加藤洋子のレビュー一覧
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WW1、イヴはアリス・ネットワークのリリーの下で対ドイツのスパイ活動に身を投じる。一方WW2後に行方不明になったローズを探すシャーリーはイヴと出会い、二人の運命が交錯する。
「狙撃手ミラの告白」で重厚な筆致と史実をベースに組み立てたミステリを読ませてくれたケイト・クインの邦訳第一作です。第一次大戦にフランスを舞台にイギリスのスパイとして活躍したアリス・ネットワークは実在ですし、多くの登場人物も実在です。それら戦争期に実在した出来事をベースに創作を乗せて小説にするのはケイトの十八番ですが、今回はスパイが題材ということで、概ね怖いし痛いし辛いし、読んでいて大変しんどい作品になっていました。最後に -
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第二次大戦中のイギリスでドイツ軍やイタリア軍の暗号解読をしていた施設ブレッチリーパークを舞台に、そこで働く3人の女性を描いた物語。物語といっても事実に基づいていて、実在の人物をモデルにした登場人物も多いとのことに驚いた。ロマンス比重高めなのは個人的にはあまり好みではなく、それよりもっとクリブやボンブ・マシーンなどの説明を詳しく書いてくれたらよかったのにとは思うが、なんとなく華々しいイメージのある暗号解読が実際には分業で地道な作業(なかには力仕事も)を行うものであり、口外できないことによる苦悩や、それでも愛国心から誓約を守り仕事を続ける様子、女性は男性と対等に働けることを喜んでいたということなど
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作品の舞台は1904年、サンフランシスコ…
この年ここで大きな出来事が起こる
(これは実際に起きたことなので、ピン!とくる人もいるかもしれない)
この年、画家の親友を頼ってそこにやってきたのは、オペラ歌手のジェマ…
ひどい偏頭痛持ちの彼女はそのせいで舞台に上がれないこともしばしば…
しかし実業家のソーントンにその美声を買われ、千載一遇のチャンスを得る
一方、サンフランシスコのチャイナタウンに住むお針子のスーリンは、身売り同然の結婚から逃れるためサンフランシスコから遁走しようと画策していた
二人はそれぞれに大切な親友、恋人を探していたが、やがてそれが繋がりある男の大きな陰謀を知ることになり…
そ -
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伝説のスナイパー、リュドミラ・パブリチェンコの戦争と、大統領暗殺の陰謀。
リュドミラ・パヴリチェンコは独ソ戦を戦ったソ連の伝説的な女性スナイパーで、確認戦果309という脅威的な記録の持ち主です。そのリューダをモデルに、伝記的ながらサスペンスを織り交ぜた半フィクションに仕立ててあります。だいたい、前半2/3を戦記、後半1/3をサスペンスのフィクションという構成ですが、圧巻だったのは戦記の部分でした。リューダは回想録も出版しており、そこからの引用が多いので実際の出来事や登場人物を多用しつつ、戦争へと踏み込んでいく国と人々をとてもリアルに描いているのが印象的でした。特に開戦時、美しいオデッサの街が -
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結末は、私としては意外だった。
あと、装丁、キツネ柄のデザインがかわいい!!
1950年代、アメリカも日本も良妻の基準は似たようなものだったんだろうなと感じる。
子育てと料理と庭いじりでしか輝けない時代、
埋もれてしまっていた、本当は才能ある女性がたくさんいたんだろうな…
キティも実はその類な気もする。
本題とは違うだろうが、隣人に恵まれると本当にそれだけで楽しそうで羨ましい!!とも思った。
そして結婚生活はサバイバル、その点に関しては現代もそうかなとも思う(笑)
家が生きているようなファンタジーな表現をされるのは最初気になったが、読み進めると個人的にはだんだんと気にならなくなっていった -
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ネタバレ結婚して一年半ほどのアフリカンアメリカンカップル、これから二人の未来を描いていくというところで夫が冤罪で刑務所に。刑期は12年。あなたならどうする?
妻のセレスチャル、夫のロイの手紙のやり取りの前半に加え、セレスチャルの幼馴染でロイの学友であるアンドレの視点も加わる。前半は正直ちょっとだらだらとしていて、なんどか読むのをやめようかと思った。セレスチャルの気持ちの揺らぎがつらい。
が、後半は結構ページターナー。
結婚の時に何か感じた違和感
むりやりはめたジグソーパズルみたいな結婚だった
お互い思い込もうとしてたけど、本当はこの人じゃなかった
いやとか嫌いとか興味がないとか、そういうことじゃな -
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コロナ社会になってのここ二年、北欧東欧ソ連ものが大半を占めている。特にナチ発掘の作品。
「戦場のアリス」でそれまで雑駁にしか認識できていなかった「血の通った戦争ストーリー」を読み、構成の素晴らしさ似た作品にない完成度に驚きを覚えた。続いてのこの作品も厚みは全く感じさせない 素材を撚り併せた結果に来る「造形の妙」を感じる。
ニーナ~1920から/ジョーダン~1946から/現代(1950)の3本の時間軸
そしてフィクションながら実在のモデルを筆者の飛翔で造形したキャラクターがせめぎ、生き、涙する。
ハンター→ハントレス 女性であるため の意すら深く考えていなかっただけに ルースの存在を通した -