川口淳一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
はやぶさの本はこれまで、いくつか読んだけれど、本書が圧倒的に素晴らしいのはその著者である。はやぶさプロジェクトリーダーの川口淳一郎氏が書いている。
平易な文章を書く人だと感じた。文章が小刻みで、リズムがよくて読みやすい。
いくつも本を読んだり、テレビの特集、映画を見たせいで、ストーリーは頭に入ってしまっていて、新鮮さはなかったけれど、やはり、実際に現場で指揮した人の文章は臨場感があるなぁと思う。
また、常に日本の宇宙開発、科学技術の将来の発展を願い、はやぶさにおいても、ミッションのそれぞれがどういうメリットがあるのかを述べる姿勢が印象的。常に説明を求められ、動機づけが十分であることを多方面 -
Posted by ブクログ
はやぶさのプロジェクト・マネージャの川口淳一郎さんが、自身が大切にしている考え方を24の項目にまとめたもの。
「はやぶさ」式と言うだけあって、随所に「はやぶさ」に関するエピソードが盛り込まれている。
宇宙開発を、たんなる夢や、自己満足に終わらせずに、日本の明るい未来のための投資と考えていることからも、川口さんの視点の広さをうかがえる。
科学的な話だけではなくて、プロジェクトの進め方や、社会の在り方、そして究極的には個人の考え方への提言に昇華されている。
文章もやわらかく、わかりやすいので読みやすい。
個人的には「学びのプロ」、イノベーションといった話が面白かった。
それと、投 -
Posted by ブクログ
副題「玉手箱」は開かれた~はやぶさが世界初の快挙である点。地球の引力圏を離れて宇宙を航行し,他の天体に着陸してサンプルを採取し,地球に帰ってくる~プロジェクトマネージャ。いろいろな人によって,はやぶさは本にされ,映画にもなっている。日本という国を考えれば快挙で,喜ぶ人も多いと云うことになるが,科学的快挙や発見は人類共通の宝であって,国は無関係だが,大きなお金が掛かる以上は何処かに冠を戴くしかないのであって,国は大きなスポンサーになり得る。アメリカで同時期に作られたリアクションホイールが3台の内2台壊れていて,アメリカの研究者とも協力しなくてはなしえないが,アメリカに出し抜かれた悔しい思いが伝わ
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Posted by ブクログ
私=はやぶさ帰還のニュースで初めてその存在を知ったニワカファン。なんか凄そうだけど,新聞やテレビの報道だけでは,どのへんがどれだけ凄いのかいまいち分からない。そこで,オールカラーの本書を手にとった。
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地球の引力圏外まで長時間・長距離を航行し,全長500m程度の未知の小惑星イトカワに着陸した上,資料を採取して地球に帰還する……そのミッションは困難を極めている。しかし,プロジェクトマネージャーである著者は,「NASAもためらうような計画でなければ,われわれのオリジナリティは実現できない」,「多少やぶれかぶれ気味ではあるが,人類初の挑戦をしよう」などと考え,プロジェクトを始動させる。
本書の