菊池正史のレビュー一覧

  • 自壊する保守

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    タイトルからしてリベラルの自民党批判本かと思いきや、「保守本流」〜「右派ポピュリズム」に至るまでの自民党保守の歴史と、成果・問題点がまとめられていて、大変勉強になった。安倍イズムを継承する高市氏が総理となった今、広く読まれるべき新書である。

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    2025年11月22日
  • 「影の総理」と呼ばれた男 野中広務 権力闘争の論理

    購入済み

    実は優しかった?

    全く額に汗しないタイプの人間である私が意見して良いものか、とは考えましたが……やはり頗る名著なのでレビューします。

    難しい政治の話は疎くて理解しきれなかったものの、本書を通じて伝わってくるものがありました。
    野中氏は、最後まで優しさを貫いた政治家だったのでは、という事です。
    故人・加藤紘一さんの様な「人間は優しくなくては」と自分に言い聞かせるタイプのソフトな優しさとも違って、「ここで優しさは邪魔だ!」という場面でも、どうしても人への優しさを捨てられず、現実との狭間に相当苦しんだのではないか。そうした苦労は、生まれ持っての良心が無いと耐えきれないと思います。

    人生の境遇において必ずしも恵まれ

    #深い

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    2024年06月23日
  • 「影の総理」と呼ばれた男 野中広務 権力闘争の論理

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    【愛のない社会は暗黒であり、汗のない社会は堕落である】(文中より引用)

    戦後保守政治の体現者であると同時に、時に「旧体制」の代表のようにも目された野中広務。弱者に寄り添う姿勢を常に保ちながら、同時に「政界の狙撃手」とも呼ばれた複雑な人間像に迫る作品です。著者は、日本テレビで総理官邸クラブのキャップなどを歴任した菊池正史。

    著者が本作で指摘するように、戦後政治を体現する政治家の一人が野中氏だったのかなとの思いを強く抱きました。著者の思いが強く滲み出た作品ではありますが、野中広務という人物を補助線としながら戦後の日本政治を俯瞰していく上で大変参考になる一冊かと。

    「ひろむちゃん」というコント

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    2019年06月12日
  • 「影の総理」と呼ばれた男 野中広務 権力闘争の論理

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     戦争を知り、部落差別を知るという昭和日本の暗黒面を体現した政治家。この本では、たたき上げの存在として野中広務を描き、エリートに対置している。
     人がいかに歪み、いかに足掻くか。その生々しい軌跡である。そして平成日本が遠ざけてしまった人の生々しさである。

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    2019年01月28日
  • 自壊する保守

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    戦後の自民党政治の潮流を概観できる本。
    保守本流→平和主義、軽武装、対米協調の吉田ドクトリン。根底には悲惨な戦争を実体験から二度と起こさせないという反戦思想がある。
    保守本流を自認する宏池会の岸田氏が、いとも簡単に反撃能力を認め、安保政策を大転換させるに至るまでの大きな流れ、これが自壊といわれる過程なんだろうか。
    保守本流がバラマキ以上の有効打が出せないまま衰退し、著者が異形の保守と形容する新しい保守が、右派ポピュリズムと結びついて台頭してきている。
    保守本流の凋落は小沢氏の政治改革に始まり、小泉構造改革、安倍長期政権で決定的になったとの評価。そして、安倍氏の功罪に触れながら、政治のモラルハザ

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    2025年10月27日
  • 「影の総理」と呼ばれた男 野中広務 権力闘争の論理

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    戦争は二度と起こさない。弱者を決して見捨てない。そのためならば平然と友を敵に回し、敵を友とした―権力闘争を挑み続け、「影の総理」「政界の狙撃手」と恐れられた男。硬と軟、恫喝と懐柔―強面の政治家が生涯を賭けて守ろうとしたものとは。

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    2019年06月02日
  • 政治改革の熱狂と崩壊

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    元大蔵官僚で後に代議士になった藤井裕久氏による正解について綴った一冊。

    大蔵官僚時代から自民党の中枢と関わり、その後代議士となり、大平、小沢と派閥の領袖と接してきた中での実体験を元に書いてあるので、説得力が違う。
    一貫して間接税導入、間接税導入後はそれを福祉の財源とすることを旨としてきたその姿勢には胸を打たれた。

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    2016年05月25日
  • 自壊する保守

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    第二次安倍政権以降、自民党が支持を失った要因を、90年代以降の「保守本流」の崩壊に求め、今後の日本政治の指針を示した意欲作。

    軽軍備経済重視の吉田茂の系譜に連なる「保守本流」の意義を問い直し、現代政治に活かす重要性が理解出来た。バラマキポピュリズムや右派ポピュリズムとは本質的に相容れないものであり、如何にこれらのポピュリズムに頼らず、政治を行うかが肝要である。

    また、財政規律の意義を反戦に見出した点が白眉である。財政論は、経済合理性や道義的責任の観点から語られやすい。しかし、かつて軍部が軍事国債の発行を迫って財政に介入し、軍事費の際限の無い肥大化を招いたことを鑑みると、財政規律のもう一つの

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    2025年09月26日
  • 安倍晋三「保守」の正体 岸信介のDNAとは何か

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    戦後最強の権力者、安倍晋三。
    なぜ一度失敗した安倍がここまでの権力を持つことができたのか、その秘密を知りたくて読んだ。
    が、この本ではそのことは書いてなく、戦後の政治の保守の変遷についての内容。

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    2017年02月24日
  • 官房長官を見れば政権の実力がわかる

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    これも終わりどころが見つけられず読み切ってしまった。記者の回顧エッセイという感じ。面白いのは面白いが、新書に足る知見がとか検証がとか求めると、そういうのは…

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    2013年09月10日