坂元志歩のレビュー一覧
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先に写真集的な方の本を読んで、その存在を知った「サメ王国」。その撮影ドキュメントである。ダイオウイカの撮影が話題だったのは知っていたのだけど、なんとその姉妹プロジェクトであったと。全然知りませんでした、すみません。
生きた深海サメの映像は全然撮られていない。それをなんとか撮ってやるぜ、という気概が最初から最後まで続く。空振りあり、ファールあり、そしてホームランあり。
例のエイリアン的ミツクリザメは、世界での発見例が33件というのに、東京湾で1年で100体以上を捕獲したという。メガマウスも、そうとう網にかかっているけど、邪魔だから捨てられちゃうらしい。真実は現場にある。本文中にあった「漁師をしながら研究者」をするのもよかったな、という気持ち、すごくわかる。
マッコウクジラの冷凍死体を餌に投下するプロジェクト。RB-79 BALLのような丸い棺桶的ポッドの投入。話は大掛かりになっていく。
駄目か、失敗か、というときにビッグな出来事が起こる。出来過ぎかもしれない。いや、そんなことはいい。こんなにワクワクして読める本も久しぶりだから。 -
Posted by ブクログ
臨場感が最高のドキュメント。TVで見て、これはじき、書籍化されると予想、少し遅めだったかもしれないが、発刊後即入手、即読んだ。実に面白い。数年にわたり、何度ももぐりながら、1点集中で目標を達成していく様子が、ありありと伝わり、感動。かつての某番組風に、一見淡々と進むかのごとくの描写(ちょっとわざとらしいかも)。しかしながら、登場人物の熱さを前面に出す点など、つい突っ込みを入れてしまいそうになりつつ、引き込まれてしまった。
潜水艇の手配等、裏方シゴトにも多くの説明があるのが良かった。一般向けの書物にしたのだろうが、ぜひ、専門書も刊行してもらいたい(論文誌をみればいいのかもしれんが)。本書後半のイカ図に、とにかく感動、驚き、電車内で読んでたのに、おぉ~とかもらしてしまった。 -
Posted by ブクログ
ラジオ深夜便インタビュー
AIスーツケースがあれば周りの様子を感じながら移動ができる 風とか香りとか
読みあげソフトを健常者も使いこなす時代になってきている 運転中とか料理しながらとか
何かを無くした所に新しい気づきが見つかるのだろうか
潜在意識が働いてその人にしかない何かが生まれるのかもしれない
自分が知らなかった世界に驚いています
多様性な社会は戸惑うことが多いが
悪いことばかりではない
誰もが暮らしやすい社会は新しい視点から生まれる
自分も困った時こそ新しい視点に出会えるように
アンテナを張って気をつけていきたい
何かあったらどうするんだ症候群
日本人は気にするあまりスタートできない
確かにそんなことを議論してるよりやってみるほうが有効かもしれない
やってみなくては!
ラジオから出会えた世界 知る事が沢山ありました
今後も追いかけていきたい -
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そういえばテレビでやっていたな、と。ややミーハーな気分で購入。
実はタイトルをみて「夢を追う」こととか、「努力」について書いてあると想像して、購入を躊躇ったりもした。「夢を追って成功しました」なんて話なら、わざわざ(一般論でいえば美しくもない)「イカ」を題材にして読みたいとは思わない。純粋な学者話ならまだしも、テレビを前提としているなら、大したことのない「ネタ話」になってしまうのがオチだ。
そんな躊躇を感じながら読んだけれど、かなり面白い。ところどころで「テレビマンはこんなに苦労しました」なんてニュアンスの話が出てくるけれど、そんな話は捨て置いていい。不親切ながら描かれるイカの生態に思いを寄せるだけでともかく面白い。
ときに「イカの飼育はとても難しい」なんて書いてある。さらに「養殖には成功していない」なんてことも書いてある。いったい養殖に成功すればどういうイカが食卓にのぼるのか。あるいは天然イカと養殖イカの違いは何だろうとか、はてさて、養殖ウナギは脂が付き過ぎるのが常だが、養殖イカにも脂がつくのだろうかとか、そういう話だけで数時間ないし数日は楽しい。
そんな、すごくつまらないことを面白がる変な人でも、かなり楽しめる本に仕上がっていると思う。 -
Posted by ブクログ
ダイオウイカの映像をまたまたTVで見て、こりゃすごいと感動しました。イカを食べることも好きですが、ダイオウイカはアンモニア臭がきつくて食に向かないようです。ダイオウイカの撮影に成功する前の試行錯誤は番組の中で見えてこなかったので、興味深かったです。日本では窪寺先生の科研費がストップすることがあり、NHKでも撮影の企画が通らないほど見通しが立たない深海の生き物。最後はディスカバーとの国際共同制作で撮影に成功。アメリカでは海の生物の研究者が手厚く支援を受けている様子も伺えました。TVでは分からなかったことでしたが、おとりのソデイカを潜水艇から離して本物のように泳がせる工夫、ここにこだわって準備したことが成功の鍵だったように思えました。NHK「LIFE!~人生に捧げるコント~」に登場するイカ大王もすごく面白いです。撮影を試みているとダイオウイカは現われずアカイカばかりが寄ってくる。見付けてもがっかりされるアカイカがコントに登場するイカ大王に重なります。
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Posted by ブクログ
ネタバレチェック項目11箇所。ダイオウイカが現れた時間は、わずか23分間、誰も成し得なかったことを、やりとげてしまった23分間、この物語は、その23分間のために10年の歳月と情熱を捧げた人々を負ったものだ。ダイオウイカの映像が放送された後、「世界で初めてダイオウイカを撮影して何の意味があるのですか?」と誰かがテレビで話していた、その通りなのかもしれない、でも、10年の物語は-変わらぬ夢をもち続け、逆境を跳ね返し、時にはばかばかしいほど熱くなる物語は-そこに意味があるということを、きっと教えてくれる。小笠原は世界でもっとも遠い場所なのだ、小笠原は東京都の島だが、東京からは1000kmも離れている、だが、問題は距離ではない、小笠原にはなんと航空便がない、船で行き来する以外に選択肢がないのだ。1998年、マッコウクジラの目の下に、くっきりとした巨大な吸盤の痕を発見したのだ、クジラの黒い皮膚に、丸い模様が点々と筋のように残っている、科学的には、マッコウクジラの胃の内容物がダイオウイカとの対決の決定的な証拠となるが、多くの人にそれをイメージさせるには、マッコウクジラに付いた吸盤痕の映像ほど明快なものはない。ダイオウイカの筋肉のなかには、液胞と呼ばれる、アンモニアを多く含む水の入った微小な袋が、多数分布している、その微小な袋がダイオウイカのグニャグニャとした身体の柔らかさを生み出している、イカ類は、そのままでは身体が海の底へ沈んでしまう、海水より身体の比重の方が大きいのだ、比重の小さいアンモニアを含んだ液胞を身体にもつことで、やっと沈まずに浮力が保たれる。じつは私たちが食用にしているスルメイカなどは、アンモニアを含む液胞をもたない、こうしたイカたちは、とにかく高い遊泳力で、沈むより速く泳ぐことで、生息環境の水深にとどまっている。「タコは8本、イカは10本」とはよく言うが、大人になると自然に2本の触腕が取れてしまう、8本腕のイカもいるのだ。2009年秋、小山と河野は、次こそはなんとか撮影を成功させようと、新しいカメラを開発した、その名も「期待の星・イカメラ4号」だ、期待の星・イカメラ4号は、1日にして、サヨナラとなった。数センチほどのダイオウイカの赤ちゃんは、わずか3年ほどで、10mを超えるまでに成長するという、生物のなかでも驚きの成長速度だ。マッコウクジラは社会性の高い動物で、仲間同士助け合って生きているとされる、捕鯨の時代には、1頭のマッコウクジラを撃つと、撃たれたものの周りを仲間が囲むため、一度に何頭も捕ることができたという、切ない話だ。