加藤洋子のレビュー一覧

  • 狙撃手ミラの告白

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    大好きな作家さんの作品なので、少しずつ読みました。逢坂さんの「同志少女よ敵を撃て」と、時代の設定といい、舞台といい、主人公が女性スナイパーといい、結構かぶっていて、まるで姉妹作品のように感じました。しかし、こちらのほうがより過酷です。次々と同志がドイツ軍に殺されていき、本当に戦争の残酷さを痛感させられます。でも、アメリカ大統領夫人エレノアとの交流は興味深く、最後まで楽しく読めました。次回作にも期待です!

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    2025年04月27日
  • ローズ・コード

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    ケイトクインにハズレなし!暗号解読に挑む3人の女性の物語。裏切り者は誰なのか、過去と現在を行き来して進むストーリー。750ページにも及ぶ大作で、さすがに前半はなかなか読み進められませんでしたが、仲の良かった3人に何が起こって、なぜバラバラになったのかに興味が惹かれて、ちまちまと、なんとか読み進めました。そして終盤の第4コーナーを回ったあたりからは、物語が一気に加速して、怒涛の展開!最後まで素敵な3人組を堪能しました!

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    2025年02月27日
  • ローズ・コード

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    第二次大戦中のイギリスでドイツ軍やイタリア軍の暗号解読をしていた施設ブレッチリーパークを舞台に、そこで働く3人の女性を描いた物語。物語といっても事実に基づいていて、実在の人物をモデルにした登場人物も多いとのことに驚いた。ロマンス比重高めなのは個人的にはあまり好みではなく、それよりもっとクリブやボンブ・マシーンなどの説明を詳しく書いてくれたらよかったのにとは思うが、なんとなく華々しいイメージのある暗号解読が実際には分業で地道な作業(なかには力仕事も)を行うものであり、口外できないことによる苦悩や、それでも愛国心から誓約を守り仕事を続ける様子、女性は男性と対等に働けることを喜んでいたということなどが興味深かった。

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    2025年02月10日
  • クリエイティブという神話 私たちはなぜそれを崇拝するのか

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    創造性という曖昧なキーワードが雇う側にも雇われる側にも、売る側にも買う側にも便利な概念となり定着していった歴史を追うことができた。就職前後から頭の中にあった「創造的なことがしたい」というのが実は作られた概念であり、後付けで何とでも言えるなとも感じ、ちょっと解放されてよかった。

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    2024年12月30日
  • 不死鳥は夜に羽ばたく

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    サンフランシスコを舞台に、謎の男女、大金持ちのパトロン、チャイナタウンのしがない洗濯屋の女の子と売れないオペラ歌手が綴るミステリー。ミステリー要素は少ないけど、実際起きたサンフランシスコ地震をモチーフにしてて、終わりは予想できるものの、登場人物の心情が伝わってきて凄く面白かった。登場人物に共感するって女性が多いかな。

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    2024年11月07日
  • 不死鳥は夜に羽ばたく

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    作品の舞台は1904年、サンフランシスコ…
    この年ここで大きな出来事が起こる
    (これは実際に起きたことなので、ピン!とくる人もいるかもしれない)
    この年、画家の親友を頼ってそこにやってきたのは、オペラ歌手のジェマ…
    ひどい偏頭痛持ちの彼女はそのせいで舞台に上がれないこともしばしば…
    しかし実業家のソーントンにその美声を買われ、千載一遇のチャンスを得る
    一方、サンフランシスコのチャイナタウンに住むお針子のスーリンは、身売り同然の結婚から逃れるためサンフランシスコから遁走しようと画策していた
    二人はそれぞれに大切な親友、恋人を探していたが、やがてそれが繋がりある男の大きな陰謀を知ることになり…
    そして…‼

    読者は何が起こるか分かっているので、ハラハラ・ドキドキ…
    まさに、この場所でこの年でないとできない作品!
    ミステリーであり、成長物語であり、スターフッドものであり…
    めちゃくちゃ良かった!
    作品を読み終えてからのエピローグに書かれている人物像や時代背景が興味深く、おもしろかった

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    2024年10月06日
  • 良妻の掟

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    女であることを武器にしていても、
    女であることが弱点になることもある。

    ネリーの視点とアリスの視点交互で書かれていて
    ネリーの秘密やアリスの本当の思いが明かされていく。

    女でいられる喜びと、女でいなくてはいけない悲しみ憎しみ辛さ
    理想の結婚、理想の夫婦、理想の旦那
    今はあまりない女性が男性に尽くす形
    ネリーもアリスも理想の形になれたのかな。

    ページを捲る手が久しぶりに止まらなくなった。

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    2024年09月01日
  • 狙撃手ミラの告白

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    伝説のスナイパー、リュドミラ・パブリチェンコの戦争と、大統領暗殺の陰謀。

    リュドミラ・パヴリチェンコは独ソ戦を戦ったソ連の伝説的な女性スナイパーで、確認戦果309という脅威的な記録の持ち主です。そのリューダをモデルに、伝記的ながらサスペンスを織り交ぜた半フィクションに仕立ててあります。だいたい、前半2/3を戦記、後半1/3をサスペンスのフィクションという構成ですが、圧巻だったのは戦記の部分でした。リューダは回想録も出版しており、そこからの引用が多いので実際の出来事や登場人物を多用しつつ、戦争へと踏み込んでいく国と人々をとてもリアルに描いているのが印象的でした。特に開戦時、美しいオデッサの街がその後どうなっていくのか想像する場面や、最初のうちには狙撃対象を人として見ていて、スコアの数字にされるのを嫌悪していたリューダが戦場で失うものが増えていくにつれ、憎しみで人と認識されなくなっていく様子などはとても胸を打ちます。ウクライナは今でも戦火で、オデーサやセヴァストーポリが戦争で破壊されるのは何度目なのでしょう。読んでいてなんともやるせなくなります。
    もうひとつ印象的に描かれているのは、女性の立場についてで、これはソ連では男女平等とされているといいながらもそれは建前で、強い男性優位の社会の下であえぐ女性像とアメリカの女性像を対比させたり、ジェンダー目線がもうひとつのテーマなのだな、と感じました。
    リューダは晩年、アル中とPTSDに悩み、50代で亡くなりますが、その苦しみにも触れていて、彼女の人生を余すことなく容赦無く描いた感がありました。この作者は他にも戦争に生きる女性を題材に本を出しているので、色々読んでみたくなります。
    ところで後半のサスペンス部分については、まあ無くてもいいんじゃないかと思うくらいの重量感ではありました。
    逢坂さんの「同志少女よ敵を撃て」と一緒に楽しむと良いと思いました。テーマや舞台も重なります。

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    2024年04月17日
  • 戦場のアリス

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    史実から着想しているので内容がリアルに感じた。
    死や拷問のリスクを抱えながら任務を遂行して行く末様は胸が熱くなります。
    リリーがすてき。

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    2024年02月05日
  • 良妻の掟

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    結末は、私としては意外だった。
    あと、装丁、キツネ柄のデザインがかわいい!!

    1950年代、アメリカも日本も良妻の基準は似たようなものだったんだろうなと感じる。
    子育てと料理と庭いじりでしか輝けない時代、
    埋もれてしまっていた、本当は才能ある女性がたくさんいたんだろうな…
    キティも実はその類な気もする。

    本題とは違うだろうが、隣人に恵まれると本当にそれだけで楽しそうで羨ましい!!とも思った。
    そして結婚生活はサバイバル、その点に関しては現代もそうかなとも思う(笑)

    家が生きているようなファンタジーな表現をされるのは最初気になったが、読み進めると個人的にはだんだんと気にならなくなっていった。

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    2023年11月23日
  • 狙撃手ミラの告白

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    読み物としては展開が速くて面白い。実在した人物だけどフィクションもおり混ざっているので、本人の自伝も読んでみたい。
    そして、この話の舞台が今のウクライナ。100年も経たないうちに同じ土地で、今度はロシアを相手に同じような戦争が繰り返されてる現実を思うと、ほんとに面白い本だったけど、ミラの考え方が良いのかどうか、わからない。

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    2023年09月04日
  • ローズ・コード

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    第二次大戦下のイギリス。暗号解読機関に在籍する3人の女性の物語。以前の作品でも人物描写が素晴らしかったが、本作でも主役の3人だけでなく登場する人物がみな特徴をもって描かれて素晴らしい。かなりの長編だが息をつかずに読み切った。

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    2023年04月13日
  • 戦場のアリス

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    飛び出すのだ。周囲から、今の自分から。
    1947年のシャーリーも、1915年のイヴも。
    ローズはどこ。イヴには何があった。
    大戦中に活躍したスパイたちの苛酷な生きざまを、エンターテイメント性をもった展開で、グイグイ引き込んでゆく。
    楽しめた。
    特にイヴ、魅力的が光る。

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    2022年06月08日
  • 戦場のアリス

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    第一次世界大戦で女性をリーダーとしたスパイチームが実際にあったということに驚いた。戦場を含め、女性は看護婦など後方支援っぽい仕事しかしてないだろうとなんとなく思っていたから。

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    2022年01月06日
  • 亡国のハントレス

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    ジョーダン、ニーナ、アンネリーゼ。国籍も年代も異なる女性の1945年を挟んだ約750ページの物語。各章ごとに主要人物の名があるので読み易かったが、さすがにまじめな750ページを軽く読める筈はなく、途中何度か心折れた。が、やはり完読して良かったとつくづく思うし、その厚みに相応しい骨太の作品だった。

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    2021年11月07日
  • アウトランダー 時の旅人クレア3

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    ネタバレ

    ランダルがジェイミーを拷問侮辱。痛いし怖いし。精神崩壊寸前まで追い詰められるし。先が気になり、一気に読み切った。

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    2021年07月06日
  • 戦場のアリス

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    第一次大戦中のドイツ占領下のフランスにおける女性スパイ網を描いた、史実に基づくフィクション。

    主人公は想像上の人物だが、そこここに史実に基づくエピソードが挿入されているという。

    第二次大戦後のフランスで、行方不明の従姉の足跡を追う米国女性の主人公が追体験する第一次大戦中の女性スパイの体験と、主人公自身の体験が徐々にシンクロしていきクライマックスに突入する。

    サスペンスとしても良く書けている。

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    2020年06月10日
  • 戦場のアリス

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    第一次世界大戦のスパイ小説?とナメた姿勢で読むと本作はヤバい!
    「第一次大戦時のスパイ活動」と「行方不明の従姉妹を探す旅」の2つの物語が同時進行するスパイ歴史小説。
    「妊娠中の女子大生」「アルコール依存症の女の元スパイ」「キレやすい元兵士」3人のロードムービーの中に、大戦中の事実・理不尽が明らかになっていく過程が面白い!

    緊迫の情報収集、吐き気を催す拷問、そして、戦争犯罪を糾弾されずに巧妙に逃げ回った悪党、読むほどに謎が結びつき、読者を腹落ちさせるのが堪らない。

    フェミニズムの目覚めも教える。
    登場人物は、解説によると日本では無名だが実在の人物らしい。本作は考えさせる歴史小説なのだ。

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    2020年04月01日
  • 音に出会った日

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    病とたたかう話。聴力にとどまらず、視力まで。同じくイギリス。イギリスでも、えげつないイジメあるんやな。家族との関係。強い母。祖父の包容力が、彼女の自立をささえたんやな。

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    2020年03月22日
  • 戦場のアリス

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    1947年、戦中に行方不明になったいとこを探すためにロンドンへ渡ったシャーリーとそこで出会ったイヴという女性。1915年第一次大戦のなかにいるイヴ。この2つの時代の物語。戦中、戦後の時代は違うけれど厳しい日々を生きている2人。シャーリーとイヴの目的。1915年からイヴに何があったのか。そして1947年に行動を共にする2人。戦争の恐怖、スパイとしての日々、死がすぐ近くにあること。イヴの過ごしてきた戦中の悲惨さが描かれている。スパイ活動の緊張感、シャーリーとイヴの間に芽生えてくる友情のようなもの。復讐を果たすことで救いはあるのか。色々なことを問いかけてくる。600ページを超える物語だけれど長さが気にならないくらい面白い。

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    2019年04月21日