吉村喜彦のレビュー一覧
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二子玉にある小さなバー。2人のバーテンダーと、おきゃくさん。この不思議な空間と、人と人、客とバーテンダーが織りなすドラマを、優しい文体で綴っていく。特に、バーテンダーをやっている人ならわかる、そのバーに立つ緊張感や、オフの時の抜けた感じ。ジンとかウィスキーとか、同じ量を注いで、軽くステアする。
「軽くステアする」なんともこの言葉が心に引っかかる。エピソードは、編集の仕事をしている人が、悩み、人生と向き合っている様を、バーでの小話として披露していく。バーテンダーとの会話から、ゆっくりと、お酒のように熟成し、そして消えていく。バーとはそういう場所だ。うまく、ストーリーに乗せていると思う。目玉の -
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バーという空間集まる人たちが織りなす、小洒落た人間模様や複雑な過去が、いろんな酒やカクテルを通して語られる小粋な話……と、途中までは思ってたのですが、最終章を読んで印象がかなり変わりました。
変な推察ですが……このバーはあの世とこの世の間にある、って話だったり?
最終章を読んでそう思いました。多摩川の多摩を「魂」と呼んだり、森さんと井上さんが「妻が待っている」と言って席を立つシーンは今から彼岸に渡る暗喩なのかなー、なんて。
「あの世とこの世を結び合わせている」という言い回しや、店への階段数が13だったり(反面、バーカウンターの席数が7というのも狙っている感じが…)など、いろんなエピソード -
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ビア・ボーイの続編
営業から宣伝に戻ってきてからのお話し
うーん、面白いんだけど、何だか釈然としないなぁ
上杉くんは自分のエゴを出しすぎなんじゃなかろうか
自分もクライアント病になっているのに自覚なしで、自分より症状の重い人を軽蔑する
自分勝手な正義感で会社の不利益な記事を広告として掲載
その際には記事の捏造をするとか
そのせいで会社の他の人達にも相当迷惑をかけたことわかってるんだろうか?
この場合の暴露って、犯罪行為をリークするのとはちょっと違う気がするんだよね
人事考課の愚痴にしたって、会社ってそういうものだし
何を甘いこと言ってるの?と思ってしまう
ビジネス小説としては全く評価 -
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サントリーがモデルの会社の広告社員が、酒と女でやらかして広島営業に飛ばされて奮闘するお話し
スターライトって名称はサントリーよりはサッポロビールを思い浮かべるけどね
ライオンはキリン、日の出はアサヒ そんなにひねりがないね
おそらく時代はバブリーな頃?
主人公もブレザー着てアイビー・ルックなんてやってるみたいだし
キリンがビール業界のほとんどのシェアを占めていた頃だね
まさかこの後にアサヒが取って代わるとは誰にも予想がつかなかったろうなぁ
とまぁ現実の話しはおいといて
営業に飛ばされたとか、業務内容が変更になったとか、そんな人にとってはためになる本かもね
仕事の心構えについて、ちょっと前 -
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深いかどうかは別として、沖縄問題や人種差別、自然破壊の問題も自然に盛り込んでいて、しかも年代柄その辺りも併せ呑んで高度経済成長の真っただ中という雰囲気を描いています。部分部分を取り出すと色々語れるのかもしれませんが、こぼんちゃんが自然に感じている疑問や、当然のように受け入れている現実として描かれているので、説明臭かったり作者の主張が透けて見えるなんてこともありません。
こぼんちゃんは甘えん坊の小太りちゃんなのですが、学校では結構生意気な言動も有って大人からは可愛くないと思われる事もあるようで、おばちゃん先生から目の敵にされています。僕も子供の頃担任の先生に「ありんこ君も誰々君みたいに甘えられ -
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最近ウイスキー関連の本を読んだので、その影響で気になって手に取ってみた。
なかなかに粋なタイトルと表紙である。
内容はひとまず置いておいても、
ウイスキーに限らずお酒が好きな方には美味な一冊なのではないだろうか。
いたる所にお酒を飲み交わすシーンが散りばめられており、その都度五感をくすぐる表現が成されている。
この本を読んでいたときの唯一の惜しさは、私があまり酒好きでは無いことに尽きる。
お酒が好きならば今より五倍は楽しく読めただろう。
内容は正直まあまあといった感じ。
会社員の主人公の奮闘もの。
序盤は登場人物がゴチャゴチャ出てきて名前がややこしかったが、徐々に面白くなってくる。
前作 -
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ネタバレ酒好きとしては読むしかないっしょ?という感じのタイトルに惹かれて手に取った本作は、タイトル通りビールの営業担当が主人公のお話。
坂木司「和菓子のアン」「切れない糸」のように、身近な職業の奥深さを描いた作品を期待していたのですが、そうした部分はあまり見当たらず、ちょっと肩すかしな印象。どちらかというと、元宣伝部で天狗になっていた主人公が、営業の現場で人と交わり、いろんな経験を積む中で成長して行くところが核になっているように思います。
良くも悪くもベタな内容で、まぁまぁ楽しめたかな。でもやっぱり「へぇ〜」と思わず口にするようなトリビア的なエピソードが欲しかったです。