あらすじ
1、2、3、…という数が実在するわけではない。私たちはある具象物に対して、1、2、3、…というラベルを付けることで、全体の量や相互の関係を類推することができるのです。さらに具象物を構成する点や線を数値化することで未知なるものの形や性質を議論できます。そこにリアリティが出現する。これが数学であることを語ります。
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Posted by ブクログ
うすい本だが内容はつまっている。
「数学とは何か」についての本だが、数学者がこうした言わば哲学的な題材について正面から書いた本はそれほど多くない。
数学を学んでいく中で、たとえば「多次元上の図形」なんてものを数学者は現実に目に見える形で想像できているんだろうか、などと思ったことはないだろうか。本書を読んで、数学者でも考えていることはそれほど変わらないんだとわかってちょっと安心した。
古今のいろんな定理が例証のために証明もなしに出てくるが、これをそれぞれ証明を探して理解しながら読むとさらに面白いだろうなと思う。