許光俊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「世界最高のクラシック」というタイトルだが、トスカニーニからラトルまで、著者が最高だと考える26人の指揮者を取り上げ、好きなCDを紹介しているだけの本である。
まず、指揮者の紹介をして、そのあとに名盤紹介という構成である。指揮者によっては、その特徴をうまく捉えていると思う記述もあった。私は名盤紹介のような本は好きなので、よほど嫌いな書き手の本でない限り読んでしまうが、許氏の本は読後に不満が残ることが多い。
読み応えがないからか、趣味が合わないからなのか、書き方が好きではないからか、はっきりとした理由はわからないが、とにかくすっきりしない。
初心者に向けて書いた本だが、許氏の本は本書に限らず、クラシック音楽のビギナーには、お勧めしにくい。固定観念に囚われてしまいそうだからだ。
クラシック音楽に慣れ親しんでいて、クラシック音楽の本も何十冊も読んでいる人なら、「文庫本で手に取りやすいし、読んでみても良いかもしれませんね」という程度のおすすめ度である。 -
Posted by ブクログ
たくさんの同曲異演盤を聴き比べて楽しんでいるクラシック音楽マニア向けの本である。
取り上げられているのは、ヴィヴァルディの「四季」より「春」、スメタナの「モルダウ」、ベルリオーズの「幻想交響曲」、ムソルグスキーの「展覧会の絵」の4曲だけである。割合は、「春」と「モルダウ」はそれぞれ約70ページ、「幻想交響曲」は約100ページ、「展覧会の絵」はおまけ程度で約30ページである。
許氏の本は何冊か読んでいるが、いつもと比べ、気取った文章で、言い回しや、表現がわかりづらいところも多く、読みづらかった。
あとがきに相当するエピローグには、“私は本の形によって内容を決める。メチエと言う新しい枠組みを取るのなら、何か普段とは違った書き方をしたいと思った”と書いてあり、合点がいったが、それは著者の自己満足にとってはプラスにはなったであろうが、読者にとってはマイナスに働いている。一例を挙げれば、比喩表現というのは、普通、一般に広く知られているものに例えることで、理解しやすくなるように行うものである。しかし、本書では一般に広く知られているとは言い難い、絵画や文学に例えているので、かえってわかりづらいという結果に陥っている。例えば、ジャリの独奏、パイヤール指揮による「春」について、以下の様に書いているが、わかりやすいとは言えないだろう。
“この演奏は私に、快楽の技術とは、結局自己統御の能力や方法でもあることを記したミシェル・フーコーの「性の歴史」を思い出させる”
この様な書き方は一番読みたかった第1章のヴィヴァルディの「春」において特に多いのが残念である(後半の第3、4章では、気にならない程度になっており、気取って書くことに途中で疲れたのだろうと推測される)。
ついでに、「ことさら」という言葉を多用していることに違和感を感じたことも付け加えておきたい。
印象批評について。ヴィヴァルディの「四季」は、人気が高いため、多くの盤が出回っており、私も60種類以上の演奏を持っている。したがって、本書で取り上げられている盤のほとんどを聴いているが、著者の指摘は、なるほどと思えるものもあり、的外れだと思えるものもあり、という感じである。人の感性はそれぞれ違うので、印象批評を数多く目にすれば、その様に感じるのは当然とも言えなくもないが、本書によって目が開かれたということはないし、また、文章が面白いということもなかった。
褒めている盤はとても少なく、大体の盤に対して批判的である。ただ、多くの演奏について言及しているため、他人の意見を読む楽しさはあると言える。
まとめると、文章の読みづらさのせいで、理解しにくい所も少なくないが、一つの曲を何十種類も聴き比べた印象批評を集めた本はほとんどないので、それなりには楽しめるといったところである。 -
Posted by ブクログ
個人的には新たに気づかされる様な点はなかったにせよ、なかなか面白く読むことができた。
文章はこの著者らしく、さらさらと読み進めることができる。その反面、考えさせられる様な鋭い指摘や、深みがあるわけではない。
かつて、この著者の初期の共著作などを読んだときは、なんとも気をてらった様な物言いや、軽い文体が好みに合わず、一時期避けていたが、その後の著作は、一般向けにシフトしてきた感がある。
紹介されているCDは、ピリスの「ショパン:夜想曲全集」やツィメルマンの「ショパン:ピアノ協奏曲第1番&第2番」など、世間的評価が高いメジャーな名盤が多くを占めていた。
この本は取り上げられているピアニストからすると、全くのクラシック音楽ビギナーにはおすすめできない。一通り名盤は聴いたことがあり、ピアニストについてのちょっとした説明と名盤ガイドが読みたいという人には、気軽に読めるという点でおすすめできる。 -
オペラに連れてって! お気楽極楽オペラ入門
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
著者は冒頭で「学生食堂でご飯なんか食べていたら、プルーストはわからないよ」と言って大顰蹙を買った学生のことを引き合いに出して、返す刀で「電車に乗って通勤している人にはクラシックはわからない」「トヨタ車に乗って満足している人にはクラシックはわからない」と言い切ってしまう。
裕福な生活の中で作曲され、裕福な暮らしの人に供された音楽は、そのような環境で楽しまなければわからないという訳だ。
そんな視点から香港・オーストリア・イタリア・ドイツ・フランス、そして青森県の六ヶ所村の音楽ホールと、オーケストラ/オペラとレストランについて語った一冊。
常に上から目線で語り下ろす口調はあとがきで書いているようにわざと嫌味で書いており、それは大成功を収めてページを繰る度に「そういうお前は何様のつもりだ」と思わずにいられなかった訳だが、書かれた内容なさておき、著者の言いたい「贅沢なクラシックの味わい方」は読み取れた気がする。
その上で、著者の様に世界中のオーケストラを聞きまくって見えてくる風景も当然あるとは思うが、それはいささか品がないようにも思えた。
年に数回、各地の演奏を聴くのもいいが、地元のオーケストラ(でもオペラ団でも劇団でもよい)の水準を知りつつも長くそれを支援し続けるのも贅沢な味わい方じゃないだろうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
「生きていてよかった」―のっぺりした人生に命を吹き込む指揮者13人の至高の名演ガイド。
[ 目次 ]
第1章 精神のバロック、官能のバロック、退廃のバロック
第2章 歌の恍惚
第3章 東西武闘派対決―音響の快楽
第4章 岩のブルックナーと絹のブルックナー
第5章 明晰という美徳、または地中海的リアリズム
第6章 日本で燃え上がった二人の巨人
補章 これを聴きもらすのはもったいない!
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]