野中柊のレビュー一覧

  • 祝福

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    2021年16作品目。

    友だちになれそうもない主人公(失礼)が登場する6つの短編集。
    有隣堂限定復刊。

    解説の白河桃子さんによると、惚れっぽい人は恋愛体温を維持していて、微熱を帯びているとのこと。

    あー……
    もうそういう年齢ではないオバネエさんとしては、読むのが若干つらい短編集でした。

    でも、食のシーンはおいしそうで、フレーズ登録いたしました(^^)

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    2021年03月28日
  • 猫をおくる

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    これまで3匹の猫を送ってきました。田舎なので庭に埋めて。ムーンライトセレモニー、こんなに丁寧に送ってくれる人がいるならば、そこで送ってあげたかった。猫の隠す星を見てみたかった。猫を送りながら、猫と暮らす、しんみりと優しいお話。

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    2020年08月08日
  • 草原の輝き

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    小学生の時に母と弟が心中してしまい、トラウマを抱えたまま大人になったなつきが、夫、優や、夫の教え子佳奈子ちゃんと出会い、やはり闇を持つ佳奈子と共鳴し、草原という逃げ場であり再生の場にたどり着く。
    佳奈子ちゃんがありえないくらい大人で、すごくいい。痛みを知る人は多分、子供だろうと大人だろうと、人の痛みのわかる人。だからありえないくらいがありえる。
    優も名前のとおり優しい。頼りになるのは佳奈子ちゃんだけど、優には寛大さが備わってて、安心できる。
    ラスト父と会えてよかった。

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    2020年06月07日
  • 猫をおくる

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    実家で、いま飼っている猫、むかし飼っていた猫たちを思い出しながら読みました。
    猫専門のムーンライト・セレモニーで弔ってあげたかったなぁ。
    猫が隠し持っている星を見てみたいなぁ。
    などなど、しんみりしながら読みました。

    実家では、居ついたのら猫を飼っていました。その猫が歳をとり弱ってきた頃から、そっくりなのら猫が姿を見せるようになりました。そして、先代に頼まれたかのように、その猫が実家で暮らすようになりました。
    猫って本当に不思議なところがあるんです。
    わがままで勝手に暮らしているようで、飼い主さん達のことを大切に思ってるんでしょう。
    猫好きの戯れ言ですが…。

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    2020年05月15日
  • 猫をおくる

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    文章がしっとりしている
    ねこのお葬式専門のお寺の住職とその周りの人々と集まって来るねこ達の人間 猫模様。
    保護されたねこは ねこの方が何かを感じてその人を引き寄せる 人の何かを感じ取るねこたち またそれを愛おしく思う人たちの感情が丁寧に描かれている

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    2019年11月20日
  • 草原の輝き

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    すいかや日射しやソーダ等で彩られた夏が鮮烈で、三つ編みの葉で切った傷は自分の指と錯覚するくらいで、全編に散りばめられた描写が凄く生き生きとして素敵。夫の教え子で六年生の意識が草原に行ってしまう美少女問題児が訪ねて来ての交流も、弟を道連れに無理心中をした母親にひっそりと囚われているのも、際立っていた。

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    2018年10月10日
  • 波止場にて

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    戦前から戦後間もない横浜を舞台に,腹違いの姉妹 慧子と蒼がたくましく生きる物語だが,蒼は妾の子であるにもかかわらず前向きに力強い.二人は同じ学校に通うが,慧子の母の死後 後妻に来た多恵の雑言に蒼は母の鞠と自立し,横浜市電の車掌,運転手として働く.空襲に襲われる中,二人は何とか生き延びるが,密かに開いたダンスパーティで慧子は蒼に従兄弟の広也を紹介する.広也が出征する間際の逢瀬で身ごもった蒼.戦後になって洋服を手掛けて人気を博する二人だが,慧子は進駐軍の日系兵士の矢崎綸太郎と恋仲になるが,朝鮮戦争に出征する際に腕時計を託される.本文を読んだ後,冒頭の序章と最終章を読むと,二人の波乱に満ちた生涯が思

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    2016年04月24日
  • 波止場にて

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    慧子と蒼、正妻と妾の子の間柄ながらお互いを必要として、戦争を生き抜く。
    蒼の二度目の結婚と、慧子より先に亡くなった詳細が気になります。

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    2016年03月06日
  • あなたのそばで

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    中身はすごく良いのに、裏表紙の作品紹介が「あんまり面白くなさそう」っていう風に期待感をそいでしまう。「ひと言で説明するなら確かにそういう話だけど、なんだか違う!」って、読んでから裏表紙を見ていると本当に思う。
    食べ物がおいしそうでいいなあ。

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    2013年08月05日
  • 祝福

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    装丁がキレイで、新刊コーナーで購入しました。

    6編の短編集。
    久々に恋愛小説を読みました。

    「“危ないよ”と止められようと、
     勝手に愛し、勝手に求め、勝手に離れていく。」

    「だれかを愛するときの自分勝手なやり方を、
     私は簡単に改められそうもない――勝手であることの
     なにがいけないの?それが情熱というものじゃない?
     と言い訳をしながら。」

    恋愛をすると、
    ものすごく余裕がなくなったり
    醜く感じたり
    残酷になったり。

    ひとつひとつのお話は短くできているので、
    バックグラウンドはばっさりカットされています。
    なので、
    入りきれないかもしれないけど

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    2012年08月16日
  • きみの歌が聞きたい

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    女の、というか人間のどうしようもない本質のところを見せつけられている感じ。すごく共感できるけど後ろめたい感じをパワーストーンのカラフルさと読みやすい文章の流れが中和してくれていると思う。

    そして何度読んでもミチルを武瑠をイメージして読んでしまう。私の勝手なイメージだけど。ミチル、欲しいなぁ。

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    2012年01月13日
  • 祝福

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    この人の文章はするする読めて気持ちがいいなぁ。
    ふわふわした恋愛短編小説です。
    食事をしてるシーンが好き。おいしそう。

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    2011年05月28日
  • 祝福

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    恋愛小説の短編集。
    びっくりする程、読みやすかった。文に馴染み易く感じた。
    甘さ、ほろ苦さ、酸味など程よく感じられた。

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    2011年02月12日
  • きみの歌が聞きたい

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    目に見えない、それぞれの気持ち。

    近くても、離れても、想いは『本当』だと信じたい。
    たとえ、それが一瞬のものであっても。

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    2010年08月21日
  • きみの歌が聞きたい

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    なんとなく地に足が着かない愛のお話というか。
    ふわふわしているというか。
    そんな感じで進んでいくストーリーだった。
    押し付けがましくない、深すぎず浅すぎず
    相手を思いやる愛情を感じる主人公3人。
    それぞれの目線から書かれている。

    さらっと読めちゃう。
    でもなんか余韻が残る。
    美しい恋愛ストーリー。

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    2010年02月26日
  • あなたのそばで

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    1話目の年の差の恋がとってもいい感じ。
    野中柊初めて読んだのがこの作品。
    独特の世界観を持っていて、読んだ後ほっとする。
    登場人物が皆優しくて、世界が優しくなったような気がする。

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    2009年12月19日
  • 草原の輝き

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    なんとなくだけど、この草原に行くという感覚、わかる気がする。なつきのつらさがたまらなく読んでいてつらかった。草原の描写が好きです。

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    2009年10月04日
  • 参加型猫

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    猫であることをわきまえて行儀良く暮らす猫と、その猫が縁でであった二人のちょっと風変わりな恋愛小説って感じかな・・・・・? 野中柊のやさしい文章と、個性ある登場人物が微笑ましくて、いつの間にか引き込まれてる。やっぱり野中柊はいいなぁと感じた一冊でした。

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    2009年10月04日
  • 猫をおくる

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    猫を弔う人たちの物語。
    タイトルの「おくる」は、見送るの「送る」なんだな。読む前、何となく「贈る」かと思っていた。

    猫寺と呼ばれるお寺の住職、真道(こちらは人の法事も行う)。真道が開いた霊園で猫専門の火葬をする藤井。愛する猫をここで弔ってもらった瑞季。

    三人の視点で語られる、猫たちを中心とした世界。
    猫たちがたくさんいる風景が愛らしくて(愛想はないのだけど)、彼らのためにいろいろしてやる人間たちが微笑ましい。
    心痛むエピソードもあるけれど、あれもこれも猫が癒してくれる気もする。

    個人的には別に猫派ではないけど、猫いいなぁと思わず感じてしまう、猫だらけの本。

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    2024年10月21日
  • 波止場にて

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    戦前から戦後の横浜を舞台に、二人の腹違いの姉妹がお互いどのように接しながら生きていったのか、またそれぞれその時代をどのように過ごし生きたのかが描かれた物語だった。
    激動の時代を背景に描かれた、二人の腹違いの姉妹の距離、そして二人の人生が、とても興味深くて面白いストーリーだった!
    p389の、
    「自分の好きなこと、楽しいと思えることをやっちゃった方が、結局のところ、道は拓けていくものだって気がするわ。-予想もつかないかたちで、ね」
    ⇒無心にやりたいことをやっているほうが、ものごとはなるようになるのだ
    この部分が「きっとそうだ」というような気持ちになり、とても印象に残りました。

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    2023年05月11日