出町譲のレビュー一覧
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メザシの土光さん。名前しか知らないかったけれどすごい人だ。ビジネス小説の先駆け(合ってるのか?)城山三郎は彼をこう評した。「一瞬一瞬にすべてを賭ける、という生き方の迫力。それが八十年も積り積ると、極上の特別天然記念物でも見る思いがする」。
著者は報道ステーションニュースデスク所属。報道ステーションで浅野総一郎をまとめた「九転十起」を紹介していたが、そちらでなく土光さんについての著を手に取ってしまった。
・2ヶ月で復旧したIHI福島・相馬工場(半年から1年はかかると言われた)。
久野(総務部長)は「従業員を安心させないと、復興が進まない。家が流された従業員全員に社宅を用意した」と語った。
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【読書その82】東芝の社長、経団連会長を歴任し、鈴木善幸首相、中曽根康弘行政管理庁長官の下、第2臨調の会長として、行財政改革の最前線に立って国鉄・専売公社・電電公社の民営化などの改革を打ち出した土光敏夫氏。本書は、その土光氏の力強い信念を感じる言葉を紹介した本。人間関係の基本は思いやりという、その土光の姿勢には非常に共感する。土光氏の仕事に対して、人に対して、全身全霊を傾けるその姿勢は本当に素晴らしい。
また、土光氏の言葉に「人間は変わりうる」というのがある。人には失敗もある、だけど、人間は変わる。その一時点で人を評価はできない。人は変わることはできるのだ。 -
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名言集というと、手にとってしまいます。
土光敏夫さんのお名前や職歴などは知っていたものの、生い立ちや比較的前のことは知らなかったことが多く、普通の名言集として見るだけでなく、人生の歩みとともにその言葉の重さを感じることができます。
東日本大震災の復興にあたって土光さんのお名前をお聞きすることがありました。今でもその意志が確実に受け継がれていることに驚きと感謝の気持ちです。
その言葉1つ1つには、実直な性格がよく表れています。今聞いても色あせることのない名言が詰まっているといえるのではないでしょうか。
このようなかたが、日本人の大先輩としていてくれたことに誇りを持ち、困難な時代であっても、 -
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亡くなって20年以上経つけど、この人の先見の明は本当に素晴らしいものがある。福島第一原発を導入する時に、GEの技術そのまま入れたらいけないって、頑として譲らなかったとのこと。実際、GEの技術は津波を想定している技術ではなかったとのことだし。
叩き上げの技術者で、徹底した現場主義で良いものを作る・社員を幸せにするというごくごくあたり前のことだけに注力してきた経営者。ごくごくあたり前のことが本当に難しい。
自分の会社の技術者上がりの役員はエコノミークラスで海外出張するし、駐在するときは会社から提示された家賃は高すぎると半額の所に住んだけれど、外から来た事務屋出身の役員は中国までファーストク -
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最近、企業経営者に関する著作を意識して読むようにしています。
今回は、現在のIHIや東芝の社長を経験した後、経団連の会長、さらには鈴木・中曽根政権での臨時行政調査会会長、臨時行政改革推進審議会会長を務めた、土光敏夫に関する本を選んでみました。
この本の冒頭に書かれている『NHK特集』は、僕も再放送か何かで映像を見た記憶があり、”メザシの土光さん”というフレーズが印象に残っています。
ですが、具体的にどのようなことをした人なのか、どのようなことを考えていた人なのか、ということこれまで詳しく認識していなかったので、最近出版されて話題になったこの本を、選んだ次第です。
題名にあるとおり、土光が生前発 -
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ファスナーの世界的企業であるYKKの会長吉田忠裕氏が同社の歩みや企業精神である「善の巡環」の考え方などを書いた一冊。
同社がファスナーと窓を中心とする建材事業の2本を柱としてグローバル企業であり続ける理由を本書を読んで知ることができました。
本社機能をファスナーの生産拠点のある富山の黒部地区に移した理由や創業者の吉田忠雄氏のファスナーにかける想いや「富の巡環」が意味するものを知ることが出来ました。
高額のマシンを導入して一貫生産できる体制にしたり、各メーカーのニーズに応えたりすることも全ては顧客や取引先に分配しながらやっていくという「富の巡環」の考えのもとであるということを強く感じました。
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誠実、正直、勤勉。石川島、東芝の社長、経団連会長、そして臨調会長として辣腕を振るった土光敏夫。財界の大物であったにも関わらず、生活は極めて質素であったことは彼の代名詞ともなっている。彼が残した言葉に、著者がエピソードを交えたり現代との対比などをしたながら解説するスタイルで本書は構成されている。
書中後半の田中角栄を一喝し、中曽根官房長官に依願されて臨調会長就任に至るまでのあたりが個人的には一番面白かった。しかし、土光が行政改革を目的とした臨調において問題視していたのは、補助金漬けの農業や高齢者の医療費問題などであり、81年に土光氏が就任以降33年も経った今でも同じ問題を抱えている日本の現状に -
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この本は、私に
目先の利益にとらわれず、自分の専門を究めることの普遍性について教えてくれました。
土光敏夫氏が活躍した時代は、当然まだまだ小さな子ども。
活躍は書籍等で知った。氏の言葉の数々は、今でも通用することばかり。
では、突き詰めて私が生きてきた30年あまりの年代は一体何だったのか?と問いたくなった。
技術革新や民営化など進化を続けている分野があるにも関わらず
あいかわらずな部分も。
”後から正しい”というのは誰でもできる。
周りの意見よりも自分の信念を曲げず、良いものは良いと
言い続けられる人こそ、真の強さを持った人だと思いました。