加藤洋子のレビュー一覧
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第二次大戦中のイギリスでドイツ軍やイタリア軍の暗号解読をしていた施設ブレッチリーパークを舞台に、そこで働く3人の女性を描いた物語。物語といっても事実に基づいていて、実在の人物をモデルにした登場人物も多いとのことに驚いた。ロマンス比重高めなのは個人的にはあまり好みではなく、それよりもっとクリブやボンブ・マシーンなどの説明を詳しく書いてくれたらよかったのにとは思うが、なんとなく華々しいイメージのある暗号解読が実際には分業で地道な作業(なかには力仕事も)を行うものであり、口外できないことによる苦悩や、それでも愛国心から誓約を守り仕事を続ける様子、女性は男性と対等に働けることを喜んでいたということなどが興味深かった。
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作品の舞台は1904年、サンフランシスコ…
この年ここで大きな出来事が起こる
(これは実際に起きたことなので、ピン!とくる人もいるかもしれない)
この年、画家の親友を頼ってそこにやってきたのは、オペラ歌手のジェマ…
ひどい偏頭痛持ちの彼女はそのせいで舞台に上がれないこともしばしば…
しかし実業家のソーントンにその美声を買われ、千載一遇のチャンスを得る
一方、サンフランシスコのチャイナタウンに住むお針子のスーリンは、身売り同然の結婚から逃れるためサンフランシスコから遁走しようと画策していた
二人はそれぞれに大切な親友、恋人を探していたが、やがてそれが繋がりある男の大きな陰謀を知ることになり…
そして…‼
読者は何が起こるか分かっているので、ハラハラ・ドキドキ…
まさに、この場所でこの年でないとできない作品!
ミステリーであり、成長物語であり、スターフッドものであり…
めちゃくちゃ良かった!
作品を読み終えてからのエピローグに書かれている人物像や時代背景が興味深く、おもしろかった -
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伝説のスナイパー、リュドミラ・パブリチェンコの戦争と、大統領暗殺の陰謀。
リュドミラ・パヴリチェンコは独ソ戦を戦ったソ連の伝説的な女性スナイパーで、確認戦果309という脅威的な記録の持ち主です。そのリューダをモデルに、伝記的ながらサスペンスを織り交ぜた半フィクションに仕立ててあります。だいたい、前半2/3を戦記、後半1/3をサスペンスのフィクションという構成ですが、圧巻だったのは戦記の部分でした。リューダは回想録も出版しており、そこからの引用が多いので実際の出来事や登場人物を多用しつつ、戦争へと踏み込んでいく国と人々をとてもリアルに描いているのが印象的でした。特に開戦時、美しいオデッサの街がその後どうなっていくのか想像する場面や、最初のうちには狙撃対象を人として見ていて、スコアの数字にされるのを嫌悪していたリューダが戦場で失うものが増えていくにつれ、憎しみで人と認識されなくなっていく様子などはとても胸を打ちます。ウクライナは今でも戦火で、オデーサやセヴァストーポリが戦争で破壊されるのは何度目なのでしょう。読んでいてなんともやるせなくなります。
もうひとつ印象的に描かれているのは、女性の立場についてで、これはソ連では男女平等とされているといいながらもそれは建前で、強い男性優位の社会の下であえぐ女性像とアメリカの女性像を対比させたり、ジェンダー目線がもうひとつのテーマなのだな、と感じました。
リューダは晩年、アル中とPTSDに悩み、50代で亡くなりますが、その苦しみにも触れていて、彼女の人生を余すことなく容赦無く描いた感がありました。この作者は他にも戦争に生きる女性を題材に本を出しているので、色々読んでみたくなります。
ところで後半のサスペンス部分については、まあ無くてもいいんじゃないかと思うくらいの重量感ではありました。
逢坂さんの「同志少女よ敵を撃て」と一緒に楽しむと良いと思いました。テーマや舞台も重なります。 -
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結末は、私としては意外だった。
あと、装丁、キツネ柄のデザインがかわいい!!
1950年代、アメリカも日本も良妻の基準は似たようなものだったんだろうなと感じる。
子育てと料理と庭いじりでしか輝けない時代、
埋もれてしまっていた、本当は才能ある女性がたくさんいたんだろうな…
キティも実はその類な気もする。
本題とは違うだろうが、隣人に恵まれると本当にそれだけで楽しそうで羨ましい!!とも思った。
そして結婚生活はサバイバル、その点に関しては現代もそうかなとも思う(笑)
家が生きているようなファンタジーな表現をされるのは最初気になったが、読み進めると個人的にはだんだんと気にならなくなっていった。 -
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第一次世界大戦のスパイ小説?とナメた姿勢で読むと本作はヤバい!
「第一次大戦時のスパイ活動」と「行方不明の従姉妹を探す旅」の2つの物語が同時進行するスパイ歴史小説。
「妊娠中の女子大生」「アルコール依存症の女の元スパイ」「キレやすい元兵士」3人のロードムービーの中に、大戦中の事実・理不尽が明らかになっていく過程が面白い!
緊迫の情報収集、吐き気を催す拷問、そして、戦争犯罪を糾弾されずに巧妙に逃げ回った悪党、読むほどに謎が結びつき、読者を腹落ちさせるのが堪らない。
フェミニズムの目覚めも教える。
登場人物は、解説によると日本では無名だが実在の人物らしい。本作は考えさせる歴史小説なのだ。
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1947年、戦中に行方不明になったいとこを探すためにロンドンへ渡ったシャーリーとそこで出会ったイヴという女性。1915年第一次大戦のなかにいるイヴ。この2つの時代の物語。戦中、戦後の時代は違うけれど厳しい日々を生きている2人。シャーリーとイヴの目的。1915年からイヴに何があったのか。そして1947年に行動を共にする2人。戦争の恐怖、スパイとしての日々、死がすぐ近くにあること。イヴの過ごしてきた戦中の悲惨さが描かれている。スパイ活動の緊張感、シャーリーとイヴの間に芽生えてくる友情のようなもの。復讐を果たすことで救いはあるのか。色々なことを問いかけてくる。600ページを超える物語だけれど長さが気にならないくらい面白い。