ゴーゴリのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
・『鼻』、場面が奇妙すぎて、ちょいちょい誤読してるのかと思った。「鼻が制服を着て歩いてる」って言われましても。想像力が追いつけないよ。
・『鼻』の締め方良すぎる。この話と同じくらいわけのわからんこと、現実でもたしかに起こるわ。
・『外套』、まじめな小心者が舞い上がった直後に落とされるの辛い。終盤の怪奇小説パートでなんだか救われた。世間を見返してやれてよかったね。
・『査察官』、フレスタコフのしょうもないクズっぷりが清々しくて好き。登場人物がみんな親近感の湧くクズ。慌てふためくクズを遠目に観察する感じのブラックコメディ。
・落語調の訳の主張が強すぎたな...。 -
Posted by ブクログ
この新訳は落語調になっているときいたのでどうなんだろうと多少心配しながら読んだが、話となかなかあっていて読みやすく面白かった。
別の訳で読んだことがある人はどうおもうかはわからないけど…私はこれがはじめてだったので違和感は感じなかった。
『鼻』は、ある日鼻が顔からなくなっていてその鼻が服を着てそのへんを歩き回っており…という話でシュール。
これは落語調じゃなければ余計意味わからん…って思いそうな話ではあった。
『外套』は、貧しい役人が頑張って新しい外套を手に入れるものの…という話。
これは語り口のおかげで笑える場面も多かったが、基本的にはロシアの下層民の憐れさ、それでも生きているし尊重すべ -
Posted by ブクログ
ゴーゴリというと名前だけは聞いたことがあるけれど
全く読んだことがなかったロシアの文豪??
ドストエフスキーはゴーゴリがいたから
自分の小説が書けた、みたいなことを言っているくらいの
すごい偉い人なんだろうなぁという印象だけはあった。
で、今回初ゴーゴリだったわけですが
ぶっ飛びました。
なんだ、このバカバカしさは!!
これは凄い。笑えます。
今の作家でいうと町田康なんかは近いのかも。
でもぶっ飛び具合のスケールが違う。
「鼻」という短編なんかは
朝起きたら虫になっていたというカフカどころではなくて
鏡を見たら鼻がなくなっていて
探しに町へ出たらその鼻が偉そうな格好で
町で紳士然と闊歩して -
Posted by ブクログ
このドタバタが、やっと終わった!という感じ。
第一部ではからだの丸い謎の男チーチコフが一癖も二癖もある貴族たちのもとを飛び回り、彼らに取引を持ちかける。
その取引というのが、事実死んではいるけれど書類上まだ死んだことになっていない農奴(役所の負荷を減らすために死亡登記は年一回とかだったらしい)を安く、あるいは無料で引き受けようというもの。
心よく無料でさしだす者もあれば、死んだ農奴の相場がいくらか・騙されたのではないかと猜疑心にとらわれる者、生前の農奴の特徴や長所を強調して値段をふっかける者、なんだかよくわからないがとにかく賭けがしたくてたまらない者……などなど。
まるでダンテの地獄篇のよ -
Posted by ブクログ
ジュンパ・ラヒリの『その名にちなんで』を読んで
ゴーゴリが気になったので読んでみる。
新訳だということで入り込めるかどうか心配ではあったが、おもしろい。
鼻は子どもに読み聞かせて一緒に笑いたいし、
外套は日本人に馴染み深い恨みつらみで化けて出る。
査察官のどたばたはなんとも滑稽。
どれもどこかで出会ったことがあるようで
それでいて奇抜な話。
訳者の遊び心に引きずられながら、
ずんずん読める。
ロシア文学を敬遠している人はゴーゴリから入ってみるのもいいかもしれない。
ロシア文学をますます好きになるか、
あるいはその反対か。
道は2つに1つ。