野中柊のレビュー一覧

  • 猫をおくる

    Posted by ブクログ

    思っていたのと違っていて肩透かしの印象。
    1話目のようなお話が続く連作短編かと思っていたのだけど、タイトルのような猫をおくる話は1話目のみ。
    この話はすごく好きで、泣きそうになりながら読んでいて、その分その先への期待が高くなりすぎたかな。
    あとは、その猫の葬儀屋を営むお寺の人たちの人生のお話だった。
    ちょっと軽い哲学っぽい雰囲気。
    でも、色々中途半端な印象でよくわからなかった。
    猫がたくさん出てきたのはよかったけど。

    0
    2021年11月13日
  • 参加型猫

    Posted by ブクログ

    新しい住まいに引っ越しをする、勘吉と沙可奈と、彼らが飼っている9歳のネコのチビコの物語です。

    勘吉と沙可奈の、かわいらしい会話を中心にストーリーは進んでいきます。そんな二人と生活を共にするチビコは、「沙可奈がベッドに横になれば隣で眠り、カウチに腰かけてTVを観ていれば、その傍らにうずくまって画面を見つめ、食事を始めれば食卓の上にちょこんと坐り」という、かなり積極的な「参加型猫」です。けれども、チビコがほんとうのところいったいなにを考えているのか、二人にもわかりません。そんなチビコを見ながら沙可奈は、「猫のちっぽけな脳味噌は宇宙に通じているからね」と語ります。

    勘吉と沙可奈の二人の関係も、捨

    0
    2020年07月06日
  • 猫をおくる

    Posted by ブクログ

    猫専門の葬儀社と霊園を営む通称〈猫寺〉の木蓮寺。
    猫の骨を丁寧に火葬する藤井、住職の真道、客だった縁で事務スタッフになった瑞季。
    猫寺には今日もたくさんの名前のない猫たちと、少しの人々がやってくる。

    てっきり、亡くなった猫にまつわるエピソードが描かれるのかと思っていたら、全然違う話だった。
    三人とも身内を亡くしているという共通点と共に、不思議ちゃん? 夢? 妄想? という話が綴られる。
    そんな中で、瑞季の彼氏の瀬戸は妙に人間くさい。そして両親の離婚により妹と離れることになった少年も。

    『猫は誰の世話になろうが、誰のものにもなりません』

    これが猫を表現する全てだろう。

    猫のしっぽの骨にこ

    0
    2020年04月11日
  • 猫をおくる

    Posted by ブクログ

    最近いろんな事に忙しく、夜読み始めるとコックリといつのまにか寝てしまう。
    そんな繰り返しで読むのに時間がかかってしまった。
    でも内容的に優しい時間が漂う内容だったので、私の気持ちもいつも穏やかなゆっくりとした時間が流れていたのかも。

    猫専門の霊園。そこを営んでる猫寺木蓮寺。
    住職真道や猫の亡骸を優しく扱ってくれる元教師の藤井。そして愛猫を看取ったばかりの瑞季。
    彼らはそれぞれ心の奥底に孤独を抱えている。そういった人は他人に優しいのかもしれない。猫にも。

    0
    2020年03月23日
  • 波止場にて

    Posted by ブクログ

    正反対の異母姉妹。
    互いに反発しながらも、次第に二人は親友のような同志のような姉妹関係を築いていく。

    昭和の横浜の街並みが感じられ、作中に出てくる洋服たちも素敵。でも何より苺やトランプ柄の大正モダンな着物と、それを着こなす鞠が粋で格好良い。
    次から次へと新しい事を始める蒼の行動力にも驚かされた。

    戦争に翻弄された恋と人生。それでも活き活きと毎日を生きた少女達の姿に力を貰える。

    0
    2015年11月08日
  • あなたのそばで

    Posted by ブクログ

    短編が集まってるんだけど、ひとつひとつの物語が糸みたいに繋がってる感じ。お話にちょっと登場した男の子が、次のお話の主人公、みたいな感じで。
    まんなからへんのお話がよかった。イノセンスとか。

    なんか、ところどころでそうだなぁ、って思うような普遍的な言葉が散りばめられてる。
    それを言うために、その他の部分は語られているのかなぁと思った。
    普遍的な言葉自体はとても丁寧に書かれていて、あぁそうだよなぁって思うことが多かったのだけれど、その他の部分がちょっと雑な感じがした。

    0
    2014年08月21日
  • あなたのそばで

    Posted by ブクログ

    少しせつない恋物語6編。連作短編集と書いてあったけれどつながりがあるのは最初の2編だけか。
    久しぶりにドストレートな恋愛小説を読んだ感。
    どれも今は亡きティーンズハートにありそうな話だった。
    「だから何」って思ってしまうのは恋心だけを描いた話では物足りなくなってしまったからかもしれない。


    『オニオングラタンスープ』
    16歳で自分の父親よりひとつ年上の三十男と結婚した主人公。
    周囲の陰口も気にせず幸せな新婚生活を送っていた。
    初めての結婚記念日に、両親と夫と食卓を囲んだとき、自分だけが子供で仲間はずれにされた感に襲われる。

    『光』
    オニオングラタンスープの主人公の担任である女教師と、生徒会

    0
    2014年05月12日
  • 参加型猫

    Posted by ブクログ

    なんでこんな終わりかたをするのでしょう?
    二人の日常が淡々と綴られ、私好みで面白く読んでいたのに、胸がざわざわするような落ち着かない気持ちで終わってしまいました。もっと良い感じに終わらせようと思えばできるよね?刹那的な二人の生き方をあらわしてあるのでしょうか?

    0
    2013年07月03日
  • 祝福

    Posted by ブクログ

    『甘い記憶』を読んで気になったのがこの人。

    なんだかいい気分な短編集。
    でも全然記憶に残りませんでした。

    0
    2013年03月17日
  • きみの歌が聞きたい

    Posted by ブクログ

    【経緯】
    二年前くらいに積本にしてて満を持して!

    【書き出し】
    開け放した窓から、微かな風が吹いてくる。朝の十時。この部屋には初夏の光が溢れている。

    【感想】
    野中柊と江國香織は同じ匂いがするように感じている。
    殊に三角関係を描いているときに強くそう思うのだけど、何故なんだろう。
    それは、三つの辺でうまく支え合っているバランスのいい形に見えるのだけど、いつかその辺のひとつひとつが変化して、崩壊してしまうことを予感させる危うさにあるのかもしれない。

    【共感】
    ・安定の世界に住む美和に地震をおこさせようとする絵梨とミチルの稚拙さ。そして美和に見放されることを恐れていること。

    ・男が女を抱く

    0
    2013年03月17日
  • あなたのそばで

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    野中柊さんは恋人との食べ物の描写がピカイチな作家さん。
    悲恋よりもいちゃらぶの話が好みです。
    今回は登場人物が次回予告みたいなかんじでちらっと出てきて次の話へつながる構成で、少女マンガを読んでるみたいでした。

    ●オニオングラタンスープ
    菜名(高校生)と春生さん(菜名の父より2個上)の結婚記念日1年目。
    じぶんよりも、料理上手でチャーミングな母と春生さんのほうがお似合いに見えてしょんぼり。
    【共感】
    ・バージンロードで父とどこまでも歩いていきたい気持ち
    ・焼きたてのパンの香りを日当たりのいいベランダで吸い込む幸福感

    ●光
    生徒会長の松本一樹くんと恋に素直な美人教師の雪絵先生の、今。
    未来も共

    0
    2012年12月22日
  • きみの歌が聞きたい

    Posted by ブクログ

    受験前に読んで妙につぼにはまった作品。
    江國さんや、よしもとさんをいつも読んでいる人にはおすすめできる。
    多分恋愛の書き方が私と波長があったんだな。

    0
    2012年09月17日
  • きみの歌が聞きたい

    Posted by ブクログ

    幼なじみ同士の女性二人と少年ひとりの三角関係。夫に他の女性の影があることを知りながら、自分は週に一度少年との逢瀬を繰り返す、と書くとドロドロしていますが、微妙な距離感が透明感を出していて、恋愛というより心を癒す同士的なものを感じました。最後の展開は予想していなかった。ただ、妊娠していることを知りながらアルコールはいかんでしょ、と思ってしまったりもする。余計なお世話ですが。

    0
    2011年11月23日
  • 参加型猫

    Posted by ブクログ

    イラストとタイトルが気に入って購入。

    カレーにはティースプーン一杯のインスタントコーヒーを入れること。

    0
    2011年08月16日
  • 草原の輝き

    Posted by ブクログ

    主人公は、小学校の教師をしている夫と、平穏で幸せな暮らしを営んでいます。けれど主人公には、忘れられない辛い過去がありました。その記憶は重荷となり、常に主人公を苦しめ続けているのですが、正面から向き合うことを彼女はずっと避けてきたのです。ある日、夫の教え子である12歳の少女が彼女のもとを訪ねてきます。少女はとても美しく、妙に大人びた雰囲気を持っていました。年齢の差を越え、少女と対等に心を通わせるうち、やがて主人公は、胸に秘めたわだかまりと、知らず知らず向き合うようになっていきます。
    死は悲しい。けれど生きることは、尚更に辛くて悲しいものです。人生は自ら選び取れるものではありません。それぞれが置か

    0
    2010年09月23日
  • きみの歌が聞きたい

    Posted by ブクログ

    不倫をベースにした小説は作品の質以上に、読み手の人生観や恋愛感をフィルターにして吸収されていく。

    何にでも好き嫌いはあるものだが...

    0
    2010年05月30日
  • 参加型猫

    Posted by ブクログ

    可愛い猫のチビコは、家族と何でも一緒にしようとする参加型の猫。
    チビコと暮らす勘吉と沙可奈の若夫婦の一時期を描きます。
    沙可奈がひき逃げに遭い、半年のリハビリの後、仕事を辞めることに。
    しゃれた現代的なマンションから、エレベーターのない6階に引っ越す。

    引っ越し屋さんはヤンキー風で余り体格も良くなく、内心不安になる二人。
    片づけが終わらないうちに散歩に行きたがり、焼き肉を食べる前にお菓子を買いに行くと言い張る妻に、内心戸惑いながらも~言うとおりにする夫。

    1階が焼き肉屋という環境が、じつは肉好きな勘吉にはお気に入り。
    焼き肉屋のオヤジさんや、そこの韓国海苔巻きというメニューなど、ちょっとし

    0
    2012年09月02日
  • あなたのそばで

    Posted by ブクログ

    読んでいる私にやさしくなれと言っているような作品だった。連作短編集の本だったのでとても読みやすかった。

    0
    2010年01月29日
  • あなたのそばで

    Posted by ブクログ

    これと言って特筆すべきことがないのにも関わらず、読み進めていくほどに胸がチクチクと痛む。

    それほどに自然に読み手の心に入り込んでくる作品なのかもしれない。

    0
    2010年01月26日
  • あなたのそばで

    Posted by ブクログ

    恋愛にまつわる6つの連作短編集です。
    ひとはどうして恋するんでしょう?ドキドキしたり、キュンキュン胸が痛んだり、苦しかったり、せつなかったり、悲しかったり。。。。。でも、そのもどかしさがイイんでしょーネ。きっと♪

    0
    2009年10月04日