安藤祐介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
終盤のいじめの広告を作るあたりからほんとうに面白くなって最後まで一気読みしたけど、もやもやする!ってことで面白さは星4つだけどもひとつ減点して星3つ。
小学校入学時からいじめられっこ人生を歩み、仕事もまともにできず友達も恋人もおらず悲惨な人生を歩んできた主人公が、ふとした社長のきまぐれから、社内でのいじめられっことしての取り締まられ役という影の職業に従事する話。
中盤まではヘイトが高く、主人公に対する境遇がきつくて読み進めるのがつらかった。こんな物語の舞台を用意した理由は、人は人と繋がってこそ、認められてこそ生きるのだという主張を見せたかったからなのだと思うが、ストーリーとしては理不尽でやってられない。だって、結局は運でしょう。大企業に勤められたのも、たまたまアイディアがうまくいったのも、主人公は何の努力もしていない。いや、だめになろうという努力はしているが、それは努力と言わない。
いじめ広告のコンペのあたりは鳥肌がたったし、何かをみんなで作り上げる楽しさには魅せられた。だが主人公の同僚の中井にやりきれなくなった。主人公が失敗してばかりの頃は部の皆の目線も冷たい。成果をあげれば部の皆は優しくなる。主人公に対する評価に反比例して、中井への評価は下がっていく。現実だったらその通りなのかもしれないけど、小説で見せつけられるとちょっとなぁ。
「営業零課接待班」と同じように、ひょっとしたきっかけと偶然と運で主人公が厚遇されるから、納得がいかない。面白く読んだのは確かなのに、腑に落ちないというか心にすとんと降りてこない小説だった。もっと爽やかに頼む。