ひのもとうみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
身勝手ダメ男攻×健気受。幼なじみものですが、パッと見いい感じの攻がハンパなく残念な性格してるのが見所。作者さんのデビュー作の攻も悪い男だったけど、てっちゃんはそれに輪をかけて酷い男です。
それでも憎めないところがあるのは、2次元だとサイテーだけど3次元じゃわりと普通にどこにでもいそうなタイプだからでしょうね。
夢とロマンを求めるとがっかりな攻であることは確かです。思いやりの気持ちに欠けていて、透のことは愛情というよりも所有物のように思っているふしもあったりしてイラっとさせられます。そんな彼を、小学生の時にいじめっ子から助けられた記憶を拠り所にずっと想い続けていた透は健気でもありながら、想い続けたらとことんな性格も垣間見えて、けっこう図太いんじゃないかと思います。忍耐強い相手だからこそ、哲也にはぴったり。まさに割れ鍋に綴じ蓋cpです。
こんなに好きでいてくれる相手をないがしろにするとは、身近の青い鳥に気づかないてっちゃんの愚かさにつくづく呆れるしかありません。
それに比べて奥園のなんという素晴らしさ。比べる相手がてっちゃんだけによけい男前度が際立っています。奥園にも素敵な相手が見つかるといいなと思っちゃいました。
俺はくだらない男だ、と哲也が気づいたのは身も心もボロボロになって全て失ってからというのも残念すぎるんですが、でもストーリー的にはこれ以上面白くてスッキリすることはない展開になってます。
その後、改心してからのラブラブが端折ってあったのが少し残念。ここ、丁寧に萌え重視で描いてくれたら★5つでした。
文章力すごい作家サンだなあと感心。小椋ムクセンセのイラストが素晴らしかった。 -
Posted by ブクログ
「遠くにいる人」だけだったら、物足りないものがありましたが、書き下ろしで小田島がちょっとがんばったので、溜飲が下がった思いです。
とにかく、攻の小田島が褒められた性格じゃない。外見はかっこいいし、やることなすことソツがないのもまあいいです。王子で後継ぎで苦労もしてなさそうなので、挫折を知らない人生歩んできたんだろうと推測できる傲岸不遜さ。ないがしろにされている治樹の気持ちなんて思いも及ばないんだろうな、というキャラ。
面白いことに悪意は全くなさそうです。
一方の治樹は、惚れやすい寂しがりやで、自分に対して自信ゼロなところがあります。容姿を幼馴染みの三津と比べて卑屈になったり。
でも、小田島にしろ、治樹にしろ、誰でも聖人君子なんてことはありえないので、ロマンはないけどリアル感は充分ありました。いつも、ろくでもない男に惚れると三津に言われたとおり、また小田島みたいな男に惚れる性懲りの無さも治樹のような性格なら頷けます。
で、ご多分に漏れず小田島の見せかけの好意にすっかりその気になった後、治樹は粉々に打ちのめされてしまいます。
そんな奴忘れちゃいなよ、って外野だから言えるけど、忘れられるわけないよね。手の届かない憧れの人との夢のような思い出は、簡単には消えません。そんな治樹の苦しくせつない気持ちが胸に迫ります。
「そばにいる人」では、なんだかよそよそしい態度に業を煮やして、妙にしつこくなった小田島に、気を回しすぎる治樹の揺れる心が仔細に描かれています。
小田島はほんとに自覚のない男ですね。真剣に恋をしたことがなくて、治樹への気持ちが何だか分かってないフシがあります。
三津だけが、二人の心情をきちんと把握してる感じが面白い。
SSでは、そんな三人の複雑な気持ちがまるで三角関係みたいにもつれ合ってます。三津はどっちかと言うと小姑ってかんじですが。
BLらしい華やかさはないけど、思わず読ませる深い作品です。心理描写は納得の域。惜しいのは、萌えがなかったところ。
新人さんのようで、これからの作品も楽しみです。 -
Posted by ブクログ
正直、あらすじも読まずに好きな絵師さんが表紙を手がけた作品だったので買ってしまいました。要するにジャケ買いでした(笑)
表紙からもわかると思いますが、外見も普通で少し控え目な性格の治樹(受)が傲慢でいわゆるモテる男である小田島を好きになるけれども振り向いてもらえず、振り回されて傷つけられて、諦めようとして、それでも好きで好きでひたすら彼を密かに思い続ける、とのお話です。表紙から二人の距離感がすごく伝わってきて読み終わった後にまた切なくなりました。
とにかく小田島が傲慢です。おまけに普段はこれでもかってくらい気が利いて優しくて回りに対しても思いやりがある人なのに(本人曰くそんなつもりは一度もないらしい。それがまたツボでした)、肝心なところは相手がなぜそうなるのか理解しようともしない。最後に治樹の天然ぶりに振り回されるところで「小田島ざまみろ」とニヤニヤしてしまいました(笑)
治樹はまた痛々しい人で、幼馴染にとってはいわゆる癒し系的な存在だけど、後ろ向き思考で実はとても寂しがり屋。その寂しさを誰かに慰めてもらいたくて付き合う人もいつもろくでなしばかりで。ボコボコにされてるところを小田島に助けてもらい結ばれるわけではあるけど、結ばれても後ろ向きな治樹の中に不安は募るばかりです。でもそういう状況だと誰もが臆病になるのではないかな。治樹の感情がとてもわかる気がしました。
ただ作家さんが新人の方なので文章が稚拙…とまではないけどかなり物足りない感があります。読めばなんとなく誰に影響を受けたかがわかるような文章で。個性というかもう少し作家さん自身のクセをつけないといけないなと思いました。また、感情描写はかなり上手いですが、二人の間で起こる出来事、例えばドライブに行ったり食事をしたりそういったシーン、物語の人物からすると目に見える部分というかな?それらの説明が少し足りなくて。特に二人で水族館に出かけるエピソードは、実際モデルがあるくらいだからもう少し頑張りましょうよーと思うほどたった1/2ページで「はい、水族館はもういい」って終わり方だったから思わず声を上げてしまいました。物理的なものに対する描写ももう少し磨く必要があるかなと思います。
…あと、脱字が少し気になっちゃって…。
少しキツく感想を述べたかも知れませんが、それでもそれら全てがどうでもいいほど何回も読みたくなる素敵なお話です。二人の感情が交差するように話が進むのでどちらの気持ちもぜひ読んでみたいと思う方、切ない物語が読みたいと思う方に猛烈にお勧めします☆ 次作も楽しみです。 -
Posted by ブクログ
表紙の絵とタイトルに惹かれてあまぞんぬでぽちっと。
ストーリーを上手く現してる素敵な表紙です。
私はまあ、いろいろと蔑まれてきた人間なので主人公の治樹にはとても感情移入したし、小田島にはムカついたし、三津には好きだけど嫌いという曖昧な感情を抱いた。
新人さんと言うことで、表現が稚拙で言葉足らずだなぁ…と、感じる文章だったけど、登場人物の心理描写はよく伝わってきた。
付属ペーパーの、治樹の天然に振り回されてる小田島がよかった。
最初は蔑ろにしてたのに、あんた、べた惚れやんかーニヤニヤ。みたいな。
これ、続編が読みたいなぁ。
保護者(笑)の三津vs小田島の攻防が見たい。
そして、三津によれば治樹は以外とモテるらしいからな。
ライバルとか現れてヤキモキしろよ小田島。 -
購入済み
いまさら
いまさらなきもする
高校時代、ヤキモチか気に入らないからかわからないけど
襲うようなことをした上に「淫乱」呼ばわり
8年後にあって何にもなかったように振る舞う
ちょっとかわいそうだよ蒼が -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作に引き続き、カップリングは小田島達朗(経営者一族の副工場長)×佐倉治樹(家具メーカーの工場勤務)です。付き合って1年が経っています。
治樹に後輩ができて仕事を教える上での悩みやら、小田島が親族に騙される形でお見合いさせられたり。
攻めの傲慢さはなくなりましたけど、受けが相変わらずのネガティブ思考です。
そしてなんだろうな、結構あざといなと思ってしまいましたよ(笑)
でもまぁ小田島を無意識に信じきれないっていうのはしょうがないかなと思います、前作が前作なのでね。私も信用してません(笑)
でも今作でびっくりするくらい彼は変わってますので。というか誠実になりすぎてハラハラ感は減ってしまいましたかね。治樹の成長はあまりみられませんが、最後はちょっとは前向きになってたっぽいのでよしとしましょう。
もう一つ短編が入ってるのですが、それは三津の後輩の臼井からの視点のお話です。
臼井が三津を意識するまでと、臼井から観た3人(治樹・小田島・三津)の関係性。
正直三津の治樹に対する気持ちが友情以上だと言うのは知りたくなかったですね、そこは純粋に友情を貫いてほしかったです。
っていうか治樹が相手なら押せばなんとかなったと思うんですけどね(笑) -
Posted by ブクログ
ネタバレがっかり攻のがっかり攻によるがっかり攻のための本でした。
とにかくがっかりな性格の攻視点で話が展開される為、
受の不憫度が尋常じゃない感じの仕上がりになってます。
ひのもとさんの最低攻は、これはもうデフォなんだな、と
納得するレベルでがっかり男です。
自分の見栄や体裁、出世の為には友人や恋人でも何でも
利用し裏切り、最後の最後で全てを失って……という
がっかりさんの転落っぷりにすかーっと胸がすくような
思いではあったんですが、それじゃBLにならない。
いろんな意味で利用され続けた受の、健気っぷりによって
がっかり男が救われる、めでたしめでたし。
というようなストーリー。
あのー……こいつもっとこてんぱんにのした後でも
よかったんじゃないですかね、受とのラブラブは。
とはいえ、BL界広しといえど、ここまで読んでて苛つく
攻を書ける作家さんてある意味貴重な気がしてきました。
口絵の幼い頃のふたりを見ていると、受に感情移入
してしまい、ほろっと来ます。八重歯かわいい……。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前回『遠くにいる人』のCPの1年後のお話。
内容としてはごくごく普通で、前作ほど心惹かれるものは
ありませんでした。
というのも、今回のテーマの大半がお見合い話に割かれて
いて、BLにおけるお見合いネタは正直食傷気味……。
ある程度人物設定ができあがってる中でのこのテーマは、
ある意味非常に難しいと思います。
感想としては、綺麗に纏めたなという感じで、これだけ
だったら★2つでよかったかなぁ……と思うんですが、
後半に美味しすぎるお話が。
受の幼なじみの三津が……!!!
三津の話だけで御飯3杯くらいいけそうでした。
これだけでは物足りないので、是非続編を!!!!
次回への期待値こめて★3つ -
Posted by ブクログ
ネタバレ芸大に通う仁科幸は、作詩をメインとしながらも自分の将来を決めかねていた。
周りの同級生はどんどん就職先を決めていくけれど、自分はただこのまま漫然と試作を続けていていいのかどうか……悩んでいた。
けれど、言葉は仁科の心の中に次々と浮かび上がり、「書く」ことには仁科は迷いを持ったことがなかった。
そんな仁科の前に突然現れた男・広尾柾史は、仁科とはまた別の視点から詩に関わって行こうとする男だった。
彼は、「詩の翻訳家になりたい」という明確な目標を掲げ、また、それに向かって何度もフランスに留学していたり……等目標に向けて着実に歩いている男だった。
そんな広尾と、ゼミの教授から同じ課題を与えられた仁科は資料の少なさから、一緒に課題をやることになってしまう。
最初、今までの人付き合いの経験の少なさから、何でもすぐに口にしてしまう広尾に苦手意識を抱いていた仁科だったけれど、次第にそういう広尾のマイペースなところに惹かれていく……
そして、課題の打ち上げの日、酔った2人はついつい身体の関係を結んでしまう。
そこから先、恋愛経験も少ない仁科は、転がり落ちるように広尾に夢中になっていく。
全てが広尾中心の生活で回っていて、詩も全然書かなくなり、授業にも殆ど出ない。
恋愛以外何も見えなくなってしまった仁科に対し、別れを告げたのは、先に手を出してきた広尾のほうだった。
「自分が何を言っているのか考えろ」と諭され、「もう会わない」と仁科の部屋を追い出された仁科はその現実が受け入れられず、しばらくは仁科のことを追いかけ回すことになる。
しかしながら、それも大学が休みに入り、仁科がフランスに留学してしまうまでの短い間だった。
最後の日に、完全な別離の言葉を告げられてしまった仁科は仕方なく、広尾のいなかった頃の元の生活に戻ろうとするけれど、心がぽっかりと穴が空いたようになってしまい、今まで通りうまく試作ができない。
何を描こうとも言葉がまったく出ない状況に、仁科自身も焦りを感じるが、自分の力では何ともならず、ただ悶々と月日だけが過ぎていく。
そんな時、師事する教授から渡されたのは、広尾と一緒にやった課題の詩の日本語訳で……
という話でした。
恋によって身を崩した詩人と、そんな詩人に恋してしまった男の話。
結局仁科は、その訳詩によってもう一度書くことを取り戻して、その作品を見て、別れたはずの広尾が尋ねてきてハッピーエンド。
でも多分、本当の2人の山場はこれからで。
歩くテンポも、目的意識も全然違う2人は、なかなか考えてることのベースが違うから、ちゃんと言葉で伝えたつもりがすれ違っていたりして、うまくいかないところも多々あって。
それが原因で、仁科が無理していたり……で。
まだすっきり「共に歩む」っていう感じではないところで終わっているのだけれど。
それでも、仁科は広尾のことが好きで、広尾は仁科のことをとっても大切に思っている……ということが大事なんだろうな……と思います。
仁科が倒れちゃったシーンは、バイトの鬼だった個人的には、お前、其の日は本当にバイトがない日なのか? 大丈夫なのか?? って心配しても始まらないことを考えたりしたのですけど、まあ2人の将来の幸せの方が大事ですよねって。
マイペース攻めに振り回され続けるちょっとぼんやりな受けの話。
8割方は確かに広尾の方が正しいけれど、全員が全員、広尾のペースで生きれると思うなよ! と思ってしまったり。
気持ちのすれ違いの含まれてるBL小説が好きな方にはオススメします。