金谷武洋のレビュー一覧

  • 日本語に主語はいらない 百年の誤謬を正す

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    日本語では主語を省略する方が自然だと思っていた。「わたしはうれしい」じゃなくて、「うれしい」。けど、これは省略ではなかった。

    p77
    日本語では、主語の省略というのは不適当で、実は『主語なしの表現』をするのである。
    (1)お暖かになりましたね。
    (2)ほんとうですね。
    こんな場合われわれは何かが省かれたとは感じない。こういう表現をめざしているのである。

    p87
    日本語にとっての「主語」は、ある日突然、明治維新と並行する形で導入される。まさしく脱亜入欧の時代精神が導入させたと言うべきだろう。「主語」を日本に天下りさせた人物は、あの国民的国語辞典『言海』を作った大槻文彦である。

    文彦は江戸時

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    2025年05月05日
  • 日本語に主語はいらない 百年の誤謬を正す

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    日本語の主語述語という概念が、欧米語をむりやり日本語に持ってきたという説明である。他動詞、自動詞というのも同様である。これで日本語の文法体系が抜本的に変わるかどうかはわからないが、少なくとも英語の文法に準拠して日本語を無理やり適用して文法にするという考えは少なくなっていくであろう。

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    2025年04月20日
  • 日本語に主語はいらない 百年の誤謬を正す

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    昔、学校で国語の文法問題を解くのに日本語を英訳して答えを書いていたのを思い出した。こうすると、よくわからないものが簡単に解けるので、やはり日本語には文法と言うものはなく、英語の力を借りないとだめなのかと考えていた(ような気がする)。
    さて、ひょんなことから知ることになった、国語文法:学校で習う国語の文法がとんでもないという金谷氏の主張の興味深さから、この本を手にとってみた。

    まず、冒頭の『日本語に人称代名詞という品詞はいらない』に驚き、(かれ、それという言葉があるのに何で?)読み進むうちにその明快にして、深い切り口に納得。その後の『日本語に主語という概念はいらない』から本題に入っていく。 主

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    2018年10月24日
  • 日本語が世界を平和にするこれだけの理由

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    美術史の講義で西洋の絵は人間を中心に描くが、東洋の絵は自然の中に人を描くと習ったのを思い出した。
    非常に面白い本だった。

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    2014年08月14日
  • 日本語が世界を平和にするこれだけの理由

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    言葉の使い方の違いを起点に、視点の違い、考え方の違い、文化の違いについて紹介されていて、最後まで興味深く読みました。

    こんなふうに英語を学べていたら、私はもっと楽しく学べていたかもしれない、と思いました。
    これから先、翻訳されたものを読むときの参考にもなるので、読めてよかったです。

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    2025年11月24日
  • 日本語に主語はいらない 百年の誤謬を正す

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    人称代名詞はいらない。名詞と構文的な振る舞いが同じ。日本語の人称代名詞は修飾が可能。これは名詞と同じ。英語の場合はIを修飾することはない。
    英語を世界の言葉の標準としてはならない。
    欧米の言葉は名詞を代名詞で置換すると、語順が代わる。

    日本語は主語を省略しているのではなく、大事なのが述語だから。述語だけで文章になる。
    単語で答えると文になっていないと感じるが、です、をつけると文になっている。いくつですか?に10才、なら単語だが、10才です、は文章。日本語は述語があれば文章となる。

    伊丹十三の翻訳の実験。「パパ・ユーアークレイジー」の後書きで、人称代名詞を省略しないというルールを設定した。し

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    2025年01月20日
  • 日本語が世界を平和にするこれだけの理由

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    普段話している言葉が、こんなに優しいなんて知らなかった。
    日本語が、私たち日本人を形成する部分に存在していたと、見つけることができた本。
    同じ景色を隣で一緒に見る「共視」の姿勢が根底にある日本語。
    改めて紐解いていくことで
    気が付けば、タイトルへ向かっている。

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    2023年06月15日
  • 日本語が世界を平和にするこれだけの理由

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    日本語に関する一冊。著者は、カナダで日本語を長期にわたって教えていた経験から、「日本語は、実は世界に誇るべき素晴らしい言語です。」と言い切っています。
    一番読んでほしい読者は日本の中学校の上級生と文中で書いているように、非常に読みやすく、分かりやすい文体で進められます。しかし、内容的には、大人でも十分面白い。
    タイトルだけだと単なる日本礼讚本のような印象を持ちますが、しかし、他の言語と比較することで、日本語の特徴をとらえ、それがどのように影響するのかを解説しています。
    「言葉とは文化そのもの。」と指摘しているように、日本人の性格や思考が、どのように言葉に現れているか、逆に日本語の特性から、日本

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    2021年08月31日
  • 日本語が世界を平和にするこれだけの理由

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    ●偶然見た日曜朝6:25からの情報番組に「いわた書店」の岩田社長が出演されていて、その中で紹介されていた本。松本キャスターに「1万円選書」と同じように本を選んであげたのがこの本。タイトルにも興味を持ったので、すぐに買い求めた。

    ●岩田社長推薦の本だけあり、十分読むのに値する内容であった。日本語がさらに好きになる!

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    2018年12月02日
  • 日本語に主語はいらない 百年の誤謬を正す

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    一気に読んだ。
    最初はカナダかぶれの方かと思って読み始めたが、目から鱗の数々。日本語の文法は間違っている、主語など無い、とはかなり刺激的。
    だが、全く腑に落ちる。スーパー助詞の「は」といい、使役と自動の対比といい、その通りと得心する。
    その根源が明治時代の脱亜入欧にある、と言われると卒然とする。言葉を取り戻すことは精神性を取り戻すことに等しいのだ。

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    2015年02月08日
  • 日本語が世界を平和にするこれだけの理由

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    こういう本をさ〜〜もっと出してほしい!著者の方が日本語教師経験者だからなのか、すごくわかりやすいし、言語を単に批判してもう片方を持ち上げるわけじゃないからすごく共感できる。国語の先生はこれ読もうよ〜と言いたくなる一冊。

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    2014年10月12日
  • 日本語に主語はいらない 百年の誤謬を正す

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     モントリオールで日本語の教育に携わっている著者が提唱するユニークな日本語文法論。
     そのユニークさを味わうために、まずは学校で習った文法を思い出してみよう。日本語には主語と述語があると習ったはずだ。でも、主語はよく省略されるとも。日本語は主語をあまり主張しない、あいまいな言語だ……なんてことも習った。
     でも、「そういう文法」では、外国人に日本語を教える役に立たなかったのだと著者は憤慨する。例えば「I love you」は日本語でなんというか? 「私はあなたを愛しています」か? 違う、そんなことふつーの日本人は言わない。それではいつまでたっても「外国人のバタ臭い日本語」にしかならない。ふつー

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    2014年03月30日
  • 日本語に主語はいらない 百年の誤謬を正す

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    「すべての日本語話者、必携の書」という惹句がすごい。労作である。力があって引き込まれた。「英文法の安易な移植により生まれた日本語文法の「主語」信仰を完璧に論破する」という内容だ。

    言語学者の論文といえるものを一般読者にも読めるようにしているところがよい。読み初めからそう感心していたが、終章「モントリオールから訴える」に「一部の専門家の目だけに触れる形では出版しないことにした。……文法的にかなり突っこんだ内容でも、可能な限り平易な普通の言葉で、誰にでも理解しやすい表現を心掛けたのはそのためである。」とある。正直言って、第五章「日本語の自動詞/他動詞をめぐる誤解」はさらっと読んだだけではむずかし

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    2009年10月04日
  • 日本語に主語はいらない 百年の誤謬を正す

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    AIの松尾教授の読んだ本にあるのを見て読んでみる。AIにどう役に立たせるのか不明。松尾氏の説明を知りたい。
    「日本語に主語はいらない」と言うのは、「日本語には主語がない文が基本であり、それは省略されたと考えるべきモノではない」と言うことのようだ。確かにそれは分かる。しかしそれでどうなのか。著者は外国で外国人に日本語を教える日本人。そういう場面では役にたつのだろうか。
    著者の熱い気持ちは伝わる。

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    2024年11月24日
  • 日本語が世界を平和にするこれだけの理由

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    著者は日本語教師。
    なんか大袈裟だけどインパクトある
    タイトルで手に取ってしまうよね。
    でも、基本は日本語文法論。

    文法なんて、母語として使っている
    日本人にだって難しい。
    (国語の時間に一応習うけど…)
    ただ、話し言葉としてなら
    日本語は結構ブロークンで通じる。
    そこが日本語が海外で広がるための
    利点になるかも、と。

    生徒さんに「和訳」させるとき
     Did (you) see Mary?
     ( )は訳さないこと
    のようにすると自然な日本語になるって
    教え方がおもしろい!(P97)

    あと『雪国』の冒頭を英訳すると
    視点のカメラが車内にいる人間から
    (trainを主語にした)空から列車を映

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    2024年04月04日
  • 日本語と西欧語 主語の由来を探る

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    「『象は鼻が長い』問題」で有名な三上章の「主語廃止論」を擁護し、英文法を無理矢理日本語に当てはめることへの批判が中心の書。日本語には主語がないという主張は私も同意であるし、本書で紹介されている、古代ギリシャ語などの中道態と、日本語の「れる、られる」との共通性を指摘するところはなるほどと痛快な思いである。


    しかし、著者は、国文法学者の主流派である、主語がある派の人たちには恨みとも言える感情があるようで、その強すぎるトーンには興味をそがれた。

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    2020年11月27日
  • 日本語に主語はいらない 百年の誤謬を正す

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    どういうものを「論理的な言葉」とするのかという定義自体が、確かに英仏の言葉にひきづられているものだとハッとする。
    Iがひとつではないと言った日本語ならではの細やかさをもっと楽しもうと思う

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    2020年09月09日
  • 日本語と西欧語 主語の由来を探る

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    第一章「神の視点」と「虫の視点」。川端康成の名著「雪国」の冒頭の文章「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」を英訳と比較して、日本語は虫の視点で見るが、英語は高みに上った神の視点でみる。この見方は面白かった。虫が進むように少しずつ景色が現れてくるのだ。英訳すると、その視点は失われ、The train came out of the long tunnel into the snow country.と景色は全てが一瞬にして見えてしまう。第二章「アメリカよ、どこへ行く」。第三章「英語を遡る」。第四章「日本語文法から世界を見る」。第五章「最近の主語必要論」。第二章以降は、ここには面白いのだが

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    2020年03月02日
  • 日本語に主語はいらない 百年の誤謬を正す

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    「日本語に主語、入らない」じゃないですょ・・・^^;。

    かねて、「イギリス語の“I”一種類に対して、日本語には“僕”“わたし”“オレ”“それがし”など無数の言い方がある。日本語って、なんて細やかなんだべ!!」と思っていたんだけど、どうもこれ、そうカンタンにはいかない問題だったらしい。

    そもそも“I”と“わたし”では、文法的な機能がまるで違うものである。
    (どう違うかは、面白いから本書をお読みください^^;)

    日本語文法に「主語」という概念を導入する必要はまったくないし、イギリス語の法則から日本語を考えても意味はない。それは、明治維新以来のイギリス語偏重主義の弊害であり、現在の学校文法は間

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    2019年06月10日
  • 日本語が世界を平和にするこれだけの理由

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    日本語を教える楽しさを思い出しました。
    小学生に「I love you」ってどういうの?って聞かれたときに、「大好きだよ!」って言えばいいよって言ったのを思い出した。
    今、ふと、これまで日本語文法ではなく、日本語文法でずっと考えてきたんだな~と改めて時間しました。
    三上章の「象は鼻が長い」をもう一回読もうかなと思った。

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    2016年12月15日