車谷長吉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
愛読する朝日新聞の身の上相談コーナー。「おすすめ文庫王国」で炎の営業杉江さんが推していて、これも本になっていたのを知った。杉江さんの言うとおり、車谷長吉さんの回答はいつも同じ。でも読ませる。これはもう「芸」です。
なんといってもすごいのは、車谷氏自身は、人をおもしろがらせようとか、ウケようとか思って書いているわけではない(と思える)ところ。そして、その誰に対しても同じ答えである「人としてこの世に生まれたことには、一切の救いはありません」という言葉に、その絶望的な響きとは裏腹の、突き抜けた励ましを感じてしまうところ。
しかしそれにしても、思わず「え~!?」と声の出る箇所がいくつか。
「うちの嫁はんは三日に一度は『くうちゃん、長生きしてね』と言うています。『くうちゃん』とは、私のことです」 くうちゃん…。
「この夏も、青森県の山の中で、小学校で習った唱歌を歌ってきました。独りで。気が晴れ晴れとしました。私は『うれしいひなまつり』という歌が好きです」
「私が結婚したのは四十八歳の秋でした。それまでは毎日毎晩、寂しく、夜は木目込み人形を抱いて寝ていました」 この人形には「美禰子」って名前をつけてたんだって。うーむ。