山本紀夫のレビュー一覧

  • 高地文明―「もう一つの四大文明」の発見

    Posted by ブクログ

    大河のほとりで生まれたとされる「四大文明」には当てはまらない、大河のない熱帯高地で発展した四つの文明(アンデス、メキシコ、チベット、エチオピア)を解説している。
    従来の四大文明史観や高地を「住みにくい」とする見方への丁寧な反証のあとにそれぞれの文明についての建築、農業、宗教や文化など。

    0
    2025年07月12日
  • 先住民から見た世界史 コロンブスの「新大陸発見」

    Posted by ブクログ

    僕らの知ってる世界史が近代西欧型文明を至上としてるのだと痛感し、文字を持たず滅びた新大陸の先住民の歴史に想いを馳せる

    いやー面白かった
    ジャレドダイヤモンドの「銃・病原菌・鉄」と双璧を成すと思う

    0
    2023年07月09日
  • 高地文明―「もう一つの四大文明」の発見

    Posted by ブクログ

    高校の教科書では、文明とは四大文明(エジプト・メソポタミア・インダス・黄河)を指していて、それらは大河のほとりにあるとされている。

    しかしそうなれば、大河の近くになければ文明は生まれないということにならないだろうか。そもそも、この四大文明はどのようにして定義されたのか。

    教科書に載っているから正しい、という表面から、人間を世界スケールで考えて、高地でも文明が発達したのではないか、という奥行きに至るまでの発想と、行動力。

    常識的に物事を考えることに飽きてきた頃に読むことをお勧めします。

    0
    2023年07月01日
  • 高地文明―「もう一つの四大文明」の発見

    Posted by ブクログ

    大河に着目した四大文明に対し、高原文明との逆説を提示する一冊。背景には農業とアンデスの素養を基盤とする著者のこだわりが…。特にイモにこだわりがあるようだ。

    0
    2021年09月04日
  • 高地文明―「もう一つの四大文明」の発見

    Posted by ブクログ

    四大文明は大河のほとりで生まれたー。そんな当たり前とされている「常識」に疑問を抱き、それらは実は正しくないのではと提案する。本書はアンデス、メキシコ、チベット、エチオピアの熱帯高地で独自の高度な文明が発展してきた様子を紹介する。高カロリーな穀物、芋類を独自に栽培化した4つの熱帯高地はたしかに文明と言えるのかもしれない。

    0
    2021年08月22日
  • トウガラシの世界史 辛くて熱い「食卓革命」

    Posted by ブクログ

    表紙をめくると、目にも鮮やか、口が熱くなりそうな写真が飛び込んでくる。
    真っ赤で辛くて美味しいトウガラシ。
    これは一体どこでう前、どのように広がり、どう使われてきたのか。
    小さいけれどすこびる(すこぶる)衝撃的なトウガラシの旅へ!

    トウガラシの生まれは中南米。
    どうもそこらへんに生えていたものらしく、今でも野生種が残っているという。
    大航海時代を経てヨーロッパに伝わったばかりの頃、彼らはこう言われていた。
    「食べると死ぬ」と。
    しかしそんな「死」を連想させる彼らは今ではカレーになくてはならないもの、ブータンではこれ抜きなんて考えられない、韓国では生活の一部となって私たちの舌をヒリヒリさせてい

    0
    2016年05月04日
  • 天空の帝国インカ その謎に挑む

    Posted by ブクログ

    地理・農業・民族から見るインカ分析。異形信仰が多様な垂直農業と関連したのではないかという説が面白い。紀元前アンデスからインカまでのダイジェストもありがたい。

    0
    2014年09月06日
  • 先住民から見た世界史 コロンブスの「新大陸発見」

    Posted by ブクログ

    コロンブスが「発見」したことで、南北アメリカ大陸と世界にどんな影響があったかを、主に食糧と疫学の点から整理した本。

    内容は素晴らしく面白いんですけど、南北アメリカ以外にももっと色々な先住民の話が書かれていることを期待して買ったタイトルだったので★1つ減らしました

    0
    2025年10月27日
  • 先住民から見た世界史 コロンブスの「新大陸発見」

    Posted by ブクログ

    コロンブスの功罪ーコロンブスが新大陸を発見したことによる「負の側面」を明らかにしている。
    奴隷の輸入、コロンブスの到来による疫病の蔓延。『先住民から見た世界史』は、アメリカ大陸に限定された内容だが、読み終えると他の地域にも思いを馳せる機会となる、深みのある1冊。
    ある論文に対する反論本という印象で、著者が執筆した意図が推測できる。でもこの1冊には有力な論文への「異議」だけでは片付けられない、読者の興味関心をひき立てる内容に富んでいる。
    食べ物の発見から、家畜、奴隷、疫病、新大陸発見による先住民の苦しみ。「コロンブスの新大陸発見」という偉業の裏に隠れた事実を、明快に記している。なんといっても分か

    0
    2025年10月20日
  • トウガラシの世界史 辛くて熱い「食卓革命」

    Posted by ブクログ

    - トウガラシの近縁野生種は例外なく道路や川岸など、不安定な植生の環境でのみ見られ、純粋の自然林や自然草原などでは生育しない植物、すなわち雑草なのである。このように、雑草は人間が破壊したり、介入した部分にだけ生じる植物であり、その意味で「雑草は人間文化にたよって生育している」のである。

    0
    2025年08月25日
  • 先住民から見た世界史 コロンブスの「新大陸発見」

    Posted by ブクログ

    「コロンブスの発見」を先住民の立場から読み解いた本。
    トウモロコシやトウガラシ、じゃがいもといった作物、持ち込まれた家畜、疫病、奴隷の問題。

    近年コロンブスに対する評価は負の側面が再考され、批判的に見られていたのは知っていたが、より多角的な形で描かれていて考えさせられた。
    豊かになるごとに資源や労働力を奪い合う人間の歴史を目の当たりにすると、文明の発展の代償や暗部を思い知らされる。

    作者は農学が特に強いようで、作物の歴史が特に詳しくページを割かれていた。先住民が育ててきた作物の歴史や毒抜き方法など、確かに貢献は大きく、再評価されるべきだろう。
    逆に疫病に関してはさらりと流されている印象。い

    0
    2025年06月14日
  • 高地文明―「もう一つの四大文明」の発見

    Posted by ブクログ

    ロマンいっぱいでおもしろい。メキシコ、アンデス、チベット、エチオピアに栄えた古代文明の謎を追う一冊。
    共通しているのは低緯度の高地にあること。
    熱帯と高地という住みにくそうな属性がセットになると、意外や住みやすくなるというのは興味深い。

    ■熱帯の高地で栄えた背景
    ・低地ほど高温多湿ではなく過ごしやすい
    ・高地では病原菌を媒介する蚊が少ない
    ・平坦で広大な高原があり農耕ができる
    ・ほどほどの降水がある
    ・大河がなくても高山氷河から水をとれる
    ・トウモロコシ、ジャガイモ、ムギなどの主食栽培ができる環境

    0
    2025年05月16日
  • 先住民から見た世界史 コロンブスの「新大陸発見」

    Posted by ブクログ

    小学生の頃「コロンブスが新大陸を発見」って記述がどうも気持ち悪くて教員に聞くとそういう事なんだからそうなんだよと。
    「じゃあ、仮に最初の外国人がフランシスコ・ザビエルだと仮定して、【日本発見】はフランシスコ・ザビエルになるんすか?」と聞いたら「日本人が昔から住んでるのに発見っておかしいだろw」と言われた。
    混乱はしつつ、中学や高校でも再度出たかもしれんけどそのままにしてたモヤモヤが結局「主体・客体」って事だよね。

    その先住民側から見た侵略はどう映るのか期待して読んだ。
    確かに面白い。とうもろこしの件はロビンソンクルーソーを思い出したし、やっぱり飢饉には炭水化物のコスパがものをいう。日本ではさ

    0
    2024年08月28日
  • トウガラシの世界史 辛くて熱い「食卓革命」

    Posted by ブクログ

    トウガラシが実に多様な品種を持っているということが驚きだった。しかもこれは栽培品種と野生種が混じっているという所が面白い。
    それこそ同じアメリカ大陸原産のトウモロコシは野生種が見つからないことで有名であることを鑑みると不思議である。
    その答えが、①香辛料として使用するので効率性がそこまで重視されない ②草本性なので毎年新しく植える必要性がなく進化が促進されない
    というのが面白かった。

    紙幅の多くは世界各国のトウガラシの利用を地域ごとに紹介していく形式になっている。
    砂糖やじゃがいも程世界史に影響を及ぼしているわけではないので、世界史というよりは文化史と言った方が近い気もするが、ともかくトウガ

    0
    2024年05月26日
  • 先住民から見た世界史 コロンブスの「新大陸発見」

    Posted by ブクログ

    #2024年に読んだ本 33冊目
    #5月に読んだ本 4冊目

    主に扱われてるのは
    中南米のインディオとコロンブスの話

    歴史の本なんだけど
    植物学とか農業とか感染症についての
    知識がかなりつく内容だすなぁ…

    0
    2024年05月22日
  • トウガラシの世界史 辛くて熱い「食卓革命」

    Posted by ブクログ

    2024年1月

    国立民族学博物館のミュージアムショップで発見し面白そうだと思ったので購入!

    1章、2章は生物学寄りの内容で、3章以降は食文化に焦点を当てた民族学寄りの内容でした。
    トウガラシという存在が食文化を大きく変えたというのはすごい 辛い料理、好きだから、日本がトウガラシを食文化として受け入れてくれたことに感謝^⁠_⁠^

    0
    2024年01月11日
  • 先住民から見た世界史 コロンブスの「新大陸発見」

    Posted by ブクログ

     「コロンブスの交換」という言葉に違和感を持った著者。長く中南米の先住民と暮らしを共にしてきた著者からすると、それは先住民側からの視点を全く欠いた、欧米中心の見方であると考えたから。

     そこで著者は、具体的なモノに焦点を当てて、このコロンブスの交換という問題を検証することとした。
     第一部は、ヨーロッパに与えたものとして、トウモロコシ、トウガラシ、ジャガイモが取り上げられる。トウモロコシやジャガイモはヨーロッパの人口増加に大きく貢献したが、これらは栽培植物として、長い間の中南米先住民の努力の賜物であったことが具体的に示される。

     第二部は、先住民にもたらされた災厄として、まずサトウキビ。こ

    0
    2023年07月18日
  • 高地文明―「もう一つの四大文明」の発見

    Posted by ブクログ

    筆者はこの道数十年の研究者であり、とくにアンデスの古代文明についてフィールドワークと研究を重ねてきている。本書はその知見を存分に盛り込んだ意欲的かつ挑戦的な啓蒙書となっている。

    著者は教科書にも記述されておなじみになっている大河を中心に生まれたとされる「四大文明」に大きな疑問を呈する。要約すれば、文明が生まれる条件として「大河」がある必要があるか、むしろ野性植物をドメスティケーションし、栽培作物として定着させ得たかどうかが重要なのではないかという疑問である。著者はそうした観点から熱帯、亜熱帯の高地(具体的に本書で取り上げられている、メキシコ、アンデス、チベット、エチオピア)が文明のセンターと

    0
    2021年11月20日
  • 高地文明―「もう一つの四大文明」の発見

    Posted by ブクログ

    著者の専門とするアンデスについては特にこれまでの研究成果が積み重ねられており、きわめて説得力が高い。著者のフィールドワークの賜物。

    しかし、現時点で他の地域に関してまだ情報の蓄積が十分でないように思える。例えばイネの野生祖先種が長江流域に見つからないという点についても、イネの発祥についての各種論文を読む限り、事は著者が断じるほど単純でも無いように思える。この段階で「高地文明」を世界史に敷衍するのは恣意的に思える。さらなる研究の蓄積が必要だろう。

    ただし、アンデス地域における文明の誕生とその発展についてその著述は優れた概説だと思われる

    0
    2021年08月27日
  • トウガラシの世界史 辛くて熱い「食卓革命」

    Posted by ブクログ

    韓国といえばキムチ?四川と言えば辛い料理?なんて連想してました。歴史から見るとこんなイメージはごく最近の話とわかりました。トウガラシは南米産でコロンブスの大陸発見で世界デビューしたとは意外でした。

    0
    2016年11月14日