港町横浜を舞台に、戦前戦後を逞しく生きた異母姉妹の話。
お嬢様育ちの慧子と妾の子蒼はまるで違うタイプですが、2人の持つ芯の強さは、やはり姉妹だからなのか、その時代の女性だからなのか、感じ入るものがありました。
蒼の母鞠、慧子の家の家政婦タツと、魅力的な女性がたくさん出てくる話。
戦時下の状況も、
...続きを読む悲惨な様子は描かれてはいるものの、どこか夢のような異世界の様子が感じられるのは、作者の筆力のせいでしょうか。
晩年の慧子の章から、2人がその後も逞しく輝いて生きたということ、そして、曽孫の美帆へとその生き様が受け継がれていくような気配に、嬉しい気持ちになりました。
良い本に出会えました。