あらすじ
学校でも刑務所でもない、少年院における教育の可能性とは?
ベストセラー参考書の著者でもある注目の数学指導者と数学教育の専門家、少年院を知り尽くした元法務教官が、改正少年法施行を目前にそれぞれの立場から少年院における数学教育の意味を論じる。
「先生、自分も大学行けますか?」「あ~、もっと早く少年院に来てればよかった!」。
なぜ数学こそが、少年たちを立ち直らせるきっかけとなるのか。
「非行少年」たちの真実と数学の魅力に迫り、可能性のある子どもたちで溢れる少年院の在り方、数学教育の重要性を描く一冊。
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少年院における数学教育を通して、矯正教育の大切さと現状が語られた本。
本書は読むことで、少年院の状況や矯正教育の内容、そして、数学を学ぶ意義と教育の本質がよくわかります。
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少年院の子供たちに、数学を通して人生を取り戻す手伝いをする先生方の話。
そもそも、大人のせいで取りこぼされた子供たち。
関わる大人たちの熱意と、学ぶことで変わっていく子供たちに感動した。
人生において抽象的な概念が重要だということもなんとなく分かったような気がして、自分が高校生まで学んだ数学も無駄ではなかった⁉️
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少年院で教える数学。機会少なく学校からドロップアウトした少年たち。数学教室を通じた高認等の更生への可能性。
自費出版し余った著作を少年院に、寄贈したことから始まった、少年院での数学教室。入院時期も年齢も学歴もバラバラな少年院たちを教えるのに選んだのが、方程式を教えること。
数学自体の魅力と少年院での矯正教育の可能性。
本書は感動に満ち溢れている。生きること、学ぶこと、失敗から立ち直ること。多くの示唆に富んだ一冊。
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数学教師志望の私からすると、とても学びの多い本でした。
どちらかというと、数学というよりかは少年院にフォーカスした内容でしたが、勉強を教えることを通して子供に関わる人なら呼んでほしい1冊です。
数学が子どもたちの可能性を広げていく様子から数学の「凄さ」のようなものを再確認できました。少年院にいる子どもたちは必ずと言っていいほど事情を抱えていますが、もちろん、公立や私立などの学校にも事情をかかえ、この本に載っているような教育・授業・先生が必要だと思います。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれてなんとなく読んでみた。少年院についての知る機会がなかったため少年院で行われている教育、意義や必要性を知ることができた。今まで学校の数学教育についてにしか触れてこなかったため少年矯正のための数学については面白く感じた。正直第Ⅱ章の数学の解説の文章は難しくてなんとなくで読み進めてしまったが(笑)、全体的に興味深く読むことができました
Posted by ブクログ
矯正教育が行われる少年院で、外部教職員である筆者たちが少年院の子どもたちに数学を通して、抽象的概念や自問する癖を付けさせるまでの活動をまとめた本。
閉鎖的な少年院を切り開き、その数学を教えることで学ぶことや考えることの本質を伝えた著者たちのバイタリティには感心する。
義務教育で抜け落ちてしまった少年たちの学力は高校生の年齢で国語は中3、数学は小6という名古屋の矯正管区の調査でわかったというのも、やはり現在の義務教育下における指導の難しさが如実に表れているのではないか。30〜40人の子どもたちの個性をひとりひとり向き合っている学校教諭の方々への努力はとてつもないが、ひとりでも抜け落ちてしまうことが不遇へと繋がり、少なからず不幸な子や家庭を作ってしまっている事実に目を向けなくてはいけない。
そんな子どもと自分がどう付き合っていくか、できることを考えたい。
Posted by ブクログ
ケーキの切れない非行少年たちが印象深かったので、本書も読んでみた。
一般的なビジネスでは四則計算など簿記で使うもので十分と思っていたが、第2部の数学は抽象的な考えを育むものという考えは目から鱗が落ちた。
また、更生しても周りの環境で戻ってしまう第1部の記述にも考えさせられた。
本書を読むと、数学は役に立たないとは言えなくなると思う。