あらすじ
「いま、私が、ニッポンにいちばん言いたいこと!」
宇宙史に残る偉業から導き出された、あなたの今を変える24の思考法
1.減点法を止めて、加点法にしよう
フィギュア・スケートや器械体操は「加点法」で採点されます。当然、難易度の高い技は高得点ですから、選手はより高度な技に挑戦しようとするのです。
2.教科書には過去しか書いてない
「学びのプロ」が信仰する教科書には過去しか記されていません。答えの有無すらわからないことがゴロゴロしている現実において、新たな発想を提供するものではないのです。
3.教育の時代から研究の時代へ
今後も日本が発展を続けていくためには、フロンティアを自分で切り拓いていかねばなりません。イノベーションを引き起こし、新しい産業を育成・発展させるインスピレーション研究が必要です。
4.天の邪鬼のすすめ
5.システムエンジニアリングより親方徒弟制
6.「失敗する」チャンスを与えよう
7.スケジュールは必ず遅れる
8.トラブルは勲章と思え
9.迷うくらいなら、どっちでもよい
10.どうしたら運を拾えるか …などなど
仕事や学業の中で役に立つのはもちろん、いまの閉塞感を打ち破り、日本の復活、新たな発進につながる一冊です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
探査機「はやぶさ」のプロジェクトマネージャを努めた川口教授。
その川口教授が「はやぶさ」をはじめとした各種人工衛星のプロジェクトから得た考え方のポイントをまとめたもので、正確には「川口教授式思考法」とでも呼ぶべきもの。
ただし、「はやぶさ」が最も長く関わった仕事(約20年!)なので、タイトルが違うとも言い切れない。
目次を見れば、どのような事が言いたいのか骨子だけは分かる。(一部、中身を読まないと分からないものはあるが)
最初のページから順番に読まなくても、目次から気になる章を先に読む、といった読み方をしても特に問題のない構成となっている。
個々の内容は「なるほど」と思う事はあっても、奇をてらったような変な表現がなかったので、ストレスなく読める。
(最近の本(特に新書で)タイトルだけは人目を引くが、中身がないものが多く、そういう表現のものをみると、それだけで読む気がなくなってしまうので)
特に印象に残ったのは、
「減点法を止めて、加点法にしよう」
「(問題点を指摘するのではなく)”こうすればできる”と考えよう」
「学びのプロになってはいけない」(=「学ぶ事」自体が目的化してはいけない)
という点。
他人や自分の短所は長所より良く見えるし、問題点ばかり指摘し続けていると、何となくやっているように見えるが実は何も前に進んでいない。
勉強自体は悪い事ではないが、それが自己目的化すると、いつまで経っても「勉強中」になってしまう。
・・・やはり「減点法」的な感じになってしまった。
本書の中でも「減点法」的な評価は「科挙」以来の根深いもの、と言っていたが、自分自身もどっぷりつかっているのがよく分かる。
ちょうど今、仕事で後輩の教育中なので、まずは「加点法」というのを心がけてみようと思う。
Posted by ブクログ
川口さんが日本を救う思考を語る
ビジネスマンだけに限らず、学生などにも非常に有用な内容だと思う。
「学びのプロになるな」
という言葉が強く残った。
Posted by ブクログ
著者は宇宙航空研究開発機構(JAXA)教授。
「はやぶさ」を成功に導いた思考法や組織のあり方を
述べている本。
人は「減点法」で評価されると、失敗を減らそうとし、
「加点法」で評価されると、難易度の高いことに挑戦しようとするものである。故にハイリスク・ハイリターンな事業は、加点法で評価すべきであると。
Posted by ブクログ
皆に読んでもらいたい
特に、日本人中心の組織運営の長は 是非とも
失敗を糧として 次のプロセスにいかす仕事の方法は共感する、
失敗を失敗として認める事を容認する組織に存在しない限り
難しいと感じた
Posted by ブクログ
前例のない事を進める困難さと、それを苦にしない関係者の勇気と知恵が素晴らしい。出来ない言い訳ではなく、どうやったら出来るかを考える。当たり前のようでいて実際はなかなか難しい。 教えられた事しかできない。勉強は出来るけど、新しい事を考えることができない。今の日本の教育(と社会構造)ではそんな大人しか育たない。 考え抜く力と、失敗に怯えなくていい環境が、突破する力を生む。
Posted by ブクログ
24の提言についてはそんなに参考になるものはなかったが、「私を支えた父の言葉」の章が良かった。著者の父は高校の数学教師だが、こうしたはやぶさプロジェクトを支える意志に関しても、父の教えが基礎になっているとのこと。素晴らしいですね。家庭教育の大切さを改めて感じるとともに、川口さんの父を大切にしている思いが伝わってきて、温かい気持ちになりました。
Posted by ブクログ
現在の会社生活における漠然とした不安不満を解決するヒントがあったように思う。
まずは自己完結できる課題「学びのプロにならない」ために、意図的に天邪鬼になってみよう。(人と同じことはやんねーよ的な)
Posted by ブクログ
はやぶさ関連はどれを読んでも、体が震える。
「困難、いや魅力に満ち満ちた」と言い直しているのがすごく素敵でした。困難って、誰かが成功したあとに振り返ってみると、すごく魅力的だったと感じるのかもしれない。
Posted by ブクログ
はやぶさのプロジェクト・マネージャの川口淳一郎さんが、自身が大切にしている考え方を24の項目にまとめたもの。
「はやぶさ」式と言うだけあって、随所に「はやぶさ」に関するエピソードが盛り込まれている。
宇宙開発を、たんなる夢や、自己満足に終わらせずに、日本の明るい未来のための投資と考えていることからも、川口さんの視点の広さをうかがえる。
科学的な話だけではなくて、プロジェクトの進め方や、社会の在り方、そして究極的には個人の考え方への提言に昇華されている。
文章もやわらかく、わかりやすいので読みやすい。
個人的には「学びのプロ」、イノベーションといった話が面白かった。
それと、投資の話。未来を切り開くためには、縮小ではなくて、苦しくても投資していくとが大切ではないかということが書かれていた。
現代の日本が陥りがちな、間違いを恐れる考え方に対しても言及されていて、減点法から加点法へと考え方を変えることの大切さに対しても、とても納得のいくものだった。
あたりまえのような意見に見えるけれど、それを実践してこられたからこそ、重みのある言葉だと思った。
Posted by ブクログ
はやぶさプロジェクトを通して、川口教授が伝えたかった24のメッセージ。どれも教訓に富み、心を動かされるものばかりです。
チームの人たちを大切にし、はやぶさプロジェクトになみなみならぬ情熱を注ぎ、通信が途絶えてもエンジンが壊れてもあきらめない。川口教授はすばらしい人格者だと思いました。
はやぶさが持ち帰ったものは、正確には二つで、一つは微生物のサンプル、もう一つがこの本に書かれているようなメッセージだと思います。
Posted by ブクログ
「減点法はやめて加点法で評価しよう」というのがキーメッセージ。
日本が生き残っていくための次の食い扶持をつくるためには、こういう発想が必要だと痛感した。
Posted by ブクログ
減点法はイノベーションの芽を摘むと。それが日本や極東アジアの民族的特徴だと100%思わない。若者の挑戦もアメリカなどに比べて少ない気がするが決して0ではない。それでも今後、世界に挑んでゆく日本を育むために加点法的評価が必要なのは本当だろう。
Posted by ブクログ
スイングバイを覚えたw 日本復活24の提言と書かれているサブタイトルの割には、一般論として言われている「出る杭は打たない」のような事ばかり書かれていて残念に思えた。一般論的なことよりも、生々しい貴重な体験を主軸にして、もっと夢のある本にして欲しかったと思う。
Posted by ブクログ
■思考
1.人は「減点法」で評価されると、失敗を減らそうとし、「加点法」で評価されると、難易度の高い事に挑戦しようとするものである。ゆえに、ハイリスク・ハイリターンな事業は加点法で評価すべきである。
2.誰かの模倣で終わらせないためには、天の邪鬼になることだ。「人がやったことはやらない」というくらいのへそ曲がりになる事が大切である。