幾島幸子のレビュー一覧
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著者がよく間違えられる別の「ナオミ」は、最初はリベラルなフェミニストとして名を馳せていたのに気づいたら右翼の陰謀論者の有名人になっていた……と書くとまるで小説のようだが、今の時代が悪夢のような世界だなぁと思わされる一作。
アメリカの話らしいが、とても現代日本とも重なる話も多かった。私は心身ともにつよい女性のリベラリストよりなんだろうな、とも感じたし、そうしているとミラーワールドに思いを馳せきれないんだなぁとも感じて正直後ろめたさというか、身に覚えがあっめグサグサ刺さるところもあった。bella,bella,bellaもなんかそうだよなぁ……アクションしないだめなオトナだよなぁ……の気持ちに。
結局やはり社会を変えるとなると連帯、なんだなぁの気持ちになった。 -
Posted by ブクログ
▼本書の最大の特徴は、専門家がDVを生き延びた被害女性に対して、見下した態度や忍耐力の欠如は禁物であることと敬意をもって接することの重要性を主張していることだ。
▼さらに被害者である母親を家族の安全と安心の実現を図るチームの一員として位置づけることは、結果としてDVにさらされた子どもへの支援につながると言う。
………本書カバーそでより
本書のタイトルはDVにさらされる子どもたちであるが、筆者の伝えたい正確なところとしては、「加害者」にさらされる子どもたち、また親としての加害者が家族機能に及ぼす影響について、さらに言うなら、DV被害者(主に母子)へのケアや、DV加害者への対応の仕方などがあげられる。
豊富に事例を取り上げながら、加害者にはどのような特徴があるのか、また加害者はどのような手法を用いて家族を分断させるのか、それによってどのような影響を子どもに与えるのかなどを取り上げている。
(特に子どもについては、男の子だと加害者である父親に同化し母親、ひいては女性を見下し蔑ろにしてもいい存在であると認識し大人になってからDVを起こしやすくなる・女の子は女性はみんな暴行されるものだという認識を持ちDVの被害者になりやすい)
本書の事例や本書内で問題提起されている制度等がアメリカのものであることを考慮しても、日本にも十分通用し、専門家やDVに関わる人にはもちろん、DVについて詳しく知りたい一般の方にもおすすめ。
特に加害者の特徴…パートナーに対する支配の強制、家庭内で自分が最優先で優遇されるべきだという特権意識、自己中心的、被害者に対して自分の方が優れた人間だと思い込む優越感、独占欲、愛情と虐待の混同、子どもを利用したり態度を変容させたりするなどをすることで被害者の心理操作をする、発言と行動の矛盾、虐待に関する責任転嫁、否認、事実を軽くみせる、暴力を振るった理由を被害女性のせいにする…などは、(私の読んできた少ない事例の中だけでみても)日本の事例にも当てはまり、参考になると思った。
また、「加害者」の定義についても、最初の方で述べられている。
驚いたことに、日本では親権は大体女性に渡るものだが(それがいいとするかは別にして)、アメリカでは、特にDV加害者と被害者では、子どもを養育した実績がない場合でも加害者である父親にほとんど親権が渡ってしまうそうだ。筆者はこの件についても、批判を述べている。
また離婚し別居したのちにDVが悪化し、加害者が被害女性や子どもを殺害したり、虐待(性的虐待も含め)が加速する、子どもが加害者に攫われるケースも多いとのこと。
殺害までいかなくても、加害者は不定期に突然子どもとの面会の機会を求め(被害女性が子どものために面会を拒否した場合、親権について被害女性の方が不利になってしまうためなかなか拒否することができない)、その際母親を侮辱することを言ったり、セラピーを受けないよう促したり、規則的な生活を遅ることを妨害して、母親と子どもの家庭を壊そうとする。
同居中から離婚後に至るまで、子どもを武器にして被害女性である母親を支配しようとする側面がある。
加害者によって母子の関係性を壊されなければ、母子関係やきょうだい関係を回復することもできるとし、そのための具体策を筆者はあげている。
とにかくDVについて知るのにとてもいい本であると思う。そして、筆者が言うように、DVについて(特に日本での場合について)、また離婚した家庭における子どもへの影響についてももっと知りたいと思ったので、別の書籍もあたりたい。
下の方に、参考までに本書の目次と印象に残ったキーワードを書く。(本書には親切にも多数の参考文献や索引が書かれている)
わかりにくいレビューですまない。
完全に余談だが、DV加害者の心理操作の手口を読みながら、あのおぞましい北九州監禁殺害事件を思い出した。あの事件は赤の他人がとある一家に入り込んで、暴力や家族間の密告を用いた洗脳の末起こった事件だが、ネットや書籍で読んだそのときのマインド・コントロールの手口と、本書に書かれているDV加害者による家族分断を図るマインド・コントロールの手口が似ていてゾッとしたのだ。(北九州の事件とは関係ないが)本書でも述べられているように、重度の身体的暴力がなくても、屈辱的な心理的暴力を巧みに利用して、自分に有利な立場でいようとする、そのためには被害者母子の人格をいたぶることを省みない加害者が多い。そしてプロの調査官が騙されるほど人当たりがいいのも特徴だ。逆にDVによってトラウマを植えつけられた女性はそれによる情緒不安定を糾弾されるのだが…DVを軽くみてはならない。
目次
第一章 ドメスティック・バイオレンスの加害者とは?
第二章 「力」を行使する親ー加害者の子どもへのかかわり方
第三章 衝撃波ー加害者が家族に及ぼす影響
第四章 近親姦を犯すDV加害者
第五章 回復を阻害するもの
第六章 親としての加害者をめぐる誤解ー広く普及しているアセスメント理論への批判
第七章 回復への支援ー加害者が子どもに与えるリスクの評価と面会プランの設定
第八章 変化は本物か?ー親としての加害者の変化を評価し促進する
第九章 親としての加害者のあり方についてー専門家の対応を改善する
印象に残ったワード(独断と偏見による)
・家族の機能不全 ・外傷性の絆 ・加害者への同一化 ・嫌悪感情の植えつけ ・片方の親への嫌悪感情の植えつけ症候群 ・グルーミング ・ジェンダー・バイアス ・心理操作 ・性的境界 ・特権意識 ・バタード・ウーマン症候群 ・マインド・コントロール ・役割逆転 -
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ネタバレジュディ・ガーランドのミュージカル映画も名作ですが、原作もまた素晴らしい名作でした。この二作は決して別物ではないのですが、興味深いことに映画には原作にはない要素が、原作には映画にない要素があって、大まかなストーリーは共有しつつ異なるメッセージを持っています。映画には「青い鳥」のように「やっぱり住み慣れた我が家が一番」というメッセージがありますが、原作にはほとんどありません。映画では臆病なライオンが本当に臆病であるのに対して、原作での彼は自分で臆病だと言って怖がってはいますが、その臆病さを認識して克服しようと常に努力しているためにむしろ序盤から行動に勇敢さを発揮しています。案山子と木こりについても同じことが言えて、彼らは自分の欠点を認識して謙虚に努めているため、その欠点は最初から既に克服されています。明示的には言っていませんが、そのように謙虚な姿勢で知・仁・勇を追求すべきであるという、論語の教えにも通じるメッセージを本書は伝えているのだと思われます。
その他にもオズの正体であるとか三人の仲間の事情なども含めて、本書には何か哲学的なところがあるように思います。とはいえ小難しいことは何もなく、とても簡単にわかりやすく書いてあって、胸躍る冒険ものとして単純に楽しめます。仲間の得意技やアイテムを使って道中の問題を解決していくところはRPGみたいです。主な登場人物が皆とても優しい心を持っているのもまた素敵です。残酷なところがあるという意見がちらほら見えますが描写があっさりしてるのであまり気になりませんでした。僕の想像をはるかに越えて良い本でした。小1と小3の子供たちに読み聞かせて楽しみました。挿絵がオリジナルのもの(の一部?)で味がありました。お勧めです(ぜひ映画もご一緒に)。 -
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竜巻にのってオズの国へやってきたドロシー。
うっかり竜巻で飛ばされた家の下敷きになり死んでしまった東の国の魔女。
ドロシーは早くカンザス(自分の家)に帰りたい
偉大な魔法使い、オズに願いを叶えてもらぅべく彼女は魔女が履いていた銀色の靴をはいて、勇気を欲しがるライオンとハートを欲しがるブリキのきこりと脳みそを欲しがるかかしと一緒にエメラルドの都に向かう。
童話であるにも関わらず・・・どうしても読みたくなりました
ユーモラスでワクワクするような気持ちを与えてくれます
銀色の靴のかかとを3回地面に打ち合わせると・・・不思議な魔法がかかります -
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ハーバード・ビジネススクールでは学期末の最終講義で、教授が自らの体験に基づいた訓話を語るのが慣習となっており、その中の15の訓話を収めたものである。2004年に米国で出版され、同年日本語訳された。
もともとハーバード・ビジネススクールを卒業する未来のビジネス・エリートに向けたものであり、ビジネスの成功や優れたリーダーになることを意識して語られてはいるものの、多くのテーマは普遍的なものであり、その前提を外しても、心に響くメッセージを伝えてくれる。
ブランド戦略、ビジネス戦略等を専門とし、多くのTV番組のコメンテーターを務めるナンシー・ケーンは、父親の死をきっかけに、生前は何枚かのバラバラの写真のようにしか見ていなかった父親を、長所・功績も短所・失敗も含めた一人の人間として捉えることができるようになった経験を踏まえて、「自分自身についても周りの人についても、欠点も含めてありのままを率直に見ることができなければ、そうした健全な決断を下すことは極めてむずしい・・・自分も周囲の人も、本来の意味で「完璧」だと考えるようにするのだ。欠点がなく、非の打ちどころがない、という意味ではなく、本質的なものはなにも欠けていない全体的な存在、という意味である」と述べる。
また、サービス事業の経営を専門とするフランシス・フライは、自らのアイデンティティと思い、周りからも優秀と見られていたバスケットボール選手としての自分を、大怪我で失ったことによって、バスケットに没頭していた時間を自分が大事にしてこなかったことにはたと気づいた経験に基づいて、「今、ここで体験していることには終わりがあるということ、そしてだからこそ、今という時間を味わい、大事にしてほしいということだ」と語る。
勇気と元気を与えてくれる、ハーバードからのあたたかい贈り物である。
(2004年11月了) -
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ショック・ドクトリン=惨事便乗型資本主義とは、災害やテロなどショッキングな出来事の混乱や衝撃に乗じて特定の利害関係者が利益を得るような法制度改正や公共サービスの民営化といった新自由主義的な変革が行なわれることを指す。
記憶に新しいところでは、9.11全米同時多発テロとその後のイラク・中東戦争が民間のセキュリティ会社によって運営され、ハリケーン・カトリーナが襲来した南部では公営の学校が閉鎖されて私学への助成金が増額されるなど、日常的にはあり得ない社会構造の変化が立て続けに起こっている。
日本でも同様に、東日本大震災や新型コロナウィルスの蔓延といった社会的に大きな出来事に前後して、各種公共サービスの民営化と値上げ、社会保険料を含む税金の急増など見えないところでのコスト負担が国民を苦しめている。原発事故という未曾有の危機を発生させた東京電力がなぜか過去最高益を更新し、JR各社は過疎地の路線を廃止する一方で都心の不動産開発を熱心に進めている。
新自由主義の源流はシカゴ学派と呼ばれる、ミルトン・フリードマンを中心とした経済学者によって理論化され、レーガンからブッシュに至るアメリカ大統領にも支持されてきた。さらに金融緩和と小さい政府による減税といったポピュリズム政策は、現在のトランプ政権にも引き継がれて日本経済にも影響を与えている。 -
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ネタバレ実写映画のウィキッドがすっごく良かったので、これはオズの魔法使い読まねば…と思い読んだ。
テンポが良く読みやすいし、子どもが想像できうる範囲の大冒険という感じ。
野宿をしていても襲われないし、途中立ち寄った家の人たちは主人公たちを心よく迎えてくれる。悪者とされている西の魔女も思いもよらない弱点がある。
本当の悪人は存在しないオズの国は、著者が子どもに見せるものとして丁寧に作ったんだろうなあと伝わってきた。
役者の後書きで、児童文学に名作はたくさんあるがその時代にあったものが必要だ、と著者が言っていたと読んで、その志があったからこの作品になったんだなあと物語を読んで実感した。
かかし、ブリキ、ライオンはそれぞれ欠けているものを求めてオズの元に向かうんだけど、結局は気の持ちようという…
三人(?)とも他者から「与えられた」ことで欠点を克服するという構図よりも、オズに騙されて本当は与えられてないのに自力で克服できるよ、というメッセージの印象の方が強くなるんだろうか…?まあこの作品はそこまで言及しているわけじゃないんだけど…
ウィキッド見てから読んで良かった〜と思ったのはグリンダが出てきたとき。
いつかは読みたいと思っていた名作だったので、この機会に読むことができて良かった。 -
Posted by ブクログ
『ウィキッド ふたりの魔女』を観て、読み返したくなったから本棚から引っ張り出した。「あれはここから持ってきてたのか〜!」と逆輸入的に本作との関連を拾えて面白かった。だけど、どうしても陶器の国を出るときに牛の足やら教会を壊しておきながら「でも牛の足と教会をこわしただけですんで、運がよかったのかもしれないわ。だってなにもかも、ほんとうにこわれやすいんだもの!」って言うのだけが気に食わない!ところどころ、ん?と思うようなことはありつつも楽しんで読んでいたのだけど、最後の最後で台無し!車で人を轢いて怪我させておきながら「でも怪我させただけですんで、運がよかったのかもしれない。だって急に飛び出してくるんだもの!」って言ってるようなものよ。まあ身内のあいだなら言うか…?とか思いつつも。うーん。子どもって純粋ゆえに残虐であったりしますものね…。