林信行のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレAppleとGoogle。両方の戦略がわかる本。
いろんな形で対比させているところが面白い。
オープンなGoogleとクローズドなApple。
Appleは道具、Googleは素材。
Appleが身体だとしたら、Googleは精神。
ごみを作らない戦略(Apple)と数打てばあたる戦略(Google)。
などなど。
一方で、本当に敵同士なのかどうか、共通点や目指すところなども語られています。
その上で、日本企業が学ぶべきことについてまとめています。
刺さる言葉は
--「欲しいものを言ってください、それを全部作りますよ」という姿勢は、メーカーとして、いやクリエーターとして怠慢だろうとアップルは言っている。--ユーザの声を聞くだけではイノベーションは生まれないということ。
ざくっときますね。
さらに、日本企業は長期的計画をもってじっくり製品開発をできているところが少ないとして。その原因として3つのパターンをあげています。
そして、最後には人。
「世界を変えられると本気で信じている人々こそが、世の中を変えている」
この本が出版されてわずか1年で、Googleのモトローラ・モビリティ買収。iPhone4S,iOS5のリリース。そして、ジョブスが逝ってしまった。IT産業は大きく動いている。Appleの今後に注目。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最近、アップルのことがどんどん気になってきたので、題名に魅かれて電子書籍で読む
iPhone・iPadの発売で既にモバイル、タブレット業界の覇者となっているアップルとその対抗軸として注目されているアンドロイドを公開したグーグル
市場では競争しており両CEOの発言などから対抗しているとみられる両社
しかし、そのような見方は単純に過ぎないだろうか
そのような疑問を持った小林浩(@ogawakazuhiro)・林信行(@nobi)、両氏が取材をもとに出版した本が本書だ
結論から言うと
「両社は外部から言われる程、険悪ではなく、むしろ一部では手を握っている」
その証拠として、両社はHTML5普及を推進していることを挙げている
アップルはFlashの採用を拒否しているが、拒否の理由は垂直統合でデザインからソフトまで全てをアップル独自のものを使用しているのに、Flashを採用することで全てのバランスが崩れるのはごめんだということだ
また、グーグルにとっては、ライセンス料金や使用料を払うクローズドな言語であるFlashはその思想から決して相容れない
以上のことからオープンでフリーな言語をインターネットの世界で普及させようとしている両社の思惑は一致しており、現状、HTML5がまだ正式に完成していないことから考えても、両社が、外部が考えている程、険悪ではないことが分かる
さらに、もう一つの理由に、「アップルはアンドロイドがいないと困る」ということが挙げられる
アップルはタブレットPC市場で独占的な立場を築いており、グーグルのアンドロイドがなければ独禁法違反の疑いをかけられてしまう可能性がある
アンドロイドがいなくては、HTML5の普及にも困るし独禁法違反で目をつけられるし良いことは何もないのだ
しかし、両社の思想は根本的な部分で相違しており、そういった意味で対立しているとも言える
アップルは独自の思想を元に垂直統合型のビジネスモデルであり、ソフトやデザインなど全てはカリスマCEO・ジョブズを中心としたアップル社の思想を体現したものとなっている
また、HTML5を推進しながらもAppStoreはアップルの承認がなければ販売することができない
これに対し、グーグルは「全ての情報をweb上で検索可能にする」に吸うことを目的とする企業であり、そのためにはクローズドな場所はあってはならない
よって、AppStoreはグーグルの思想に反する
つまり、
「両社は思想という面で対立する面はあるが、戦略上、100%対立する意味はなく、表面的に戦術として対立を装っているのでは」
としているんだ
そのほか、両社の思想の違いから生まれる
ソーシャルメディアに対する反応(グーグル=「警戒」、アップル=「パートナー」)
商品の違い(グーグル=「誰でもできる」、アップル=「上質な体験を誰でも」)
戦略の違い(グーグル=「数打ちゃ当たる」、アップル=「百発百中」)
などを挙げている
そして、グーグルとアップルの世界市場の覇権をめぐる戦いに日本企業が全く割りこめないことを嘆いている
曰く、日本企業には
「顧客の要望を聞き過ぎ」
「長期的展望が無い」
からイノベーションが生まれない
としている
読み終わって、全体的に納得できる内容だった
と言っても、正直、最後の日本企業を嘆く論以外に関しては検証できるだけの知識がないので、「そうなんだー」くらいしか感想が持てなかった
最後の日本企業に対する嘆きに関しては面白いと感じる箇所があった
特に「顧客の声を聞いているばかりではイノベーションは生まれない」という箇所
以前読んだ「フェラーリと鉄瓶」やこのブログでも同じこと言っている
そこでは、
「顧客の声を聞くことも重要だがそうすると顧客と共に商品も高齢化していく」
よって
「顧客の声をあえて聞かずに自社ブランドの根本思想を突き詰めて、それを商品に反映していく」
ことが重要だとしていた
もちろん、顧客の声を全く聞かないことは問題(真っ当なクレームに対する対応は必要だろう)だが、そればかりではダメだということだ
真に革新的(破壊的)なイノベーションは世の中に無いサービスを生み出すことであり、世の中に無い以上、顧客の声からそれが分かることはない
(元々の商品を改善するようなイノベーションなら生まれるだろうけど)
「長期展望が無い」
という点にも関係していると思うが、自らの原点を元にぶれずに遠い未来を創造すること、そしてそれを、説得力を持って示し実現できること
最近の日本企業でそういう企業ってあるんだろうか
あることはあるんだろうけど、知らない
少しずつ勉強していこう -
Posted by ブクログ
【内容】
蜜月状態の両社が、デジタル世界を牽引する巨大なトレンドになっていると2年前に書かれた「アップルとグーグル」の続編。
アップルとグーグルの関係性を論じることは、いまやデジタル社会全体の動向を考えることに等しい。
一見、対立しているように見える両社の強さの秘密をあぶり出し、閉塞した状況を打破したいと願う志のある人々と共有したいと考えている。
まえがき
第1章 ポストiPhoneの世界で何が起こっているのか?
・蜜月関係の果てに敵同士を「演じている」アップルとグーグル(林)
・PCの時代が終わり両社の思想の違いが浮き彫りになった(小川)
第2章 「戦争」はどこで起こっているのか?
・戦場は「デバイス」から「クラウド」へ(小川)
・モバイル時代のOS戦争は、互いに「敵」を必要とする(林)
第3章 それぞれの戦略と戦術
世界を変える2社の真逆のアプローチ(小川)
「誰でも」と「上質な体験を誰でも」の違い(林)
第4章 戦いに割って入れなかった日本企業が学ぶべきこと
「ユーザーの声を聞く」だけではイノベーションは生まれない (小川)
今は真剣勝負の時代(林)
あとがき
【ポイント】
49/グーグルとは、ウェブの純粋な信奉者で、すべてのアプリをウエブ化
してクラウドにおくことを理想とする。・・グーグルの本命はあくま
でもクロームでありりアンドロイドは過渡的な存在。
過渡的なOSとして、アンドロイドをオープンソース化して普及させる
ことに努めている。
53/グーグルが整理して管理したいのは、情報あるいはデータだけ。
一方、アップルはそれだけではなく、アプリや課金システムあるいは
コンピューティングのユーザーインターフェイスそのものを管理した
がっている。
100/(小川)アップルの姿を見て、ソーシャルマーケティングとは、ソ
ーシャルメディアを駆使するのではなく、ソーシャルメディアを意識
するマーケティングであるとの認識に至った。
そのこころは、アップルほどソーシャルメディアに愛され、その商品
やサービス、動向を口こみとして世界中で共有されていながら、自分
たちでは全くソーシャルメディアに参加していない企業はない。
122/(林)「インスタント」のよいところは、「それまで特別だった体験
が民主化」されること。
124/実はグーグルがこの情報民主化の先導者なのだ。
128/グーグルは、高い技術の敷居を下げ、誰もが使えるようにするのが目標。
アップルは、PCを使う個人の能力を引き上げ、上質な表現、上質な
コミュニケーション、上質な楽しみを与え、ひいてはデジタル文明そ
のものを発展させようとのベクトルのモノをつくり続けている。
132/グーグルの製品が、何かが「ただでできる」ことを目標にしていた
のに対し、アップルの製品は同じことを「素晴らしい質でできる」こ
とが特徴になっている。
138/グーグルは、とにかく一人でも多くの人が使っている技術を優先させる。
インターネットを通して人々が繋がっている時代では、利用者の多
いサービスは質の優劣に関わらず、その後の人を集め続けるのだ。
・情報の民主化を広げるグーグル
・人々の能力をレベルアップするアップル
151/(小川)グーグルと組んだソニー
この提携は、ソニーの地盤沈下になる。コンピュータ化しネット接続
されテイク家電製品は、ソフトの出来がハードの出来そのものを左右
する。つまり、ソフトがグーグル任せになったことで、ソニーは製品
開発の本質的なイニシアチブを失う。そりは魂を奪われること。
157/テスラモーターの電池は、6,831本の電池をつないでおり、このバッ
テリーの構造は、ノートPCの熱制御技術から生まれた。
←グーグルの安価なサーバーをつないだ発想と似ている
159/iPhone 以前の携帯電話は、固定電話をワイヤレスにして電話を再定
義した。しかし、それは、あくまで物理的なハードであることは変わ
りなかった。
iPhone は、ソフトで制御することで、これまでの携帯を時代遅れに
した革新的なハードウェア。
162/「欲しいものを言ってください作りますよ。」ではなく、売れるも
のを作というマーケテイング。
iPhone7iPadの革新性の源泉は、作り手であるアップル自身がリスク
を負ってリリースしている。
革新的なアイデアの商品には、必ず脆さや危うさが存在する。リス
クをとっていることによるその危さやはかなさが、商品に切ないほ
どの輝きを与える。
その輝きを求めて、多くの人がアップル製品に殺到している。
164/「アップルはソフトの会社だ。もし、ソフトに真剣にのぞむなら、
そのソフトのためのハードも自らつくらねばならない。」(ジョブス)
168/グローバルソフトウェアの戦略に、ハード中心でソフトは装飾品程
度に考えて投資しているメーカーや、国ごとに戦略をたてて予算を
取っているメーカーがかなうわけがない。
169/日本のメーカは、ハードエンジニアの人がそのまま出世し、ハード
の考え方で会社を動かす体質が染み付いて、脱することが出来ない。
勿論、専用ハードで処理したほうが良い部分もある。その時は、そ
れがどこかをソフトの視点から判断しなければならない。
日本メーカは、グローバルソフトウェア戦略の真髄をグーグルめア
ップルから学ぶ必要がある。
180/長期戦略が失敗するパターン
?「没頭型」数年間、周りの状況の変化を見ないまま続けてしまう。
本質に迫るということは、余計なものをすべて切り捨てること。
182/いかに優秀な人を集めても、プロジェクトの数人でだした知恵は高
が知れている。それよりも、はやい段階で、失敗のない形で市場の
評価を仰ぎ、改善をかさねるほうが良い。
←「反復型プロセス」
?「あきらめ型」失敗すると担当者が責任を取って解体。
?「居座り型」早い段階で成功し、儲けるしくみが出来て、大きな
革新をせずに居座る
190/日本の企業は今こそね勇気をもって立ち止まるべき。
★当座の売上げのために増やし過ぎた製品群を見直し、自社のたち
を高めるために本当に必要なのはどれかを見極め、もっと顧客に対
しても、社員に対しても自分の会社ならではのブランド価値を明確
にする。
191/もともとのグーグルの使命は「情報を世界中の人々がアクセスでき
て、使えるようにすることで、最良の検索体験を提供する」
今は、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて、
使えるようにする。」
グーグルはただの「検索」から、「情報の整理」という新しいコア
バリューを追加。
-
Posted by ブクログ
徹底した管理の元で、他にはない美しいプロダクトを世界に送り出し続け、プラットフォームからOSまで、統一した世界観を貫き通すのがApple。
世界中の人に安く高品質なWebサービスを提供する事に重きを置き、最終的には検索市場(PC、モバイル)における広告収入の拡大を狙っているのがGoogle。
今後、必ず私達の生活に無くてはならない存在になってくるこの両社。どこに向かっていこうとしているかは本書をよめばおおよそ理解ができる。と同時に、この先、どんなイノベーションが両社から生み出されるのか、ワクワクせずにはいられなくなる。
今もっとも熱い話題なのではないでしょうか? -
Posted by ブクログ
IT業界のライバル企業というと、今はこの2社がすぐに頭に浮かぶ。
グーグルとアップル。
この2社が、いかに協力し、そして対決してきたかということが書かれている。
ただ、単純に対立していることだけではない。
それぞれの会社が大切にしていることや、
日本企業とのちがいまで言及している。
まさに、イノベーターとして世界を変える製品・サービスを提供しているこの2社。
グーグルとアップルをキャッチアップすることは、大きな意味があると思う。
その実、この2社があえてライバルとして対立しているようにみせて、
お互いに更なるイノベーションを起こす。
そんなシナリオを予感させられてワクワクする。
世界はもっと面白くなると思う。