宮子あずさのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ベテランの看護師が人間の真の姿を見つめたエッセイ集。『看護婦が見つめた人間が死ぬということ』の続編です。病を持った人間が自分と向き合うこと、そして看護師の仕事はいかに過酷なのかという事がわかりました。
まだ僕は幸いにして、自分の人生の中で大病を患って、病院にて彼ら彼女らのお世話になったことはまだないんですが、まぁ、いつかその日が来るのだろうなとそんなとりとめのないことを考えながらこの本を読んでいました。この中には病気になった人間が向き合う苦悩や、それを支える、もしくはまったく患者と向き合うことを放棄してしまった家族のことや、人間がもともと持っていた暴力性などが噴出する様子が。非常に生々しかっ -
Posted by ブクログ
【本の内容】
死を考えることは、生きることを学ぶこと。
ひとつとして同じではない人の死。
それを看取ることで学べた生きることの意味、愛することの尊さ──。
それは死にゆく人々から、生きる人たちへの贈りもの。
内科病棟で働く看護婦が出会った様々な死。
その死を通して、私たちに生きることの意味を問いかける問題作。
[ 目次 ]
[ POP ]
人は誰だって死ぬ。
そうとわかってはいても、いざ自分が死ぬとなるとどうか。
ちゃんと向き合えるだろうか?
刊行当時30歳、内科病棟で働く経験7年目の看護婦だった著者は、何人もの患者の死を見つめてきた。
親のみとりのために家族の関係がこ -
Posted by ブクログ
看護師歴26年の著者が、これから看護師をめざす人におくる1冊。
やっぱり、特別な職業なのだと思う。「看護師っぽい人生を必ず身につける」ことになるのだそうだ。
医療現場にも経済原則の導入が叫ばれるが、看護の場面ではそうはならない。医療費によって、治療方法や使用する薬は変わるけれど、看護は変わらない。
勘違いしているのは患者の方で、隣のベッドに蘇生の必要がある患者がいても、自分の足を揉むことを優先するよう主張する。この傾向は個室を利用する人に多いらしい。個室料金で看護の優先権もあると思うのですね。
飛行機ならビジネスクラスから搭乗案内があるけど、病院では違うということに思いが及ばないわけだ。
う -
Posted by ブクログ
現役の看護師がその臨床体験から見た「人間が死ぬ」というのは一体どういうことであるかを実に生々しく記されております。病院というところは人間の四苦―生・老・病、そして死が交錯するところなんだと思いました。
僕の妹が今年の春からとある病院で看護師として働いてるんでそれが縁なのかどうかはわかりませんが、偶然書棚にあったこの本を手にとって読んでいました。『生きる』・『病む』・『老いる』そして、『死ぬ』これは仏教における人間の『四苦』に当たるのですが、僕が以前とある友人に
「病院って言うのは仏教で言う『四苦』がモロに出てくるところだねぇ」
というと、彼もまた
「そうだねぇ」
と妙に納得していたことをこの -
Posted by ブクログ
看護学校で、ターミナルについて考えてみる授業で手に取った本です。
人間がなくなるって、なんて重いことなんだろう
なんて悲しいことなんだろう
なんで生きてるものはみんななくなってしまうの?
なんて、当たり前のことを何度も何度も反芻してしまいました。
死はだれにでも平等に訪れるもの
ならば生きている時間を精一杯過ごそう
なんてことはわかっているんだけど
そう簡単にいかないのも
すべてが一筋縄にいかないのが
きっと、生きるってことなのかなあ
私はどうやって生を終えたいのかな
なんてことも考えるきっかけになりました。
これから、ずっとずっと考え続けて生きていくんだと思います。