【感想・ネタバレ】日本語と西欧語 主語の由来を探るのレビュー

あらすじ

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」(川端康成)は英語で「The train came out of the long tunnel into the snow countory」(サイデンステッカー)。世界を表現する際の「視点」 の違い。英語は「神の視点」を得ることによって主語の誕生を準備したが、「虫の視点」を持つ日本語にはそれは必要なかった。英語の歴史を踏まえ両言語と文化の違いを考察。

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Posted by ブクログ

「『象は鼻が長い』問題」で有名な三上章の「主語廃止論」を擁護し、英文法を無理矢理日本語に当てはめることへの批判が中心の書。日本語には主語がないという主張は私も同意であるし、本書で紹介されている、古代ギリシャ語などの中道態と、日本語の「れる、られる」との共通性を指摘するところはなるほどと痛快な思いである。


しかし、著者は、国文法学者の主流派である、主語がある派の人たちには恨みとも言える感情があるようで、その強すぎるトーンには興味をそがれた。

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2020年11月27日

Posted by ブクログ

第一章「神の視点」と「虫の視点」。川端康成の名著「雪国」の冒頭の文章「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」を英訳と比較して、日本語は虫の視点で見るが、英語は高みに上った神の視点でみる。この見方は面白かった。虫が進むように少しずつ景色が現れてくるのだ。英訳すると、その視点は失われ、The train came out of the long tunnel into the snow country.と景色は全てが一瞬にして見えてしまう。第二章「アメリカよ、どこへ行く」。第三章「英語を遡る」。第四章「日本語文法から世界を見る」。第五章「最近の主語必要論」。第二章以降は、ここには面白いのだが、日本語文法学界の様子を知らないので、ついて行きにくかった。

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2020年03月02日

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