【感想・ネタバレ】祝福のレビュー

あらすじ

少女のころ、私たちは赤い糸にあこがれていた。生まれながらに、目には見えない赤い糸で結ばれたひとにいつか出会い、恋をして、幸せに暮らし、死ぬまで離れることはない。大人になって、いくつかの恋を経験して、赤い糸はないって気づいたけれど、でも、銀の糸はあるのかもしれない。人生の大きな流れの中で、自分で選んだ相手と意志的に結ぶ、それが銀の糸――。だれかとつながりたい気持ちをすくいとる、珠玉の恋愛小説集。表題作ほか「しゃぼん」「セカンドハウス」「銀の糸」「遊園地」「メトロノーム」を収録。

※本書は文庫版『銀の糸』を改題し、単行本刊行時のタイトル『祝福』とした作品です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

久しぶりに野中さんの恋愛小説が読みたくなり、一気に読みました。


6つの恋愛小説はどれも素敵なものばかり。


あたたかくてやわらかなものもあれば、生々しくて官能的なものまで、幅が広い作家さんだなと思います。

その中でも気に入ったのは一作目の「しゃぼん」


物語の冒頭部は、主人公の麻里子の遠い日の記憶。


十三歳年上の貴義さんとの別れ。
彼が別れの際に麻里子に残した予言
「僕たちはまた出会うよ、きっと。」

その後麻里子は年を重ね、結婚、出産、離婚と様々な経験をし、物語の最終部で娘と出かけた先で偶然貴義さんと再会する。


麻里子の恋愛に対するスタンスが自分と似ているところがあり、最初から引き込まれました。

記憶はいつも匂いによって蘇る。

貴義さんとの思い出の中にあるしゃぼんの匂い。


匂いで誰かを思い出して胸が疼くことありますよね。

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2013年06月16日

Posted by ブクログ

バリバリ恋愛体質の人の書いた小説は苦手なのに、柊さんのは大丈夫・・・というか、とても心地よく、自分まで少し恋愛モードに流されてしまう。

この世にあるのは、運命の『赤い糸』じゃなくて、意志によってつなぐ『銀の糸』。・・・そうだなぁ、と納得した。私も柊さんのように、しっかり浮かされるんだけど意志的な恋愛のできる女性になりたい。

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2011年02月05日

Posted by ブクログ

とても美しい恋愛小説に出会ってしまいました。

ハッと目が覚めるような言葉。
静かに染み渡る言葉。
トゲのように刺さる言葉。
様々な言葉が溢れていて、胸の中が美しさで一杯になった気分でした。

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2023年12月09日

Posted by ブクログ

2021年16作品目。

友だちになれそうもない主人公(失礼)が登場する6つの短編集。
有隣堂限定復刊。

解説の白河桃子さんによると、惚れっぽい人は恋愛体温を維持していて、微熱を帯びているとのこと。

あー……
もうそういう年齢ではないオバネエさんとしては、読むのが若干つらい短編集でした。

でも、食のシーンはおいしそうで、フレーズ登録いたしました(^^)

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2021年03月28日

Posted by ブクログ

装丁がキレイで、新刊コーナーで購入しました。

6編の短編集。
久々に恋愛小説を読みました。

「“危ないよ”と止められようと、
 勝手に愛し、勝手に求め、勝手に離れていく。」

「だれかを愛するときの自分勝手なやり方を、
 私は簡単に改められそうもない――勝手であることの
 なにがいけないの?それが情熱というものじゃない?
 と言い訳をしながら。」

恋愛をすると、
ものすごく余裕がなくなったり
醜く感じたり
残酷になったり。

ひとつひとつのお話は短くできているので、
バックグラウンドはばっさりカットされています。
なので、
入りきれないかもしれないけど
必要なところだけを大切に描いてくれています。

「ほんとうは密室で
 好きなひとをしゃにむに力で屈服させたいのに、
 屈服させられることが相手をつなぎとめる方策になってしまう。」

「好き、と彼女が発音したときの、
 歯のあいだから息が洩れるような感じが耳にくすぐったかった。
 ずっと話していたい、と思った。」

恋をするときって、
相手を見つめる目や
聞える息づかいや
手のかたち、
しぐさや
見にまとった雰囲気、
さわり心地や
肌のこすれる感触、
首元に顔を近づけたときの匂い、

とにかく全ての感覚をフルで使う。

だけど、どこかに熱を帯びた状態で。
あとがきのように微熱があるからこそ、
感覚が鈍っていたり、逆に敏感になったり。


「だれかをがむしゃらに好きになって、
 その結果、傷ついたなら、
 それは名誉の負傷ってもんじゃないかなあ?」

野中さんの本、読みたいと思っていたので読めてよかった!

傷ついても傷ついても、悲しくても、
優しい気持ちになって、
熱を帯びていく。

私も微熱になりたい。

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2012年08月16日

Posted by ブクログ

この人の文章はするする読めて気持ちがいいなぁ。
ふわふわした恋愛短編小説です。
食事をしてるシーンが好き。おいしそう。

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2011年05月28日

Posted by ブクログ

恋愛小説の短編集。
びっくりする程、読みやすかった。文に馴染み易く感じた。
甘さ、ほろ苦さ、酸味など程よく感じられた。

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2011年02月12日

Posted by ブクログ

『甘い記憶』を読んで気になったのがこの人。

なんだかいい気分な短編集。
でも全然記憶に残りませんでした。

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2013年03月17日

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