あらすじ
すさまじき小説家が作り事でない想いを綴り忌憚なく心の内を覗かせる! 私小説を断筆するとした「凡庸な私小説作家廃業宣言」、「私の思想」から「死のやすらぎ」、そして「言葉について」……。作家の覚悟と矜持を示したエッセイ集。
――私は三十八歳でふたたび東京へ来てから二十一年、ほとんどこの市九郎のごとき懺悔の執念で、私の私(わたくし)小説を書いて来ました。懺悔と言うのは、人間としてこの世に生れて来たことが、すでにそれだけで重い罪であるからです。(「凡庸な私小説作家廃業宣言」より)
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Posted by ブクログ
私小説よりも私小説的な。エッセイ・俳句その他雑文集ではあるが、様々なトラブルへの身の処し方やものの考え方に著者らしさが溢れ出ている。白洲正子に見出されたというのも本書で初めて知った。