奥瀬サキのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
90年代BLによく描かれていた絶望にしか向かわない刹那的な登場人物たちの織りなす人生交差点。画力に頼るスタイリッシュな描き方は当時よく読んでいた多田由美作品を読んだ時の様な感触。一読では「雰囲気」を舐めるくらいで、個々の物語が掌の指からするりと抜け落ちていく感じも酷似している。
第1エピソードに登場する「ふゆ」は中国系マフィア風の男と肉体関係を持ち、同性愛者的な雰囲気を醸し出している。冒頭に登場するのも「カセットウォークマン」であり、レコードプレイヤーであるのを見ても、当時を背景にしているのだろう。20代になり、働き始め、自分のお金で自分の娯楽に惜しげなく給料を投資していた時代である。ノスタル