【感想・ネタバレ】サッカー4-4-2戦術クロニクル 守備陣形の復興と進化のレビュー

あらすじ

アトレティコ、レスターはなぜこれほどまでに躍進できたのか?
「4-4-2」の魔術に稀代の戦術解説家が迫る。

最もオーソドックスで最も堅固な守備陣形の最先端「4-4-2」とは何か。


スペイン勢を中心に猛威をふるったブロック崩しも、ブロック強化策の普及とともに沈静化された。
ハードワークの4-4-2でプレミアリーグを制したレスター、ユーロにおけるアイスランドの躍進、チリのコパアメリカ連覇など、
個々の攻撃力で特別優れていないチームでも大戦力のポゼッション型チームを打ち破るケースが増えている。
戦術の歴史は、これまでも攻撃と守備の相克の歴史だった。守備で均整のとれた4-4-2はリバプールの黄金時代からミランによる革命を経て、80~90年代で優位性を持っていた。
00年代はブロック守備に穴を空けたスペイン(バルセロナ)型の攻撃が優位性を示した。
そして、現在は守備側が穴を塞いで再び盛り返している。
(Chapter 2「4-4-2クロニクル」より)

Chapter1:レスターの快挙

レスターの快挙
アトレティコ・マドリー
堅守速攻の落とし穴
バルセロナの4–4–2

Chapter2:4–4–2クロニクル

グランデ・インテル/イングランドの4–4–2
現代型4–4–2の源流リバプール/ACミランの革命
ブラジルの可変式システム/娯楽性の暗黒時代
下げられたライン/バルセロナという“天敵”
ブロック守備の巻き返し シーズンにみる新しい試合の構図 セビージャvsバルセロナ

Chapter3:EURO2016にみる4–4–2のトレンド

ポルトガル 南米のように
イタリア カテナチオだったか?
ドイツの対応
フランス 標準型の4–3–3と4–2–3–1

Chapter4:日本代表と4–4–2

石井義信監督 2トップの採用/横山謙三監督 攻撃型の3–5–2へ
ハンス・オフト監督 3–5–2が登場/ファルカン監督 導入された世界基準
加茂周監督 ゾーンプレス
トルシエ監督 ミラン型4–4–2の3バック版
ジーコ監督 ブラジル式4–4–2
オシム監督 「日本サッカーの日本化」
岡田武史監督 脱オシムの日本化。専守で勝ち取ったベスト16

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Posted by ブクログ

フォーメーションの解説をしたら随一の西部氏の4-4-2の復興についての解説本。

WEB上の原稿に加筆の上で本書が成り立っているという説明の後で、1章は、まさかの優勝をしたレスターの分析、4-4-2の10人守備を構築したAマドリードの分析、通常は4-3-3と表記されるバルセロナの4-4-2の守備陣形について解説をしている。

2章は、グランデ・インテルから、セビージャvsバルセロナまでの4-4-2の戦術史であるが、クロニクルシリーズと解説が重なる部分も多い。

3章は、EURO2016の優勝国ポルトガルを中心に、イタリア、ドイツとフランスも分析している。

4章は、日本代表の歴史を書いているが、4-4-2にこだわらず歴代の監督のサッカーのフォーメーションを石井監督からハリルホジッチまで解説している。これも他書と被ることが多いと感じた。

総じていうならば、1章の4-4-2がミランのゾーンディフェンス8人のDFフラットラインから、10人の守備戦術に変わったところの解説が一番良いと感じた。

サブタイトルにあるように「守備陣形の復興と進化」とあるように守備の盛り返してきた現在に対して、次は攻撃側がどのように進化するのか楽しみである。

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2017年02月10日

Posted by ブクログ

前半部分は4-4-2についてそこそこ詳しく書いてある。実際の試合を取り上げながら解説してくれていて、活字でも試合がイメージできるくらい面白い。
後半は日本代表やブラジル、Jリーグのことが書いてあるが、4-4-2についてあまり触れられていなかったり、ただ事実の羅列をしているように感じた。
前半だけで完結しても良いくらいの内容。

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2020年12月13日

Posted by ブクログ

サッカーのフォーメーションを海外チーム・日本代表の歴史をひもときながら説明。海外チームは昔の例はなかなか馴染みがないものの、日本代表の話は懐かしい名前と記憶が蘇ってきて面白かった。本当は動画がセットだとより選手やボールの動き方のイメージがつきやすいものだと思うが、この本は活字だけでもイメージできる。

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2017年01月07日

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