【感想・ネタバレ】清貧と復興 土光敏夫100の言葉のレビュー

あらすじ

今こそ「メザシの土光さん」の言葉に耳を傾けよう――。東芝社長、経団連会長を歴任し、第二次臨調会長として国家再建に命を懸けた男、土光敏夫。当時、つつましい食卓風景が紹介され「メザシの土光さん」と国民的人気を呼びました。「サラブレッドより野ネズミの方が強い」「個人は質素に、社会は豊かに」「ぜいたくは嫌いだ」「社員は3倍、重役は10倍働け」「蛍光灯は半分消せ」。日本が復興に向けて一歩足を踏み出し始めた今だからこそ、土光さんの数々の至言がより輝きを帯びて私たちの胸に迫ってきます。

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この本が良いとか悪いとかでなく(きっと良いのだろうが)、
土光敏夫という人が立派な方だ。

今度家のあった辺りに行ってみよう。

[more]
(目次)
序章 「清貧と改革」の“聖地”取り壊し
第1章 底辺からの出発
第2章 復興と企業再生への執念
第3章 原発と日本の技術力
第4章 田中角栄との「決闘」
第5章 清貧と臨調
第6章 わが師、石坂泰三の教え
第7章 城山三郎と語る
終章 「土光敏夫」のDNA

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2018年10月12日

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現代にも痛烈に響く土光語録。そしてこのような人がかつていたことは日本の誇り。しかし一方で、何年も前に土光さんが危惧した日本の駄目な部分が改善されてないことがわかる。そしてそれが悲しい。

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2012年09月06日

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「一瞬一瞬に全てを賭ける、という生き方の迫力。それが八十年積り積ると、極上の特別天然記念物でも見る思いがする」
城山三郎(小説家。『官僚たちの夏』『落日燃ゆ』など著書多数)は土光敏夫をこう評した。

本書は土光敏夫の生き様を綴っており、この内容は多読の価値がある。
質素に暮らし、仁徳を重んじ、勤勉で剛健。
後年荒法師などと揶揄されるが、まさに風貌は法師そのものだった。
優秀なリーダー、というより、重鎮が轟々燃えたぎり動き回る。このような印象を受けた。

経歴は、
石川島造船所にはじまり、戦後の不況に喘ぐ東芝の社長を経て、経団連会長、臨調会会長、その他多くの役職を歴任。
91歳で亡くなるまで、まさに炎のように燃え、企業のため、国のため、未来のために、奔走し続けた偉人だ。

私を含め、今の若い人は臨調会など聞いたこともないだろう。
1981年、臨時行政調査会(臨調会)が発足する。
臨調会は、増え続ける財政赤字を縮小させることを目的として、各界から有識者を集め、立ち上げられた。
ホンダの本田宗一郎とソニーの井深大も参画しており、まさに国家の一大プロジェクトとなった。
その会長に据えられたのが、土光敏夫である。

財政赤字は今なお増え続け、莫大な額になっているが、彼らは当時本気で食い止めようとしていた。
土光は改革の鬼を化し、国民を巻き込み、政治を変えつつあった。
省庁の無駄遣いや、政治家と産業の癒着などの不正を正し、内閣と一丸となって取り組んでいた。
当時の鈴木総理も、政治生命を懸けると念書を書かされたとか。


30年経つが、結局実を結ばなかったなぁ。
彼らは命懸けでやっていた。
私達はどうだ。下を向き、声を上げず、自分の利害にのみ目を向けているのではないか。

政治家は益々肥え、日本の傾きは傾度を増している。
省庁の無駄遣いだ、天下りだ、と騒ぐが、それを許してきたのは国民。

21世紀後半戦、新興国が成熟し、日本は益々苦しい立場になることは必至。
馬鹿馬鹿しい無駄や汚職の話に煩わされて、教育や環境保護を実施できないようでは未来は暗い。

私ももう二十五になった。
これから生まれてくる子供たちには、日本に生まれたことを誇りに思ってほしい。

そのためには、政治家や官僚への不信など消し去らなければならない。
この冗談みたいな額となった赤字も、なんとかしなければならない。

議員手当も経費も何の価値もない大名旅行費も、全てなくせば良い。
欧州の議員は、完全無償で職務に付いている。
だから金と欲にまみれた能無しのジジイはいないし、みな本気で政治について、国の未来について考えている。

赤字は無駄をなくすことから。
わけのわからない手当、行政法人、交付金、補助金、議員、政治家。無駄だらけだ。
次に肥大化した社会保障費(年金・医療介護等)を抑える。
年金など、払えないのだからトップが謝罪して、本当に実現できるプランを模索・提示する。国民はそれを飲む。
そうして初めて建設的な議論が始まるのに、なぜ分からないかな。
医療介護費については、そもそも国民が皆健康であれば費用は発生しないのだから、予防医療の本格導入を国家プロジェクトとして行うべき。
国も国民も幸せになる、簡単なことだ。
高齢者への薬漬の温床となる無償保障も打ち切れば良い。
無料だから病院はいついっても老人で溢れているし、老人も病院に頼りやすくなって、どんどん弱っていく。
これって誰が得する話?

日本は政治レベルが低すぎる。
複雑すぎて、日本一優秀な人材の揃う官僚世界は機能不全に陥っているし、政治家は国の事を考えない。
欧州のボランティア議員たちが作る未来は、バラ色ではないかもしれないが、暗くないはずだ。
国民が自分の国を誇りに思う。
まずは誇りに思える土壌を作らなければならない。

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2012年04月15日

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ネタバレ

つまり、この時代に最も求められる人ということか。

この時代に限ったことではないが。

「無私の人」「メザシの土光さん」と呼ばれた傑物。

その面構えはなんとも言えず、格好いい。

決して孫さんや柳井さんが(ホリエモンや三木谷氏は置いといて)ダメなんということはないのだが、やはり比べてしまうと何枚か落ちる感じ。

数多ある土光敏夫関連の書物から、その語録を100に厳選して抜き出し、時代背景などを交えてまとめた良書。

未曾有の不況と東日本大震災及び原発禍の今、原発を引っ張ってきた立役者として、泉下でさぞかしお怒りのことと思われる。

信頼出来る人に指示を出し、常に「全責任は俺がとる」と言ってきた人だ。

土光敏夫、一本通った太い筋がブレないということにおいては、最強。

良く「頑固」という言葉を形容詞として使う。

これは「頑迷固陋」の略だと考えているのだが、どうだろうか。
で、あれば、良く逆説的な褒め言葉として使われるのはおかしい。

だが、「頑迷固陋」から「迷」と「陋」を外した意味であると考えられるのであれば、それはそれで良いとも思う。

ここではポジティブな意味としよう。

鉄人の様な”頑固”さだ。

決して頑迷固陋ではない。それどころか、その全くの反対側にいた人。

進取の気性に富み常に率先垂範、労使交渉ではガンガンにやりあうがあくまでも労働者の味方。

そして、超フェミニストでもある。(ここがいい。おそらく、尊敬する母を見ていたからだろう。)

やはり、頑固というのは当てはまらないかもしれない。ポリシー自体は曲げないが、新しいことはどんどん取り入れ、方法論的にも常に新機軸なものを推進する。

良く、「政財界」という言い方をするが、財界に身を置きながら、政治家嫌いを公言しまくった。

田中角栄を「コンピュータ付ブルドーザー」と呼んでいたが、それはむしろこちらに当てはまるのではないだろうか。

この本に記載されているような発表されていることを全て鵜呑みにはしないまでも、大きく外れることはないだろう。

この人の人生を歩めるかというと、絶対にムリだし、歩みたいとも・・・思わない。と、敢えて言っておこう。

仕事が趣味というか、仕事が全ての91年の生涯だったらしい。

尊敬に値する方であることは論を俟たないが、価値観を共有することはできない。

美食を楽しみたいわけではない。しかし、土光さんの「老後をブラジルに渡って夫婦でのんびりと畑仕事でもしたい」という最後のあまりにもささやかすぎる夢すら叶えることはできなかった。

これはあまりにも悲しい。

終章にまとめられた「土光敏夫のDNA」は感動的であり、先述のの大不況と天災(人災)に打ち勝っていかなければいけない現在に一筋の光明をみる思いである。

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2012年04月14日

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東芝社長、経団連会長、臨調会長を歴任した土光敏夫の言葉が時系列にまとめられている。著者による時代背景の補足と、各言葉を受けての今の時代に対する考察がよい。公社民営化や後の省庁再編等、土光行革の実績、影響の大きさを知ることができた。一方で、当時から危惧されていた国債の問題がここまで膨れてしまったことに危機感を覚える。
自宅で穫れた野菜やメザシを食べる質素な生活とエンジニア上がりの点に好感を持てる。

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2012年03月20日

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出町譲・著。
初版・2011年8月、253ページ。

土光敏夫の100の言葉から、氏の生き方・信念をまとめてある本。
土光敏夫の略歴は、
1896年生まれ
1920年、東京高等工業高校(現・東工大)卒業
同年、石川島造船所(現・IHI)入社。
1950年、石川島重工業社長。
1960年、石川島播磨重工業社長。
1965年、東京芝浦電気(現・東芝)社長。
1974年、経団連会長。
1981年、臨時行政調査会(臨調)会長。
1988年、逝去。享年91歳。

つまり、戦前戦後の経済界を引っ張ってきた、すごい人。

にも関わらず、一生涯質素倹約を貫き通し、
社長をしながらも、私財のほとんどを寄付をし、
自分は生涯一汁一菜のような生活を貫き通した。

言ってみれば、誠実な苦労とハードワークによって、
一介のサラリーマン技術者から、経済界のトップに立ったという意味で、
ホリエモンと正反対の性格の社長。
今の日本には、このような立派な人は、ほぼ皆無。
政界・財界・経済界にも、どこにもいらっしゃらないと思われる。
だからこそ、求められる人物像なのだと思う。

仕事の仕方については、現在の企業のあり方には馴染まないが、
むしろ、彼のような生き方が主流でなくなってしまったことが、
現代の社会が閉塞感を生んでしまっているとも言えるのではないかと思う。

「尊敬」というのは軽々しく使う言葉ではないが、
土光さんのような人は、まさしく「尊敬」されるべき人物なのだろうと思う。

いわゆる成功者であるにも関わらず、
清貧を貫き、私利私欲を考えず、公のために尽くす。
カネで動く経済界にあって、人間を中心に据えた生き方をした求道者と言えると思う。

この人の生き方から多くを学ぶことができる人は、
きっと、人生を幸せに豊かにすることができる人なのだと思う。
特に、人を、従業員を、お客様を幸せにすることをきちんと考えている経営者の方々にはご一読頂きたい一冊です。

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2012年02月14日

Posted by ブクログ

土光敏夫については、周囲に発散する強烈な行動パワー、スピードと直截な物言いが災いして、同時代の人の多くには煙たがられ、毀誉褒貶もあったと聞く。しかし、死後しばらく時を経てみると、本書のような評伝では「見識の高い、骨のある技術経営者で日本人の鑑であった」とも見える賛美が多い。
著者は、テレビ朝日「報道ステーション」のニュースデスクとあるので、土光のような産業技術に絶対の信をおくような経営者を評する場合は、辛口か非難か斜に構えて曲解した伝え方をしているのでは?と思って読み始めたが、まるで逆なので、あれっと思った。

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2018年10月14日

Posted by ブクログ

いまだに、土光イズムが工場に
根付いているのが希望と感じました。

実行力と実践力が伴うからこそ
その方の言葉に重みが増すのだと思います。

自分の周りにそのような方がいるのか?
探してみようと思いました。

一つ一つの言葉に重みがあるので、
また、読み返したくなる内容です。

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2022年03月10日

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・すごい経営者であり、人間的にも立派な人である。
・質素な生活、食事、宴会にはいかない、無駄な経費は使わない。
・人間関係を維持するのに夜の接待は不要。
・努力、実行力、あきらめない、説得力、等々
・人間的な弱みを見せない、隙をみせない。
・従業員を解雇しない。
・東芝に社長として赴任した初日に労組事務所に挨拶、お酒を持参。
・労組との信頼関係を重視。
・亡くなってから誇張された部分もあるだろうが、今の時代にこのような人はいないだろう。

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2019年09月23日

Posted by ブクログ

すごく刺激される一冊。やはり、こういう人物がいたことと、その意識と行動を受け継ぐ気概が必要と考えさせらます。

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2019年06月12日

Posted by ブクログ

オーディオブックにて視聴

石川島(後に石川島播磨)重工業、東芝のトップとして辣腕を振るい、経団連会長、臨時行政調査会会長など日本経済及び日本政府の財政の立て直しに東奔西走したメザシの土光さんの名言集。

ひと言で言えば、無私無欲の人であり、最低限生活が出来るお金だけを手元に残しては、残りを全て母親が設立し、自身が引き継いだ橘学苑に全て寄付していたという。常に現場で働く人を最も尊重するという姿勢を取り続け、社長時代も現場からは「親父親父」と慕われたという。その上、政治との癒着を嫌い、経団連会長時代も政治家からは常に距離を置いていた。

正直、土光敏夫という人物が、経団連会長でありながら、実に質素な生活を送っていたということぐらいしか知らなかったのだけど・・もう、知れば知るほど土光敏夫のファンになっていった。

人はこれ程までに崇高な人になれるのだろうか、と途方にくれたくなるほどに崇高な生き方をしている。そこで語られる言葉は、正論中の正論で、時に「正論だけでは物事は通らない」と人が正論を通すことを諦めるような場面でも、土光さんは正論を馬鹿正直に語る。

僕は到底土光さんの様には生きられないだろうけど、それでも少しでもそちらに近づけたらいいなと思う。

人として成熟するということはどういうことか、1本筋の通った人生とはどういう物か。ただの机上の空論ではない、土光さんの生き様という確かな証拠が、雄弁にこれらを説明してくれる。

今後とも、土光さんに関連する本はなるべく目を通して生きたいし、この本(オーディオブック)も折に触れて読み返したい。

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2018年10月14日

Posted by ブクログ

IHIや東芝の社長となった人物。本田宗一郎や井深大と言った超一流の創業者が尊敬する実業家である。正直名前すら知らなかったことが恥ずかしい。死ぬ寸前まで最後は国のために働いていたというから頭が下がるばかりだ。その勤勉ぶりを知って、久しぶりに姿勢が正された。心が整えられた。

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2021年08月08日

Posted by ブクログ

生前の土光さんの事はほとんど知らないが、様々な記事などから、「メザシの土光」「清貧の人」というイメージは受けていた。
松下幸之助 井深大 本田宗一郎などに引けを取らない。
今の政治家にも、土光さんほど「日本の未来」を考えた人がいるだろうか?
まさに日本人の経営者だ。
DNAはIHIや東芝以外にも、日本人なら流れているはずだ。

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2014年10月16日

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メザシの土光さん。名前しか知らないかったけれどすごい人だ。ビジネス小説の先駆け(合ってるのか?)城山三郎は彼をこう評した。「一瞬一瞬にすべてを賭ける、という生き方の迫力。それが八十年も積り積ると、極上の特別天然記念物でも見る思いがする」。
著者は報道ステーションニュースデスク所属。報道ステーションで浅野総一郎をまとめた「九転十起」を紹介していたが、そちらでなく土光さんについての著を手に取ってしまった。

・2ヶ月で復旧したIHI福島・相馬工場(半年から1年はかかると言われた)。
久野(総務部長)は「従業員を安心させないと、復興が進まない。家が流された従業員全員に社宅を用意した」と語った。

・ボクらの生活は毎日が行き詰まりだ。行き詰まらん方がおかしい。前に進んでいれば必ず行き詰まる。「壁を毎日破れ」といったら「私には壁がありません」という人がいた。「そうか、ないか。君は座っているじゃあないか。立って歩いてみろよ。四畳半だろうと六畳だろうと、立ってあるけば、壁にすぐにぶつかる」といったんだ。

・私たちは、ごくわずかだが、“火種のような人”がいることを知っている。自ら、カッカッと人発し燃えている人だ。その人のそばにいると、火花がふりかかり、熱気が伝わってくるような感じを受ける。
実は、職場や仕事をグイグイ引っ張っているのは、そんな人だ。そうして、まわりの人たちに、火をつけ燃えあがらせているのも、そんな人だ。しかし、誰にも皆、火種はある。必ずある。他の人から、もらい火するようではなさけない。自分の火種には自分で火をつけて燃えあがらせよう。

・「新しい朝」という時間は、非常に大きな意味を持っている。過去の歴史上の人物―エジソンもナポレオンも、信長や家康も、どんなに偉かった人でも今日の日の出を見ることはできない。
…「日に新たに、日々に新たなり」一つだけ座右の銘をあげろといわれれば、躊躇なくこのことばをあげたい。中国・商(殷)時代の湯王が言い出した言葉で、「今日なら今日という日は、天地開闢以来はじめて訪れた日である。それも貧乏人にも王様にも、みな平等にやってくる。そんな大事な一日だから、もっとも有意義にすごさなければならない。そのためには、今日の行いは昨日より新しくよくなり、明日の行いは今日よりもさらに新しくよくなるように修養に心がけるべきである」という意味。湯王は、これを顔を洗う盤に彫り付け、毎朝、自戒したという。

・そうした世相に登美は危機感を持ち、「国の滅びるは悪によらずしてその愚による」と言っていた。

・玄関前には登美の信念である「正しきものは強くあれ」という石碑が立っている。

・幹部の持つ情報は、とかく単色になりがちだ。本来の情報は天然色なのだが、上に昇って来る間にアク抜きされてしまう。そんな薄まり弱まった情報に基づいて、間違った判断をしていたら大変だ。単色情報を天然色情報にもどすには、自らの足で現場を歩き、自らの目で現場を見ることだ。

・幹部が偉い人であるゆえんは、一にかかって、上に立つほどより大きく思い責任を負う人であるからだ。幹部は権限もあるが、これは振り回さないほうがよい。できるだけ委譲するほうがよい。そうすると残るのは、責任ばかりだ。…だから経営者や幹部は、ほんとうはつらい人なのである。割に合わない商売なのだ。

・その取引は、二、三十万円のものだった。これぐらいの値段のものを、わざわざ社長が売り込みにくるとは思わなかったらしい。彼は恐縮して、「次回からも是非、東芝の製品を購入しますが、それには条件がある。社長自らは絶対に来ないこと」というのであった。…このような私の行動を「土光突撃体制」などと、世間では読んだようだが、私は“社長セールス”は石川島時代からやっていたことだ。しかも、突然、秘書から、「きょうは何々会社の社長に会って、何々のセールスをやって下さい、スケジュールは組んであります」と言われ、のこのこ出かけるわけである。このような事態は、部下からのチャレンジなのだから、私は黙ってレスポンスするのである。

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2014年04月26日

Posted by ブクログ

人生訓だけではなく。政治、社会にまで及ぶ言葉たち。
土光という人に会って話ができた人たちは、本当に幸せだ。
土光魂。いまこそ日本に必要なはずだ。

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2013年10月27日

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【読書その82】東芝の社長、経団連会長を歴任し、鈴木善幸首相、中曽根康弘行政管理庁長官の下、第2臨調の会長として、行財政改革の最前線に立って国鉄・専売公社・電電公社の民営化などの改革を打ち出した土光敏夫氏。本書は、その土光氏の力強い信念を感じる言葉を紹介した本。人間関係の基本は思いやりという、その土光の姿勢には非常に共感する。土光氏の仕事に対して、人に対して、全身全霊を傾けるその姿勢は本当に素晴らしい。
また、土光氏の言葉に「人間は変わりうる」というのがある。人には失敗もある、だけど、人間は変わる。その一時点で人を評価はできない。人は変わることはできるのだ。

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2012年06月08日

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同じ岡山県から出て来た土光さん。まさしく清貧の地元の英雄を、本当に誇らしく思う。それと同時に、この危機的な国家状況下で、一国民としてでもこの国の為、子供達の為に何か出来る事がもっとあるのでは無いかと考えさせられる。『日々に新たに』、この言葉を自分の引き出しに加えて、地道に精進していこう!

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2012年05月18日

Posted by ブクログ

名言集というと、手にとってしまいます。

土光敏夫さんのお名前や職歴などは知っていたものの、生い立ちや比較的前のことは知らなかったことが多く、普通の名言集として見るだけでなく、人生の歩みとともにその言葉の重さを感じることができます。

東日本大震災の復興にあたって土光さんのお名前をお聞きすることがありました。今でもその意志が確実に受け継がれていることに驚きと感謝の気持ちです。

その言葉1つ1つには、実直な性格がよく表れています。今聞いても色あせることのない名言が詰まっているといえるのではないでしょうか。
このようなかたが、日本人の大先輩としていてくれたことに誇りを持ち、困難な時代であっても、日本人は乗り越えられるのではないか、そんな気概を感じさせてくれた一冊でした。

<この本から得られた気づきとアクション>
・言葉の背景を知ることは、より深い理解につながる。
・なぜ、土光さんはこれほどの成果を残し得たのか、今のリーダーと何が違うのだろうか。それを問い続けなければならない。

<目次>
序章 「清貧と改革」の“聖地”取り壊し
第1章 底辺からの出発
第2章 復興と企業再生への執念
第3章 原発と日本の技術力
第4章 田中角栄との「決闘」
第5章 清貧と臨調
第6章 わが師、石坂泰三の教え
第7章 城山三郎と語る
終章 「土光敏夫」のDNA

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2012年05月08日

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IHI社長、東芝社長、経団連会長、第二臨調会長を歴任しながら極めて質素な生活を送り徹底した現場主義を貫いた土光敏夫の言葉を集め説明を加えた本。こういう経営者の下で働く経験をしてみたいと思えてくる。

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2012年03月20日

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2012/03/18 No.1
• 仕事は朝が勝負
•日に新たに、日々に新たに
•会社が終わったから勉強せよ

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2012年03月18日

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亡くなって20年以上経つけど、この人の先見の明は本当に素晴らしいものがある。福島第一原発を導入する時に、GEの技術そのまま入れたらいけないって、頑として譲らなかったとのこと。実際、GEの技術は津波を想定している技術ではなかったとのことだし。  

叩き上げの技術者で、徹底した現場主義で良いものを作る・社員を幸せにするというごくごくあたり前のことだけに注力してきた経営者。ごくごくあたり前のことが本当に難しい。

自分の会社の技術者上がりの役員はエコノミークラスで海外出張するし、駐在するときは会社から提示された家賃は高すぎると半額の所に住んだけれど、外から来た事務屋出身の役員は中国までファーストクラスで出張しやがったのを思い出した。

技術者出身の経営者は賛否両論あるけれど、本社で何でも人に頼んで自分一人で何もできないような事務屋の経営者は、この人の頼みだから、って言われるような経営者にはならんだろうなと本読みながら思いました。 

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2012年03月18日

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最近、企業経営者に関する著作を意識して読むようにしています。
今回は、現在のIHIや東芝の社長を経験した後、経団連の会長、さらには鈴木・中曽根政権での臨時行政調査会会長、臨時行政改革推進審議会会長を務めた、土光敏夫に関する本を選んでみました。
この本の冒頭に書かれている『NHK特集』は、僕も再放送か何かで映像を見た記憶があり、”メザシの土光さん”というフレーズが印象に残っています。
ですが、具体的にどのようなことをした人なのか、どのようなことを考えていた人なのか、ということこれまで詳しく認識していなかったので、最近出版されて話題になったこの本を、選んだ次第です。
題名にあるとおり、土光が生前発信した発言、文章の中から選定した100を書き出し、その解説と、現代の日本に対する提言を行う、という構成になっています。
明治に生まれ、戦争という大きな体験をし、バブル絶頂でありながらも財政に大きな問題を抱えていた1988年に亡くなるまでの、91年の生涯を追って土光の言葉を拾い、そこから現代の日本人が考えるべきことが問いかけられてきます。
創業社長でなくサラリーマンとして社会人人生をスタートした人物なので、ある種のサクセスストーリーではあるのですが、その質素な暮らしぶりもあいまって、「修行道」のような人生だなと感じました。
特に、私心を持たず常に国のため、未来のためを考えて行動したということ、自分の努力で出来ることは手を抜かずに一生懸命やること、どんなに地位が上がっても現場で働く人たちとの直接対話を大事にし、決して「上から目線」にならないように心がけていたこと。
サラリーマンとして手本にすべきことを、数多く提示してもらえました。
大きな事を成し遂げる人というのは、人格も磨き上げているのだなあと、改めて認識しました。
ついつい、政治家をはじめとする昨今の指導者層の人たちと比べてしまいますが、それに終わらず、自分自身が、この人をどのように見習って行動していくかを、考えていきたいと思います。

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2012年02月19日

Posted by ブクログ

2012/01/22-02/06「清貧と改革」の精神で、赤字へっちゃらの国鉄・専売公社・電電公社を大鉈をふるって超優良企業に育てた。およそ大衆とあまりにも乖離しているため、共に働く心地よさを共有できたかは疑問。改革者は好かれない。スティーブジョブス・落合博満しかり。「めざしが好きだから、」といえる人間性まで高めたいとは思うが。

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2012年02月11日

Posted by ブクログ

いつも大変お世話になっている経営者から紹介いただき、読みました。私利私欲、贅沢は良くない。働く心構えを改めて正されます。
ちなみに、その後スティーブジョブズの伝記だと、ギャップが激しい(ーー;)

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2011年12月22日

Posted by ブクログ

誠実、正直、勤勉。石川島、東芝の社長、経団連会長、そして臨調会長として辣腕を振るった土光敏夫。財界の大物であったにも関わらず、生活は極めて質素であったことは彼の代名詞ともなっている。彼が残した言葉に、著者がエピソードを交えたり現代との対比などをしたながら解説するスタイルで本書は構成されている。

中後半の田中角栄を一喝し、中曽根官房長官に依願されて臨調会長就任に至るまでのあたりが個人的には一番面白かった。しかし、土光が行政改革を目的とした臨調において問題視していたのは、補助金漬けの農業や高齢者の医療費問題などであり、81年に土光氏が就任以降33年も経った今でも同じ問題を抱えている日本の現状に絶望感すら覚える。

著者は、巻末に現代の土光として日本電産の永森氏、コマツの坂根氏などを挙げている。土光とおなじく、誠実、正直、勤勉でかつ倹約質素な彼らは、現代の日本には数少ないリーダーかもしれない。一方で、カルロスゴーンは日産自動車でトヨタの利益を始めて上回り、年俸は10億を超えたことが最近話題になっている。 日本人には土光タイプの方が一般受けがしやすい野かもしれないが、問題の本質は結果を出すリーダーが必要だということである。高収入のプロフェッショナルを排除し、誠実、正直、勤勉、質素だけのリーダーのみを受け入れるという風土は社会主義と隣り合わせである。正義感や使命感を動機にするタイプの人材もいれば、社会的な尊厳を動機にするタイプ、達成感、高額報酬など色々なタイプが存在する。時代や場面に応じて求められるリーダー像も多様であるが故に、土光のような経営者や政治家が少ないから日本はダメなのだという理論は飛躍し過ぎだと思う。

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2018年10月08日

Posted by ブクログ

この本は、私に
目先の利益にとらわれず、自分の専門を究めることの普遍性について教えてくれました。


土光敏夫氏が活躍した時代は、当然まだまだ小さな子ども。
活躍は書籍等で知った。氏の言葉の数々は、今でも通用することばかり。
では、突き詰めて私が生きてきた30年あまりの年代は一体何だったのか?と問いたくなった。
技術革新や民営化など進化を続けている分野があるにも関わらず
あいかわらずな部分も。

”後から正しい”というのは誰でもできる。
周りの意見よりも自分の信念を曲げず、良いものは良いと
言い続けられる人こそ、真の強さを持った人だと思いました。

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2013年01月11日

Posted by ブクログ

土光さんが臨調会長で行政改革を始めた時の課題の中にあったのが、補助金漬けの農業や高齢者の医療費問題。それから32年も経っているのに全く状況が変わっていない。絶望的な気持ちになる。土光さんで出来ない問題が今の政治家に出来んのかいって。。。

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2012年06月08日

Posted by ブクログ

 石川島播磨重工業・東京芝浦電気の社長、経団連会長を歴任、齢80歳を過ぎてなお、さらに第二次臨時行政調査会長として日本再建に尽力した土光敏夫氏。金権政治を批判し、自らも質素な生活を貫き、他方、女子教育や女性の職場進出にも力を尽くしました。
 その清廉・実直な人柄とともに、土光氏の「言葉」は、ビジネス社会に留まらず人間の生きる姿勢として普遍的な価値を持つものだと思います。
 東日本大震災・福島原子力発電所事故からの復興の途にある今、土光精神は再びさらに重みを増しています。

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2012年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

IHI,東芝の社長,経団連会長を務めた土光さんの名言をまとめた一冊。
カテゴリ分けされてまとめられているのと,発言の背景の解説があるのがわかりやすくてよい。

でも,実は土光さんという人を知らないので,言葉の深み・重みがわからないのが,残念。

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2012年04月28日

Posted by ブクログ

土光敏夫の語録を,過去の出版物などから集め,現在,とくに震災後の日本という観点から解説を加えた本。他の本を読んでいないので何ともいえないが,元となっている土光語録が収められた書籍自体は,それほど多くないので,すでに読んでいる人にとっては焼き直しという印象を受けるかも知れない。一方で,名前しか知らないという人にとっては,読みやすいかも知れない。
土光敏夫がどのような人だったか,ということにも触れられており,人となりがわかるようになっている。
個人的には,語録部分だけで十分だが。

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2012年02月26日

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