読まれるべきなのか(現在への応用)

テーマを上記の3点に絞り、本文100ページ+αでコンパクトにまとめた、
「一気に読める教養新書」です!
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ショーペンハウアー

苦しみに満ちた人生を、いかに生きるべきか。
欲望を原動力とした現代社会の歪みが、生きづらさに拍車をかけている。
苦悩や葛藤から自由になる道を考え抜いた哲学者が導く「生きるヒント」とは。

叱咤激励、小気味よいアイロニー。
人生の悩みに効く「求道の哲学」と「処世の哲学」。


【本書の内容】

●幼少期に目撃した人間社会の「生の悲惨さ」
●世界は「にせもの」なのかもしれない
●欲望から自由になるための「意志の否定」
●<悪>から私たちを解放する「共苦」と「芸術」
●日本の若者たちに刺さった「青春の哲学」
●人付き合いは「仮面をつけた化かし合い」である
●欠点は隠すよりも見せたほうがよい
●「生まれてこなければよかった」反出生主義に対する「救済の道」

……ほか

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Posted by ブクログ

ショーペンハウアーの思想に興味があり、まず手に取った本。ショーペンハウアーの生涯や旅路を知り、どんな人物だったのかを理解した上で、ショーペンハウアーが考えた哲学を学ぶことが出来た。とてもショーペンハウアーの思想についてわかりやすく伝わる本だった。興味が持てた部分についてはショーペンハウアーの著書を読みたいと思った。著者のおわりにの文章が非常に良かった。ショーペンハウアーの思想を学び、色々と考えた自分の背中を押してくれるような温かな文章だった。

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2024年06月11日

Posted by ブクログ

ショーペンハウアーの思想を筆者の意見を出来るだけ交えず簡単に説明された本
ショーペンハウアー入門に最適である

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2023年12月03日

Posted by ブクログ

ショーペンハウアーの哲学。
筆者は特任教授を務める梅田孝太博士。
専門は哲学・倫理学、クリティカルシンキング。

ショーペンハウアーの哲学は2冊目だが、1冊目は正直あたまに入ってこなかったし上澄を舐めただけのようなもので自分には響かないものだった。
ショーペンハウアーと言えば幸せについてのようだが、幸せの裏側や側面には孤独があり、今回読もうと思うきっかけは孤独についてであった。

そんなきっかけで、たまたま手にした梅田孝太氏の著書だが思いのほか良かった。いや、私にはとても良かった。
いきなり哲学ではなく、ショーペンハウアーの生い立ちと人となり、人との関わりと哲学、ここから入っており哲学は少なめである。
少なめとは言え、深掘りしたいテーマや興味を持つものはショーペンハウアーの著書を読んでみたいとなるはずだから、その方向性はそれでよろしかろう。

おわりに、とある最後は、著者のあとがきだが、それがまた良かった。
少なめなな文量も良いが、それで良いんだよと背中をボンとされたようで肯定感に満たされる。

この後、ショーペンハウアーの「孤独と人生」を読むが、とても良い足がかりになったと言える。

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2023年06月08日

Posted by ブクログ

メモ:
今、ショーペンハウアーを読む意義の一つは、人生の勝負からいったん離れて、人生とはそもそも何なのかを客観的に考えることができるような、哲学的な思考空間を頭の中にしつられることができるということにある。

彼の示した哲学は、とりわけ現代人が必要としている「心のケア」になりうる。

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2022年09月23日

Posted by ブクログ

人生を苦と表現した仏教的な部分もあるが、哲学者は思考や考え方に囚われ真理に目覚めているわけではないので惜しい感じもします。

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

「内面の富」を追求してから物事に触れたり考えたりする。『読書について』でも「本で読んだ他人の思想は、他人の食べ残し、他人が脱ぎ捨てたお古にすぎない」とショーペンハウアーは述べている。知ることと実感することは解像度が変化する。「〜したい」ということは生きるための欲求なので必要なことではあるが、まずは人格形成から育てて、軸をつくる。そして、それを元にして行動することが大切なんだと解釈しました。まだ理解できていないところもありますが、彼の哲学は今でも生きるものだと再認識しました。

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2025年06月02日

Posted by ブクログ

ショーペンハウアーと言えばペシミズムのイメージで、彼の肖像画からも見えるように人生に絶望してる老人のイメージだった。
実際はそこまででもなく、新しい生き方や哲学を模索し、彼自身も老後を楽しく過ごしていたらしい。過去に闇落ちしたアニメや漫画の主人公の老後みたいな感じでかっこいい。

ただ、「生きる意思」を必死に抑制した所で何も本質的な解決にはならないような気もした。欲望に従ってそこそこ成功するのが1番幸せそうな気もする。実際お坊さんとか金の亡者で肉食いまくってるし、、、

「生きる意思」が人間の逃れられない本能なら、それに逆らうことは苦痛を伴うんじゃないの?
作者が「おわりに」で、わたしは幸せであるということと、人生は本質的には苦しみである事は両立する事言ってて何となく納得はしたけど。

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2023年04月07日

Posted by ブクログ

「意志の否定」の考え方は難しいが、
生の本質は苦しみである→欲望には限りがないから、より幸せになろうとするより、苦しみを少なくすることこそ幸せになる上で必要だ、というのは分かりやすい。
自分の考え方に近いところもあり、ショーペンハウアーの書籍そのものにも触れてみたいと思った。

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2023年02月14日

Posted by ブクログ

100ページ余りというちょうど良い長さで人生についても著書についても思想についても触れられていて、わかりやすい本でした。
「人生の本質は苦しみ」「心豊かに生きるために欲望をあきらめることで苦悩を少なくしようという思考法」というのは非常に共感できるものでした。

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2023年01月08日

購入済み

厭世主義の紹介

ショーペンハウアーは厭世主義を展開したことで広く知られている。本書ではその紹介がなられている。個人的な意見としては、ショーペンハウアーによる仏教の解釈の説明が不十分に感じた。

#深い

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2022年12月01日

Posted by ブクログ

ショーペンハウアーの思想について簡潔に解説している入門書です。

ショーペンハウアーの主著である『意志と表象としての世界』は、カントの二元論の枠組みを継承しつつ、表象にもとづいて理解される世界を超えたところに、無目的な意志に突き動かされて活動する人間の真実を見ていました。彼は、生きようとする意志の奴隷であることから自由になることをめざし、芸術と共苦の意義についての考察をおこないました。

多くの人びとはこうしたショーペンハウアーの思想を、ペシミズムの世界観とみなしてきました。インド哲学にも親しんでいた彼は、意志の否定によって悟りの境地に到達することをめざしていたということができます。近年の反出生主義にかんする議論でも、ショーペンハウアーの思想のこのような側面に注目がなされています。著者は、ショーペンハウアーの思想のこうした側面を、「求道の哲学」と呼んでいます。

しかし本書では、ショーペンハウアーの晩年の著作である『余録と補遺』に、これとは異なる思想が展開されていることに目を向けています。そこでは、人間たちの無目的な意志が織りなす世界をできるかぎりおだやかな心で生きるために、欲望に由来する苦悩をすくなくすることが求められていました。著者はこのようなショーペンハウアーの思想を「処世の哲学」と呼び、現代においてこうした思想がもつ意義についても考察しています。

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2025年05月01日

Posted by ブクログ

「人生とは苦しみである」とか「他者と関係しながら働く事は基本的には不愉快なことである」みたいな似非アフォリズムが私の頭を支配する。つまり、現状をネガティブに表象することで分かったような諦観で自己暗示し、傷を深めないように防衛する手段だ。これは私の悪い癖の一部なのだが、似たように悪い癖をもつ哲学者がいた。一緒にするにはレベルが違い過ぎるが、ショーペンハウアーその人だ。

自分の頭で考えないようになるから、読書なんてやめてしまえ、みたいな彼の読書論は、衝撃的だった。読書を楽しみ始めたばかりの若い私は、必死でこれへの反論を考えた。考える事の矛盾に気付き、自分の頭で考えないなんて言いがかりが間違いで馬鹿らしくなった。今となって、ショーペンハウアーの時代が、印刷技術や批判的思考の軸となる大衆教育が普及していなかった事、検閲の仕組みが未成熟だったりで、そのために無批判に書籍を信じる人が蔓延していたことも背景にあったのだとわかる。だから、現代にそのまま通じない。但し、もちろん、自分の頭で考えない読書は、推奨されるべきではない。

― 結局のところ、自分で根本的に考えたことにだけ真実と生命がある。それだけが本当に完全に正しく理解できるものだからだ。本で読んだ他人の思想は、他人の食べ残し、他人が脱ぎ捨てたお古にすぎない。わたしたち自身の内に生じる思想が春に咲く花であるのに比すれば、本で読んだ他人の思想は石に刻まれた太古の花の跡のようなものだ。

ショーペンハウアーによれば、人づきあいなどそもそも仮面をつけた騙し合いにほかならないのだから、そんなことを真剣に悩む必要などないのだという。また、ショーペンハウアーの考える幸福への道のりとは、何かを手に入れて欲望を満たすことではない。「意志の否定」という真理に照らして、過ぎたものを求めることを「あきらめ」、より重要な幸福の種が何なのかを「あきらかに」することで、心を穏やかに生き抜く術を教えてくれるのである。ストイシズムとペシミズムが交錯するような価値観で、考えることが沈む事、ダウナー系の哲学者という感じだが、しかし、何故かホッとするのは、圧倒的にネガティブを追求する存在を発見し孤独感がまぎれるからなのかもしれない。

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2025年01月27日

Posted by ブクログ

人生は本質的に苦しみ。生きる苦しみから解放されるためのドイツの哲学者ショーペンハウアーの求道的論説。この時代には珍しいインド哲学の影響。欲望からの解放。納得いくところとよく分からないところがあった。全体的に悲観主義の雰囲気が色濃く、ちょっと気が滅入るのと、幸福についての本には男尊女卑の考え方が含まれている、など残念だった。あんまり合わないかも。反出生主義、意志の否定、…もうちょっと楽しく生きさせてほしいと思った。ショーペンハウアー的にはこれが究極の幸せということなのかもしれないが。。

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2024年06月21日

Posted by ブクログ

ショーペンハウアーさんは苦悩の人生を送り、若いころの求道の哲学と、年とってからそれにもとづいた処世の哲学を生み出しました、みたいな感じ。ちょっとまじめに読みすぎてるのではないかという気がする。女嫌いの話はなさそうで残念。「注意してほしいのは、この書物には男尊女卑や人種差別が含まれていることだ」ぐらい

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2023年01月02日

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