西部謙司のレビュー一覧
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フォーメーションの解説をしたら随一の西部氏の4-4-2の復興についての解説本。
WEB上の原稿に加筆の上で本書が成り立っているという説明の後で、1章は、まさかの優勝をしたレスターの分析、4-4-2の10人守備を構築したAマドリードの分析、通常は4-3-3と表記されるバルセロナの4-4-2の守備陣形について解説をしている。
2章は、グランデ・インテルから、セビージャvsバルセロナまでの4-4-2の戦術史であるが、クロニクルシリーズと解説が重なる部分も多い。
3章は、EURO2016の優勝国ポルトガルを中心に、イタリア、ドイツとフランスも分析している。
4章は、日本代表の歴史を書いているが -
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守備的といわれ時代錯誤といわれた3バックシステムが、攻撃的といわれた4バックシステムに代わってずいぶんと経つが、また守備的ではない3バックシステムが復権しつつある。
そこには、スペイン、バルセロナのシステムに対抗するために戦術も進化している。その中の1つの方法として3バックシステムが見直されている。
本書は、ビエルサの3バックから始まりオシムとビエルサの類似性、グアルディオラの戦術の分析、2014年のワールドカップでの3バックのシステムの優位性、日本サッカーと3バックシステムの歴史の内容となっている。
西部氏の書籍はそれなりに読んでいるので、これまでの書籍と重なる部分もあるが、試合の流れ -
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ネタバレ「バルセロナ 戦術アナライズ」
バルセロナの戦術を紐解く。
昨季欧州チャンピオンリーグの決勝の舞台(イングランド)でマンチェスターUを圧倒し、優勝を果たしたバルセロナは現在のサッカーシーンで世界最強とされます、また歴代最強とも言われています。そんなバルセロナは昔も強かったんですが、しかし当時と今のバルセロナには大きな違いがあります。その違いを各年代のバルセロナの戦術や選手、監督の変化を比較して探っていく1冊です。
根本的なバルセロナの目指すサッカー、攻撃的でアグレッシブ、は50,60年代の頃から変わっていません。しかし現在のバルセロナの強さに通じる部分、例えばカンテラ中心のチーム構成や -
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バルセロナのサッカーについて、戦術の歴史についての著作は多数書いている西部氏の最新刊。
既刊の「戦術クロニクル」などを読んでいると、独特の西部節になれるのだが、今回も期待にたがわず西部節(笑)
バルセロナの現段階の位置づけ、クライフからのバルセロナのサッカーの基本、及びそれを作ってきた、クライフの盟友カルロス=レシャックのバルサの戦術の解説などがよかった。
最後の、日本のバルサの信奉者である、バルサスクールの村松氏、ジェフ千葉の監督だった江尻氏、讃岐の監督だった羽生田氏。横浜Fのアシスタントコーチだったエンゲルス氏の言葉も面白かった。
サッカーだけではなく、日本には哲学が少ないといわれ -
- カート
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試し読み
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ワールドカップ前に購入。
「トータルフットボールとは何か?」「理想の攻撃サッカーとは?」。サッカーファンにとっては無限に広がるような?テーマだと思います。
そんなテーマを切り口に、サッカーの戦術の歴史を紹介した本がこれ。
特に1970年代以降の戦術の変遷の紹介は見ごたえ十分です。
時に「司令塔」「ファンタジスタ」など、聞こえのいい短い言葉や耳目を引き寄せる「キャラクター」によってサッカーが語られることの多い日本。
普段のメディア報道ではモノ足りない。戦術や歴史、チームの狙いなどを紐解きたい!そんな人におススメしたい一冊です。
余談ですが、この本を読み終えた2週間後、自分は社会人サッ -
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カバーの帯の写真。白のユニフォームの選手4人とオレンジのユニフォームの選手2人が、ボールと選手の位置関係から考えると、白のチーム側のペナルティエリアの中にいる。オレンジの選手の1人はゴールエリアのすぐ外側で倒れていて、もう1人のオレンジの14番の背番号をつけた選手が背中を向けて右手をあげている。PKを主張しているようにも思えるけれども、審判はペナルティエリアの外側にいて、今のところホイッスルを吹く気配はない。背番号14のオレンジのユニフォームの選手で、サッカーの戦術を語った本のカバーの写真に登場できるのは、クライフだろう。従って、オレンジのユニフォームはオランダ。白のユニフォームはどう見てもド
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動きすぎないこと。周りが動いた時に止まり、周りが止まっている時に動く。ゲルト・ミュラー。
周りと違う動きをするわけだ。それが成功の秘訣?
学ぶ時間が長いからさ。モウリーニョ。
自分が本当にやりたいと思ってることができてない。だとしてもそのために余ってる時間を、するべきことに使えばいい。
「近道」は目標に辿り着かせてはくれない。花壇を避けずに近道しようとする人は、早くは着くが、花を踏んでしまう。花壇を避け、遠回りした人は、その分時間はかかるが、花をダメにしない。ビエルサ。
焦って花をダメにしながら目標にするんじゃなくて、遠回りでも花を大切にしながら目標に近づいていく。
努力と規律も楽しいこ -
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その哲学には人と街の歴史がある
■所感(概要含む)
フットボールフィロソフィーの形成には特定の選手、監督が影響を与えることが多い。バルセロナの本にもそう書かれている。例えば、ディスティファノ(レアル)、クライフ〜グァルディオラ(バルセロナ)、ベンゲル(アーセナル)にファーガソン(ユナイテッド)…
一方で、特定の選手や監督のスキルやキャラクターの濃さだけがフィロソフィーが形成に寄与しない。そこには歴史があるのだ。特にその街固有の歴史(ビルバオが最たる例)やチームの成功体験、トラウマが絡んでいる。
リーグ戦では勝てるが一発勝負(CL、特に決勝)で勝てない…ことと、フィロソフィー(その形成に至っ -
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リーガ・エスパニョーラに長らく君臨する二チーム、バルセロナとレアル・マドリーの歴史を辿った一冊である。
非常にコンパクトに、各年代におけるトピックがまとめられている。その事績を追っていく上では有用な一冊だろう。
その一方で、これはあくまで個人がまとめたものであるという点は注意しないといけない。いくつかの点で私見が述べられているが、それが正しいかどうかは各々で吟味する必要がある。
コンパクトであることも、あまりにさっぱりしすぎていると解して間違いではない。90年代以降はより紙面が割かれている印象があるが、それでもワンシーズンあたり1ページも割かれていない例が多い。
俯瞰するのには向い -