ゴーゴリのレビュー一覧

  • 死せる魂(中)

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    ネタバレ

    各地で「死んだ農奴」売買を済ませて宿に帰って、一夜を明かした所から始まる
    売買登記を裁判所で済ませた後、知事の家で晩餐会か開かれ、お偉いさんの夫人方にもチヤホヤされ万事が上手くいっていたチチコフだが、ある噂が立ってから町中の人間に避けられるようになる
    その理由を知ったチチコフはN市を急いで出発する…

    この巻は、上巻に比べて物語要素が薄く、当時のロシア(あるいはN市)の人間模様や価値観が詳細に描かれている。作者が顔を出して文学評論をしたり、ロシアのすばらしさを語り出すなど、一味違った面白さがあった

    とはいえしっかり物語としても面白く、作品全体の「転」にあたる章もあったりと次の展開が気になりな

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    2025年03月17日
  • 鼻/外套/査察官

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    『鼻』、何度読んでも意味がわからない。不条理で不気味、得体の知れなさ故に人はやれ何かの皮肉だ風刺だと意味を付けをしようと奮闘するのだろうなと思うと面白い。

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    2024年07月04日
  • 鼻/外套/査察官

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    楽語調で訳されたゴーゴリの代表作3作品。
    意見・好みは分かれるだろうけれど、ゴーゴリの入り口としてはとても面白い選択肢になると思う。
    とはいえ、この本の中で最も興味深いのは巻末の解説かもしれない。
    ゴーゴリに対する容赦のなさがあまりにも痛快。
    どの物語も「滅茶苦茶」な展開が面白い一方、どこか平面的な、マネキンを動かしているような、無機質さのようなものを感じた。
    確かに「彼は外形的フォルムを描く天才的な画家」であり、「外形を描き出すことしかなしえなかった」のだろう。

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    2023年05月16日
  • 鼻/外套/査察官

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    昔、岩波文庫で読んだのですが、あの時は「ダメだ、こりゃ」と思ったのです。だが、今回、新訳で読むと「まったく違う」。不思議だなぁと思った。生き生きしている。テンポがいい。査察官は、とくに笑えた。古典文学で、ここまで笑えたのは初めてだと思う。というのも落語風に翻訳していて、リズムがよく少し軽い感じで話しが展開していくので、古典という違和感を感じることなく読めたのが良かったのかもしれない。おもしろいですよ。コメディであり風刺なのかな。でも、当時のロシアがよくわかんないから、何となく風刺しているという風?。

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    2020年01月11日
  • 鼻/外套/査察官

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    新訳版ではべらんめえ口調となっているようです。
    これ岩波版と対比で読んでみたいなぁ。
    どう違う印象を受けるのでしょうね。

    3つの作品どれもが好きです。
    2つはまあありえないよ的な
    非日常物語。
    何せ最初の作品は鼻ディサピアードですので。
    しかも移動しよるから恐ろしい。

    でも、一番の傑作は
    滑稽さ前回の「査察官」
    悪いことしなければごまかしの連続なんかに
    ならなかったのにね。
    最後のあの場面は「頭にこびりつく」ことでしょう。

    賛否両論あるでしょうが
    この口調もわるかない。

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    2013年08月19日
  • 鼻/外套/査察官

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    2月にバーゲンで、定価の1/3で外套を購入。
    ロシアで着ても大丈夫な位暖かいですが、でーじ重い。
    1.5kgもあります。

    この外套に身に包んだ瞬間、何故か、ゴーゴリの『外套』を読みたくなりました。

    この作品は、悲喜劇なんですが、プロレタリア兼人望の無い、しがない安サラリーマンには、身につまされて笑えませんでした。
    昨日も、永年勤続で賞金を貰いましたが、お偉いさんから、会社に返せとかチクチク嫌がらせを受けたし。。。

    これって、パワハラじゃないかと憤りながらも、しっかり返しませんでした。
    そこで一句、やせ蛙、負けるなまるま(○ま=一色の碧い彗星の略称)、ここにあり。パクリ。

    感動したっ!以

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    2011年04月06日
  • 鼻/外套/査察官

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    ロシアが産んだ新感覚な笑いのエンターテイナー作家、ニコライ・ワシーリエヴィッチ・ゴーゴリの代表作3本を落語調で翻訳。

    やっぱり「鼻」は何度読んでも訳が分からない。でも、クセになるおもしろさ。巻末解説の「4次元的創造力」という言葉に納得。「鼻」のあまりのシュールさに慣れてしまうと、続く「外套」、「査察官」の世界観が当たり前すぎて、物足りなくなる。

    よって、ゴーゴリ初体験の方は「鼻」を後回しにして読むべし。

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    2011年01月07日
  • 死せる魂(上)

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    まさかこれは現代日本の話なのではと思う(笑
    還付金詐欺を思い出した。

    ゴーゴリの祖国ロシアに対する愛が伝わってきて楽しい。
    なんだかしょうもない主人公が可愛くなってくる。
    人形劇のような可愛いらしい雰囲気でこの本かなり好き。
    挿絵も面白い。

    つまり。愉快な本なんだよ。

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    2009年10月04日
  • 鼻/外套/査察官

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    想像以上におもしろかった。古典だが全然古さを感じない。こんな奇抜な設定のコミカルな話だなんて・・。
    岩波文庫と迷い、「鼻」の出だしを読み比べたがどちらも読みやすいと思えた。この文庫を選んだのは3編収録だったから。

    ところが、訳者解説に「「落語調」で訳した」、あとがきに「むこうみずとも思える落語調ゴーゴリを快諾いただいた・・・」と書いてあった。もし落語調でない原作を落語調に訳したものなら、出版社は購入者にわかるように裏表紙等に明記すべき。裏表紙の「新しい感覚で訳出した」という表現は曖昧過ぎる。

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    2025年07月07日
  • 鼻/外套/査察官

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    ▼ゴーゴリさんというのも、「いつか読んでみよう」と思っているうちに、「あれ?読んだのでは?」という気になってしまったいましたが、読んだことはありませんでした(笑)。

    ▼19世紀のかなり前半の人であり作であるはずなので、つまりはトルストイとかドストエフスキーの「ひとつ前の時代」。そう考えると、18世紀という間に、「産業革命」「資本主義」「ブルジョワジー」「都市」「現金貨幣経済」みたいなものがモスクワまで行きわたっていたんだな、という感慨。そういうものがないと、「ブルジョワジー向けの物語商品」というのは生まれないので。

    ▼「鼻」は、自分の「鼻」が独立した人格として活動をはじめてしまうというスラ

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    2025年06月01日
  • 死せる魂(下)

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    ネタバレ

    チチコフの遍歴がようやく終わりを遂げる
    場所は移り、明示的に農奴の購入をする場面は無くなったが、引き続き購入はしていたらしい

    ゴーゴリの初期の構想、ダンテの『神曲』に準えるということから、本巻収録の第二部は「煉獄編」に当たり、ロシア人の善性が描き出されることとなる
    自身ののらくらさや惰性を悪いとは思いつつも変えられない人々が善に傾く様子が描かれる
    その転換からはチチコフも逃れること能わず、新たに手を出した詐欺の発覚を皮切りにこれまでの悪行が司直に暴かれる
    一度見逃されていたチチコフは、今度こそダメだと絶望のどん底に陥るが、そこに救いの手が差し伸べられる。

    当時のロシア文学らしく救いの手段は

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    2025年03月26日
  • 死せる魂(上)

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    詐欺師で人当たりのいいチチコフが、宿泊先のホテルを拠点に各地の地主を巡って「死んだ農奴」を譲ってもらう。その道中で様々な人種─酷く偽善的だったり、粗暴だったり、けちだったり─に出会う。
    作者であるゴーゴリが想定していた三部作の一部目にして、ロシア帝国の悪の部分を知らしめるパート。事実、農奴が死んだことに対して何の憐れみの念ももたずに頭数の損失、ひいては無駄な税金を払わせるとして鬱陶しがる始末。
    主題と関係ないところで言うと、チチコフが一日で食べ過ぎなところ。実際に地の文で「こういった連中の食い気と胃の腑には、作者も羨望を禁じえない。」と書かれている。
    言い回しも古風なところがあって当時の時代感

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    2025年03月12日
  • 鼻/外套/査察官

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     光文社古典新訳文庫のこちらには、浦雅春さんによって落語調で翻訳されたゴーゴリの三作品が収録されている。ゴーゴリはおろかロシア文学のロの字も知らない私だが、落語調、というのが気になって手に取った。
     『鼻』がいきなりすごく面白い。ある朝床屋が焼きたてのパンを食べようと半分に切ったら、そこになんとお得意さんのお役人の鼻が入っている(のっけから、不気味とか不穏とかを通り越し、あらゆるルールを無視した世界であることが提示され、むしろ安心して読んでいける)。おかみさんに捨ててこいとどなられて捨てに行く。当のお役人の方も、起きたら鼻がないことに気づいてたまげている。町に出ると、馬車から自分より身分の高い

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    2023年02月04日
  • 鼻/外套/査察官

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    一年位前に読んだ「死せる魂」は
    つかみどころなく不完全燃焼のままだった。
    その後、自分が興味を持った作家がファボっていたり、他者を説明する喩えに使用されていたり、何だかんだと名前は目にしていた。


    今回のタイトルも全部漢字だよ。孤高の、寄せ付けない、雪降ってる感じ、出てるう。


    これがアータ、とっても愉快で楽しかった。

    訳がいい。床屋さんがパン食べようとしたら鼻が出てきて驚くんですが「鼻ッ!やっぱり鼻ッ。どうしたって鼻ッ!」「査察官」の市長の奥さん「あたしはあとじゃいやなんですゥ」小文字に悶えた。

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    2018年07月13日
  • 鼻/外套/査察官

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    「なんだよう、これ・・・・面白いじゃんかよう・・・。」と呟きながら読んだ『鼻』。なんかこういう夢見たことある気がしてくる支離滅裂っぷり。『外套』は、あぁきっとこの後酷い目に遭うんだろうなぁって思ってたらほんとにその通りになってしまい「あぁぁぁ( ;∀;)」と声が出た(笑)そこから先のもうひと押しが良いね。『査察官』は、前2作の方が好きだな、と思ってたけど、終盤にかけてシニカルな笑いが止まらなかった。解説でゴーゴリめっちゃ悪口書かれてて笑ってしまったが、おバカな天才だったんだろうか。他の作品も読みたい。

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    2016年08月21日
  • 鼻/外套/査察官

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    「鼻」「外套」と戯曲「査察官」の三編入り。
    ゴーゴリ初めて読んだんだけど、声に出して笑ってしまう。ザ・ロシアのユーモアという感じ。
    「鼻」は飛びきり明るいダリといった感じの映像が思い浮かぶ。ロシアの文学って極端だよなぁ。

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    2015年03月15日
  • 鼻/外套/査察官

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    恥ずかしながら名前は知っているがいつの時代の人も分かっていない。ただポップで、ドフトエフスキーが「我々は皆ゴーゴリの『外套』から生まれ出でたのだ」が気になったのと、『鼻』がどんな話なのか異常に気になったので、がちがちの訳の岩波文庫でなく、なんとなくライトな訳本のイメージのある光文社版を購入して読んでみた。
    一言で言えばなんとも不思議な世界。決してすごくこった話でもないし、派手でもない。それなのになんだろうこの読後感。『鼻』にいたっては何ともいえず笑えてくる。しかも結末としてなんともすっきりしない。パンの中から出てきた鼻が服着て歩いて違和感がない。くすくす笑えるのになんだかぞっとするそんな作品だ

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    2014年07月19日
  • 鼻/外套/査察官

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    『鼻』を新作落語にできないだろうか、などと考えながら読んだ。落語調に訳すという試みは、自分は面白いと思った。でも、あくまでも「調」なのであって、本寸法の落語ではない。だからこれを元にして、プロの落語家や落語評論家が手直しすれば、新作落語に「改作」できるのではなかろうか。それを白鳥師匠が演じたら…などと、妄想が尽きなかった。

    いわゆる「古典」だからといって、肩肘張って読まなくてもよい。このことに気づけたのは大きな収穫だった。

    作品自体のレビューも忘れずに書きたい。喜劇『査察官』も面白かった。皮肉の利いた言い回しとドタバタっぷりが、面白い。そして、幕切れの前衛的な雰囲気に息を呑んだ。このシーン

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    2012年10月15日
  • 死せる魂(下)

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    第2部は第4章までで後は第…章になっている。完成していた現行をゴーゴリが死の直前に暖炉に放り込んで燃やしてしまったせいらしい。所々抜けている箇所があって話が飛んでしまっているのも残念。結局チチコフは途中で念願を叶えたらしいがそれも失ってしまい最後はアイデンティティを喪失して去っていく。各地を地主を訪ねて遍歴していくところや地主の屋敷でイベントが起こる箇所などはナボコフも言っているようにドンキホーテの影をみることができる。当初は神曲のような構成にしたかったらしいが煉獄篇で終わってしまった感じ。地主は贅沢や賭博にうつつを抜かし、農奴は飲み屋に入り浸り、役人は賄賂で私腹を肥やすことしか考えないという

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    2011年12月18日
  • 死せる魂(上)

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    死んだ農奴を譲って欲しいと地主周りをするチチコフ。一癖も二癖もある地主たと言葉巧みに丸め込もうとするチチコフのやりとりが面白い。食事のシーンの描写も詳しいがあまりうまそうじゃない

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    2011年12月06日