瀬山士郎のレビュー一覧
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22世紀的住宅(床はピンクと白の市松模様、テーブルは五角形、5つの椅子はみな形が違う、翌朝は円筒形のスツールになっているから好みに合わせて変形するのかもしれない)に住む小学生の「まきお」と「のりこ」の父は大学講師。家に招いた学生数名に話をしている。「輪ゴムと紐は違う。コーヒーカップとドーナツは同類」。見回すと住宅は二人はその夜、物体ばかりか生体までサルヴァドール・ダリの絵のように変形する不思議な世界に入り込んだ(という夢を見た)/猫は「口から肛門まで一本の管と考えることができる」←胃と気管とに分岐して肺は吸気から酸素交換するけど「行き詰まり」と言っていいか?/朝になってロボットが朝食を運び、父はFAXNEWSとタイトルのある新聞らしきものを手にして二階から降りてきてくる。遠近法が狂ってないとすればえらく天井が高い住宅。家に時計らしきのはなく、窓から見えるビルの壁面に「8:00」の文字がある/最後のページで驚きの変形が
初版の月刊ふしぎ新聞には、メキシコの「だれも急がない村」でバスの来る時間をだれも気にしない、急ぐ人は2時間歩いていく」という話/タイガー立石は「2021年に法律が変わって、子どもはみんなのものとなった」一週間ごとに替わって、子どもは一時的な両親の勤務評定を毎週提出、「きみはどちらが良い?」という恐ろしい提案。 -
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数学ができる高校生が受験のあと、新生活が始まる前に読むのにちょうど良い本なのかもしれない。教科書にこれはあったような気がするのが半分くらい、でも、こっちのほうが、いろんな分野の数学と接触するようなとなりあった見方で書かれている。そんな感触の本だ。集合が微分や積分のグラフであらわされ(厳密にはそう簡単に言っていいのかよくわからないけれど)、グラフ上の数がどのような状態でそこにあるのか。そのとなりあった数の関係は、開かれているのか、閉じているのか。
グラフ上のある数字に、となりあった数字は互いに無限に近づいていくが、そのものになってしまえば、もはや当初の数字ではない。しかし、どのような関係にあるかは、論じることができる。たぶん、これは位相の問題と関連する。そのように読んだ。
たくさんの概念がでてくるが、並べると似た考え方が繰り返される。つまり、集合は微分・積分と全く異なる分野ではなくて、重なりあう。
ただ、道具が何を説明するのに特化されているか、の違い。そう感じる。
数学がものすごく得意なわけではないので、こんな風に読んだ、としかいえないのだが、時に、数字はグラフのうえで玉ねぎ構造のように無限に近づいていくがそのものではない、というのは、無限という概念が最大数と最小数の先っぽに申し訳程度にくっついている概念ではなくて、個々の数字のありかたのひとつひとつにからむ問題なのだ、というのがわかって面白かった。どうやら数字にはそれぞれ個性があるのかもしれない。数学がよくわかる人はそれをそれぞれ異なった関わりかたの数式で表すのだろう。無限に近づいていくがそのものになってしまうともはや同一といえないということは、その数字同士の関わりかたは様々な有り様があるということなのではないのか。その関わりかたが位相なのではないか。そんな風に感じながら読んでいた。
私には少し難しく感じられる本だが、関連する本を読んでみようと考えている。 -
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矯正教育が行われる少年院で、外部教職員である筆者たちが少年院の子どもたちに数学を通して、抽象的概念や自問する癖を付けさせるまでの活動をまとめた本。
閉鎖的な少年院を切り開き、その数学を教えることで学ぶことや考えることの本質を伝えた著者たちのバイタリティには感心する。
義務教育で抜け落ちてしまった少年たちの学力は高校生の年齢で国語は中3、数学は小6という名古屋の矯正管区の調査でわかったというのも、やはり現在の義務教育下における指導の難しさが如実に表れているのではないか。30〜40人の子どもたちの個性をひとりひとり向き合っている学校教諭の方々への努力はとてつもないが、ひとりでも抜け落ちてしまうことが不遇へと繋がり、少なからず不幸な子や家庭を作ってしまっている事実に目を向けなくてはいけない。
そんな子どもと自分がどう付き合っていくか、できることを考えたい。 -
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大学レベルまでの数学記号の説明であるが、数学史も垣間見れるような内容となっている。先に進むにつれてだんだん難しくなっているような印象を受けるが、実は小学校で習う四則演算のほうが概念的には難しく、大学レベルの記号は手順の省略を意味するようになっていくところが面白い。たしかに大学の数学もモノそのものをイメージしづらく難しいのだが、小学校で習う"分数で割る"が何を意味しているのかを一体どれだけの人が理解しているのか、と言われればほとんどの人が理解していないだろう。計算そのものは、分子と分母を入れ替えて掛け算する、と作業的にできるのにその意味はよくわからない。本書でもそれなりの量で説明していたのだが、いまいち理解できなかった。こうしてみると、実は義務教育の段階で結構難しい事をやっていたようだ。