あらすじ
夫に恋人がいることを知って傷つきながらも、あきらめの気持ちで日々を送る美和。彼女と共に、天然石のアクセサリー・ブランドを立ち上げた幼馴染の絵梨。絵梨のかつての恋人で、さまようようにして生きる少年ミチル。絵梨の策略で、美和とミチルは週に1度だけベッドを共にするようになる。慈愛と静寂に満ちあふれた三角関係のなかで、互いに求め合うことで生まれたあたたかな哀しみ。パワーストーンの光に包まれた恋愛小説。
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Posted by ブクログ
愛って色々なものから出来ているから、お互いが同じ愛を分け合うのは難しいのだろう。
一緒にいられないとわかっていても慈しみあう心は痛いほど感じている。
慰めあうことでしかお互いを求められなくても、
慰めしか求めていないとしても、
一緒にいることが出来る時間はとても大事なんだろうな。
一緒にいられなくなることがわかってても。
それも愛って呼べるんだろうな。
きみの歌が聞きたい、なんとなくそう思うのは
美しいことだと思う。
Posted by ブクログ
女の、というか人間のどうしようもない本質のところを見せつけられている感じ。すごく共感できるけど後ろめたい感じをパワーストーンのカラフルさと読みやすい文章の流れが中和してくれていると思う。
そして何度読んでもミチルを武瑠をイメージして読んでしまう。私の勝手なイメージだけど。ミチル、欲しいなぁ。
Posted by ブクログ
なんとなく地に足が着かない愛のお話というか。
ふわふわしているというか。
そんな感じで進んでいくストーリーだった。
押し付けがましくない、深すぎず浅すぎず
相手を思いやる愛情を感じる主人公3人。
それぞれの目線から書かれている。
さらっと読めちゃう。
でもなんか余韻が残る。
美しい恋愛ストーリー。
Posted by ブクログ
【経緯】
二年前くらいに積本にしてて満を持して!
【書き出し】
開け放した窓から、微かな風が吹いてくる。朝の十時。この部屋には初夏の光が溢れている。
【感想】
野中柊と江國香織は同じ匂いがするように感じている。
殊に三角関係を描いているときに強くそう思うのだけど、何故なんだろう。
それは、三つの辺でうまく支え合っているバランスのいい形に見えるのだけど、いつかその辺のひとつひとつが変化して、崩壊してしまうことを予感させる危うさにあるのかもしれない。
【共感】
・安定の世界に住む美和に地震をおこさせようとする絵梨とミチルの稚拙さ。そして美和に見放されることを恐れていること。
・男が女を抱くときの残忍と好奇の気持ち。そして優しさの波に流されること。
Posted by ブクログ
受験前に読んで妙につぼにはまった作品。
江國さんや、よしもとさんをいつも読んでいる人にはおすすめできる。
多分恋愛の書き方が私と波長があったんだな。
Posted by ブクログ
幼なじみ同士の女性二人と少年ひとりの三角関係。夫に他の女性の影があることを知りながら、自分は週に一度少年との逢瀬を繰り返す、と書くとドロドロしていますが、微妙な距離感が透明感を出していて、恋愛というより心を癒す同士的なものを感じました。最後の展開は予想していなかった。ただ、妊娠していることを知りながらアルコールはいかんでしょ、と思ってしまったりもする。余計なお世話ですが。