森炎のレビュー一覧

  • 死刑と正義

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    (少なくとも現在の日弁連では)あまり議論されていない視点から死刑について論じられており、著者がどんな経緯でどんな状況で何を考えながら本書を著したのか想像してしまう。

    裁判員に選任される可能性のあるすべての人に読んで欲しいが、議論をカントやニーチェを引用しながら展開するので取っ付きにくいと感じる人が多いかもしれない。

    死刑求刑事件の弁論には使えなさそうだが、ものを考える練習にはなった。

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    2012年11月26日
  • 裁く技術 無罪判決から死刑まで(小学館101新書)

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    もし自分が裁判員になったなら? 裁判員の任務は、「被告人が犯人かどうか」を判断し、犯人の場合には「量刑をどうするか」を決めること。 この2点を豊富な裁判例を引いて説明してあり、分かり易い。 ただし、実際の事件に「おいらがナンバー1誘拐殺人事件」などと勝手に命名するのはいただけない。

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    2012年05月05日
  • 裁く技術 無罪判決から死刑まで(小学館101新書)

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    毎年30万人超、約28年で20歳以上の日本国民全員が、その候補になるという裁判員制度。
    もし裁判員に選ばれてしまったら、我々は法廷で何をすればいいのか?
    凶悪重大事件をどう裁けばいいのか?
    そんな裁く不安を解消するために必要なのは、理念や題目などの抽象論ではなく、具体的な方法論だ。
    「最も注意すべきは初公判開始後30分」、「標準的殺人事件の懲役は13~14年」、「死刑が確実なのは、3人以上殺害した場合だけ」など、今まで語られることのなかった具体的な『裁く技術』を、元裁判官の森炎弁護士がわかりやすく明示する。

    [ 目次 ]
    序章 裁判員はどれだけ大変?
    第1章 裁判の流れをつかむ

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    2011年06月12日
  • 裁判員のためのかみくだき刑法

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    [ 内容 ]
    ほぼすべての国民が裁判員となって人を裁く可能性をもつ裁判員制度。
    この制度の下、市民裁判員は、「強盗殺人」「放火殺人」「誘拐」など、極刑も想定される罪を裁くことになる。
    「市民感覚」「白紙状態」…そんな姿勢で臨んだ法廷で、彼らを待っているのは、「人を裁けるのか」という大きな苦悩だろう。
    いかに人を裁くべきか?
    その指針、そして大原則となるのが「刑法」である。
    実例を豊富にまじえた、あまりにもわかりやすい、裁判員制度時代の刑法入門書。

    [ 目次 ]
    序章 裁判員にとって必要な条文はこれだけ
    第1章 「罪と罰」―「罪」の世界
    第2章 正当防衛と緊急避難―許された殺人、許された傷害

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    2010年07月07日
  • 量刑相場 法の番人たちの暗黙ルール

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     元裁判官の著者が「量刑」の現状を実例を挙げて紹介する内容。刑法の研究者にはなるほど、と思える部分もあると思うが、一般の読者には退屈に感じられるのではないだろうか。淡々と事実が語られ、敢えてだと思うが、著者の見解を控えているのも一般的にはつまらなく感じてしまうのではないか。

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    2024年12月18日
  • 死刑肯定論

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    国際的には死刑廃止国は90以上、準廃止国(死刑執行停止中や軍事法廷での特別なケースのみ実施)を含めると140ヶ国にものぼる。
    こうした単純な統計比較や死刑は残酷だとかの感情論、人が人を裁くのは間違っているなどのべき論に安易に流されるべきではありません。やはり、自分の頭で考え抜いて自分なりの決論を出すべきです。
    本書は、被害感情の問題、被殺者の数の問題、更生問題を論じ、死刑判断(被害者の復讐原理、犯罪者の悪性原理、社会の安全原理)にも触れています。
    そうした考察の上で、筆者の立場は死刑存置となっており、その背景には「死刑が廃止された社会では、自分が殺されるのは絶対嫌だが、自分が他人を殺すのは構わ

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    2023年10月16日
  • 死刑肯定論

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     死刑の賛否について、多角的な視野から真摯に検討されている。著者は元裁判官であるが、これほど真剣に死刑について考えている裁判官がどれくらいいるか。
     もっとも、著者は、結局のところ、死刑賛成の根拠にも穴のあることを認めつつ、死刑制度には生命尊重の規範確立という重大な機能があるとする。これは実に巧みで、死刑制度は凶悪事件の抑止になっていないという統計的事実とは無関係に、生命尊重の規範から死刑制度の正当化を図れる。しかし、死刑は国家が市民を結局のところ殺すのであるから、この世には生命を尊重されない者もいる、という生命尊重の規範への逆効果にもなるはずである。
     著者は持論である裁判所の権力志向への懐

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    2021年08月20日
  • 名作裁判 あの犯人をどう裁く?

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    罪と罰のような古典やゴッドファーザーのような名作映画、さらには容疑者Xの献身といった比較的新しい小説で起こった犯罪を現代の法律で裁くといった切り口で法律を学べる本。
    一つの作品ごとに「殺人の定義」や「警官殺しは罪が重いか」などテーマを絞って簡潔に解説されておりわかりやすい。
    ただし、作品によっては核心部分のネタバレが含まれているので、ネタバレなしで読みたい作品がある場合は飛ばして読んだほうがいいかもしれない。

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    2021年06月05日
  • なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか 変わりゆく死刑基準と国民感情

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    ■永山基準
    ①犯行の罪質
    ②動機
    ③態様,ことに殺害の執拗性・残虐性
    ④結果の重大性,ことに殺害された被害者の数
    ⑤遺族の被害感情
    ⑥社会的影響
    ⑦犯人の年齢
    ⑧前科
    ⑨犯行後の情状
    ■死刑の基準の裏にある二つの基本的観点。
    ①「(殺人の)抜きがたい犯罪傾向」の有無
    ・なぜ前科の存在が死刑に結び付くかと言えば二度目であることで「抜きがたい犯罪傾向」ありと見極められるため
    ・二人殺害でも機会の同一性を満たす「同時型」であれば「抜きがたい犯罪傾向」が認められないということがある
    ・機会の同一性を満たさない「連続型」(巷間言われるところの連続殺人)の場合「抜きがたい犯罪傾向」と直結
    ・想定されている

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    2018年07月28日
  • 量刑相場 法の番人たちの暗黙ルール

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    解説が丁寧でわかりやすい。
    まあ現状を見るに、理不尽な量刑はいくつかあるなあ。泥酔してたから心神耗弱とか、普通の感覚じゃありえんし。

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    2018年06月17日
  • 虚構の法治国家

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    「引き返さない」検察と、検察に「もたれこむ」(もたれかかるよりももっとひどい)裁判所の構図を実際の事件を通して赤裸々に暴く。
    裁判中の美濃加茂市長事件も、市長の無罪が確定している。
    (贈賄側は有罪)

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    2015年03月15日
  • 死刑肯定論

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    まずもって従来の宗教、道徳、哲学、法学上の議論を丁寧にまとめてあり、その知識と洞察力の深さが並大抵ではないことがわかる。
    それを踏まえた上で、実際の事件も紹介しながらの死刑廃止論、存置論を展開してゆく。
    一般的死刑廃止論や存置論のレベルにとどまらない、深い思考過程は死刑についての検証をもう一歩も二歩も堀り下げてくれる。

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    2015年03月04日
  • なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか 変わりゆく死刑基準と国民感情

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    日本と世界の死刑観というよりは、日本の死刑の歴史。(実例から傾向を読み取る)

    死刑よりは、終身刑(日本には終身刑ないことを知らんやった。事実上の終身刑はあるらしいけど。)のほうがいいんじゃないのかっていうのが著者の主張。概ね賛成。
    最近は、殺した人数とか計画的かどうかよりも、被害者家族の心情のほうにフォーカスし始めてるらしい…

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    2014年03月05日
  • 司法殺人 元裁判官が問う歪んだ死刑判決

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    罪を犯した/全く覚えがない、いずれの場合も容疑者として逮捕されてから先は絶望的であると感じた。
    とにかく嫌疑を晴らすのは難しい。自白の強要や捏造を平気で行う警察や検察、裁く立場にある裁判官の生活感覚の欠如、被告席に立つ人間を見ずに事件だけを淡々と見ているにすぎない法廷の人々のなんとうすら寒いことか。ほんのひとつの事柄だけで死刑と無期の分かれ道になることなど、想像もできない。
    そして今もなお冤罪にもかかわらず死刑囚として収監されている人々がいる事実。
    職業裁判官ですらほとんど思考が停止している現状から考えると、裁判員制度は本当に大丈夫なんだろうか?と思わざるを得ない。

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    2012年10月26日
  • 量刑相場 法の番人たちの暗黙ルール

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    司法の考え方がちょっとわかった気がする。
    おおがたのことは実務経験で知っていたが、刑期の細かい考え方とか、最近の傾向とかは今後、役に立ちそう。とくに死刑についての考え方が司法っぽい感じがして興味深かった。

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    2012年02月14日
  • なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか 変わりゆく死刑基準と国民感情

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    延々と述べられている、戦後から最近に至る、死刑の対象となった犯罪の要旨が淡々としているだけにコワい。こんな事で死刑に?ということも、たまにあるのがまた怖い。案外基準はあいまい。自分が裁判員になったらこの本のことを真っ先に思い出すだろう。

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    2012年03月21日