川口淳一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いまさら、と言われるかもしれないが小惑星探査機「はやぶさ」の誕生から帰還までを描いたもの。
同じような本は何冊か読んでいるが、プロジェクトマネージャであった川口教授が著者だったので、思わず手に取った。
偶然だが、この本を読み終わった翌日、「”はやぶさ2”製造開始」という記事が新聞に掲載されていた。
全ページカラーなので、新書にしては定価がお高め。
面白いのは奇数ページ左下欄外に地球、火星、イトカワ、はやぶさの軌道の簡略図がついており、打上げから帰還までの軌道がパラパラマンガのように見る事ができる点。
これまでに読んだ「はやぶさ」本はカプセルの帰還までだったが、この本は、それらより後から出版されているので、カプセル内にイトカワの微粒子が発見された部分についても書かれている。
当事者だから敢えて、そのようにしているのか、全体的に事実を淡々と述べている印象だ。
が、さすがに「はやぶさ」の最後とイトカワの微粒子発見の部分では、行間から感情が滲み出ているように思える。
最後の章末に書かれた一首が多くを物語っている。
「わくせいの いにしえかたる たまてばこ ながきかんなん いまぞかなえり」
「はやぶさ2」のプロジェクト(2014年に打ち上げ予定)が順調に進む事を願う。 -
Posted by ブクログ
探査機「はやぶさ」のプロジェクトマネージャを努めた川口教授。
その川口教授が「はやぶさ」をはじめとした各種人工衛星のプロジェクトから得た考え方のポイントをまとめたもので、正確には「川口教授式思考法」とでも呼ぶべきもの。
ただし、「はやぶさ」が最も長く関わった仕事(約20年!)なので、タイトルが違うとも言い切れない。
目次を見れば、どのような事が言いたいのか骨子だけは分かる。(一部、中身を読まないと分からないものはあるが)
最初のページから順番に読まなくても、目次から気になる章を先に読む、といった読み方をしても特に問題のない構成となっている。
個々の内容は「なるほど」と思う事はあっても、奇をてらったような変な表現がなかったので、ストレスなく読める。
(最近の本(特に新書で)タイトルだけは人目を引くが、中身がないものが多く、そういう表現のものをみると、それだけで読む気がなくなってしまうので)
特に印象に残ったのは、
「減点法を止めて、加点法にしよう」
「(問題点を指摘するのではなく)”こうすればできる”と考えよう」
「学びのプロになってはいけない」(=「学ぶ事」自体が目的化してはいけない)
という点。
他人や自分の短所は長所より良く見えるし、問題点ばかり指摘し続けていると、何となくやっているように見えるが実は何も前に進んでいない。
勉強自体は悪い事ではないが、それが自己目的化すると、いつまで経っても「勉強中」になってしまう。
・・・やはり「減点法」的な感じになってしまった。
本書の中でも「減点法」的な評価は「科挙」以来の根深いもの、と言っていたが、自分自身もどっぷりつかっているのがよく分かる。
ちょうど今、仕事で後輩の教育中なので、まずは「加点法」というのを心がけてみようと思う。