加藤洋子のレビュー一覧

  • 戦場のアリス
    偶然にも似たような小説に連続して出会うことが時々あるのだが、今回もそう。
    こないだ「コードネーム・ヴァリティ」を読み終わった後すぐに本作である。

    女性主人公2人目線、主人公は女スパイ、舞台はヨーロッパ戦線。WW1とWW2の違いがあるとはいえ、敵役はドイツ(とそれに加担する組織や個人)

    読んでいけ...続きを読む
  • 真夜中にふるえる心
    2度だけデートした警官に執拗なストーキングを受けたカーリン。逃げた先で、自分のコートを着た友人を誤って殺され再び逃亡、山奥の牧場に流れ着く。理想の家政婦を雇えず汚れた洗濯物の山と飢え死に寸前だった牧場主ジークは渋々彼女を引き受ける。2人の舌戦と、料理が苦手なカーリンが、ジークや牧童達9人の胃袋を満た...続きを読む
  • アウトランダー 時の旅人クレア1
    元々タイムスリップものが好きなのですが、これはかつてないくらいはまりました。セクシーなシーンもありますが、ドラマ化されるだけあって物語としてどんどん引き込まれます。ただシリーズもので話は続いていくのですが、最新作は日本語に訳される予定がないのが玉に傷…
  • 戦場のアリス
    オススメ文庫王国から。2019年度第一位。同誌のチョイスはやっぱり間違いないよな、と思わされるに十分な高品質作品。実際の史実が絡むと、重要人物は登場させておかないと的意図が生じがちなのか、やたら出てくる人が多くなりがちな気がするけど、本作はギュッと絞られていて、非常に好感が持てる。更にはそのおかげで...続きを読む
  • 戦場のアリス
    「リリー」イヴは衝動的に尋ねていた。「怖いと思ったことはないんですか?」
     リリーが振り返る。傘の縁から滴る雨粒が、彼女とイヴのあいだに銀色の幕を張る。
    「あるわよ。誰だってそうでしょ。でも怖いと思うのは、危険が去ったあとーーー危険が迫っているときに怖いと思うのは、自分を甘やかすこと」彼女がイヴの肘...続きを読む
  • 戦場のアリス
    1947年、アメリカからシャーリーは戦時中に行方不明になったいとこのローズを探しにフランスにやって来た。手がかりを辿り、出会ったのは英国の元スパイのイヴだった。第一次世界大戦のとき、ドイツ占領下のフランスでスパイとして過ごしたイヴの壮絶な過去と、第二次世界大戦中の話が交互に描かれる。

    これは凄まじ...続きを読む
  • 戦場のアリス
    興奮さめません。ドキドキの連鎖反応。
    第二次世界大戦が終わって数年後が現時点でアメリカ人のシャーリー・セントクレアが主人公、第一次世界大戦のときはイギリス人のイヴ・ガードナーが主人公。二人の追いかける悪魔のような男がひとつに重なって行くところはほんまにドキドキする。第一次世界大戦のことはあまり知らな...続きを読む
  • 戦場のアリス
     最初に手ごわそうな予感。一見して、気難しい貴婦人のように見えるこの物語は、大抵の魅力的な女性がそうであるように、時間とともにようやく心からの笑顔を浮かべ始める。最初の100ページは、とりすましたよそ行きの表情を浮かべるばかりか、興が乗らないでいると、今にも、構えたルガーの引き金を引きそうな、緊張感...続きを読む
  • アウトランダー 時の旅人クレア3
    2人の逃亡劇は続く。ジェイミーの故郷での穏やかな日々も束の間、ついに追っ手が迫る。憎きランダルの手に落ちるジェイミー…無理!もう無理!とか言いながらページをめくる手は止まらない。本を読んでいて、ここまで緊張して疲れたのは初めて。最後の洞窟のエピソードがなければ浮上できなかったかも!次はいよいよ、歴史...続きを読む
  • アウトランダー 時の旅人クレア2
    アタフタと結婚したものの、喧嘩ばかりの2人。それでも約束通り、何があってもクレアを守り続けるジェイミー。ラストでは絆が揺るぎないものとなる。感動で両手を震わせながら3巻へ!
  • アウトランダー 時の旅人クレア1
    第二次大戦後の1945年。夫と旅行でスコットランドを訪れたクレアは遺跡に足を踏み入れたとたん、200年前にタイムスリップし、兵士の戦いの真っ只中に放り込まれた…タイムスリップもの独特の面白さ満載!今後、ジェイミーとのロマンスも熱くなっていくかと思うとさらにワクワク♡ラストの展開、早っと思ったけど、今...続きを読む
  • ナイチンゲール 下
    素直に感情移入できて、共感できる。気付けば自然と目が潤む。
    老若男女問わずオススメできそう。
    (ちょっとイラストがなぁ。。)
  • 狙撃手ミラの告白
    伝説のスナイパー、リュドミラ・パブリチェンコの戦争と、大統領暗殺の陰謀。

    リュドミラ・パヴリチェンコは独ソ戦を戦ったソ連の伝説的な女性スナイパーで、確認戦果309という脅威的な記録の持ち主です。そのリューダをモデルに、伝記的ながらサスペンスを織り交ぜた半フィクションに仕立ててあります。だいたい、前...続きを読む
  • 戦場のアリス
    史実から着想しているので内容がリアルに感じた。
    死や拷問のリスクを抱えながら任務を遂行して行く末様は胸が熱くなります。
    リリーがすてき。
  • 良妻の掟
    結末は、私としては意外だった。
    あと、装丁、キツネ柄のデザインがかわいい!!

    1950年代、アメリカも日本も良妻の基準は似たようなものだったんだろうなと感じる。
    子育てと料理と庭いじりでしか輝けない時代、
    埋もれてしまっていた、本当は才能ある女性がたくさんいたんだろうな…
    キティも実はその類な気も...続きを読む
  • 結婚という物語
    結婚して一年半ほどのアフリカンアメリカンカップル、これから二人の未来を描いていくというところで夫が冤罪で刑務所に。刑期は12年。あなたならどうする?

    妻のセレスチャル、夫のロイの手紙のやり取りの前半に加え、セレスチャルの幼馴染でロイの学友であるアンドレの視点も加わる。前半は正直ちょっとだらだらとし...続きを読む
  • 狙撃手ミラの告白
    読み物としては展開が速くて面白い。実在した人物だけどフィクションもおり混ざっているので、本人の自伝も読んでみたい。
    そして、この話の舞台が今のウクライナ。100年も経たないうちに同じ土地で、今度はロシアを相手に同じような戦争が繰り返されてる現実を思うと、ほんとに面白い本だったけど、ミラの考え方が良い...続きを読む
  • ローズ・コード
    第二次大戦下のイギリス。暗号解読機関に在籍する3人の女性の物語。以前の作品でも人物描写が素晴らしかったが、本作でも主役の3人だけでなく登場する人物がみな特徴をもって描かれて素晴らしい。かなりの長編だが息をつかずに読み切った。
  • 戦場のアリス
    飛び出すのだ。周囲から、今の自分から。
    1947年のシャーリーも、1915年のイヴも。
    ローズはどこ。イヴには何があった。
    大戦中に活躍したスパイたちの苛酷な生きざまを、エンターテイメント性をもった展開で、グイグイ引き込んでゆく。
    楽しめた。
    特にイヴ、魅力的が光る。
  • 亡国のハントレス
    コロナ社会になってのここ二年、北欧東欧ソ連ものが大半を占めている。特にナチ発掘の作品。

    「戦場のアリス」でそれまで雑駁にしか認識できていなかった「血の通った戦争ストーリー」を読み、構成の素晴らしさ似た作品にない完成度に驚きを覚えた。続いてのこの作品も厚みは全く感じさせない 素材を撚り併せた結果に来...続きを読む