湯川秀樹のレビュー一覧

  • 科学者の創造性 雑誌『自然』より

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    科学の進歩が人間を幸福にするかどうか。という問いには、科学の進歩が人間を幸福するように、お互い努力しよう。という答えしかないのである。
    かなり専門的な内容に触れている部分もあり、難解であった。一方で、学生時代に学んだことを復習しようとする気にもなる。
    対談の部分も非常に興味深い。

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    2023年01月05日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    お父さんやお母さん、二人のお姉さんと1人のお兄さんと1人の弟さん。家庭環境や関わってくれた先生や友人など、大切に覚えていらっしゃって、がいこへ行かれたときも、ちゃあんと、会いたい方には会いに行かれて、(存命である限り)ちゃんと生きるってこういうことかなぁと素敵な人柄が存分に味わえました。ありがたい随筆でした。

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    2022年12月05日
  • 目に見えないもの

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    ・『学問することの喜びがこの頃はことさら身にしみて感ぜられる.くる日もくる日も研究生活を続けていけるということは,「喜び」などというにはもったいない,本当に有り難いことである.』:同じ気持ちを持っている点では,自分もアカデミア向きの人間なのだと思った.
    ・『大学に勤めているおかげで,若い純真な人たちと一緒に教えつつ教えられつつ研究していけることである.(中略)数多くの新しい弟を持ったような喜びを感ずる.』:企業で研究するか?大学で研究するか?この気持ちを持てるかどうかではないか.
    ・湯川先生が中間子論を発表したのは27歳の時で,同じ歳なのに,こうも差がついているのかと思うと自分の凡才を痛感する

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    2022年08月08日
  • 湯川秀樹 詩と科学

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    文の組み立てや論の進め方が整然としていて読みやすい。旅行の思い出や文学の話から科学技術と平和、国家や世界の在り方まで、物理学者と儒教思想の両方の考え方を感じた。

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    2022年07月30日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    日本人で初めて物理学でノーベル賞を受賞した、湯川秀樹氏自身による回顧録。40代の頃書いたようだ。
    少年の頃のことから、ネクラで引っ込み思案な中学時代、そして物理学と出会った高校時代、海外の物理学者の研究に刺激されて物理学にのめり込んでいく京都大学時代。
    湯川氏は大学を卒業するまで一貫して京都に居住していた。兄弟も多く、彼は7人きょうだいの5番目に生まれた。父親も兄たちも分野は違うがそれぞれ学者で、当然のように学問の道を志したようだ。そして物理学に出会ってから、いい教授たちに導かれ、次第に研究分野で第一人者になっていく。
    物理学以外のことに関してはとても謙虚で、今でいうオタク的な青年だったようだ

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    2022年06月10日
  • 湯川秀樹歌文集

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    歌文集とあるように、湯川秀樹の短歌(本人は、「和歌」と呼んでいた)とエッセイを収録した1冊。老子、荘子、源氏物語など古典への深い造詣や内省的な人柄が窺える。

    収録されている歌集『深山木』は京大退官記念の私家版で、文庫として手軽に読めるようになったのは、うれしい。外出先でのものが多いが、原爆投下を詠んだ一首が、物理学者・湯川の作品であるだけに、印象的であった。

    この星に人絶えはてし後の世の永夜清宵何の所為ぞや

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    2022年02月23日
  • 湯川秀樹 詩と科学

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    日本人初のノーベル賞受賞者、言葉にうっとりする。難しいところもあるけれど、すごく面白い。論理の進め方が、物理をはじめとする理系だからかなぁ。仏教や文学、短歌の話もあり、とにかくエレガントな印象がある。湯川秀樹さんのような会話が出来る友だちが欲しいなぁ。読み進めながら「そうそう」と愉しい時間を過ごした。

    わたしは、言葉がうまく紡げないときは、数式やおんがくなど、国語とは遠いものへ目を向ける。新聞だったり、絵画だったり、自然だったり。遠いようだけど、詩や短歌、文学に近付いている感じがする。湯川秀樹さん、ありがとう。もっともっと、読みたいなぁ。

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    2020年02月27日
  • 宇宙と人間 七つのなぞ

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     物理学の大先生の著書を1冊、やっと通読できた。ただただ面白く、早速再読開始。専門の宇宙論関連の部が、より理解しやすかった。古い言葉使いや、語尾の調子がまた実講義を受けているようで、またよい。

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    2017年05月25日
  • 目に見えないもの

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    二部構成。
    自伝的な部分と、研究者としての思いの詰まった部分と。
    中間子理論発見のまさにただなかに書かれたものであるだけに、新たなものを創造する時の息吹のようなものが感じられる好著だと感じた。

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    2016年08月14日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    理論物理学と哲学の近親性について言及されていたが、この本を読む限りこの人は哲学者としてのイメージの方がよほどしっくりくる。やはり一昔前の人は学問の垣根を越えて博学、というか教養を持っていたのだと痛感する。また数年後、もう一度読みたい本

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    2014年08月16日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    日本人で初めてノーベル賞を受賞した物理学者、湯川秀樹が50歳の時に書いた自伝。彼が受賞する理由となった中間子理論を作り上げるまでの人生が書かれている。

    勉強に捧げた人生。そしてそれを心から楽しんでいるように思えた。"おわりに" は何度読んでも震える

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    2013年12月02日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    湯川秀樹の、幼児期から中間子理論の考案に至るまでの回想記。実父の紹介なども織り交ぜつつ「私の履歴書」風に綴られていく。
    随筆家としても評価の高い湯川であるが、ここでは低廻の様子がおぼつかなげに、行きつ戻りつ描かれる。心の内面をためらいがちに記し、家族との記憶、研究の道に入ったばかりのときの身を削って打ち込む苦しさが述べられる。

    この静かな集中心、それを持てる湯川秀樹が眩しい。

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    2018年10月14日
  • 目に見えないもの

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    ネタバレ

    今週おすすめする一冊は、湯川秀樹著『目に見えないもの』です。
    理論物理学者であり、わが国初のノーベル賞受賞者である湯川博士
    の戦前・戦中の文章を集めた啓蒙書で、初版は昭和21年。ノーベル
    賞受賞の3年前に出版された博士の初めての著書でした。

    物理学の理論やものの見方を解説した文章を集めた第一部、自伝的
    的な文章をまとめた第二部、そして短めのエッセーと書評からなる
    第三部という構成です。いずれも一般向けの平易な文章なので、物
    理学の素養は全くいりません。

    湯川博士の専門は量子力学や素粒子物理学で、中間子という物質の
    存在を理論的に証明したことが評価されてノーベル賞を受賞してい
    ます。この中間

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    2012年02月27日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    ネタバレ

    日本人初のノーベル賞を取った湯川秀樹博士の随筆集。

    名作の誉れの高い作品で、私は40年ほど前に中学生の頃学校で紹介されて知ってはいたものの、読む機会はありませんでした。

    昨年、角川ソフィア文庫から改訂版が発行され書店に平積みになっているのを偶然見つけて買って読んで見ました。

    とても読みやすく親しみやすい文章の中に、美しく整った格調の高さを感じる表現があります。

    また古き良き日本の時代の様子が、湯川博士の生活や日々の思いや、また博士に関わりのあった家族、友人、恩師との思い出を通して、たいへんよく伝わってきます。

    読み進めながら、自分自身の幼少の頃や少年時代の思い出がどんどん引き出されて

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    2012年03月14日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    日本人で初めてノーベル賞を受賞された湯川秀樹氏の青年期までの自伝。

    学生時代の話が中心となっており、著者がどんなことを考え、どんなことをしていたかについて、家族や恩師、友人の話も交えながら述べられています。

    高校の頃に読みたかったなぁと思いつつ、大学生の今読んでもとても刺激になりました。

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    2011年11月21日
  • 目に見えないもの

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    こっちからも引用して記事を書きたかったのだけど、
    結局、寅ちゃんからだけになってしまいました。
    湯川教授、ごめんなさい。専門的すぎてね。

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    2009年10月04日
  • 目に見えないもの

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    ノーベル物理学者 湯川秀樹さんが30代〜40代に記された諸篇本。深く豊かなお人柄が文面に滲み出ている内容は物理の内容を文学として(エッセイのように)読めるすばらしい本である。

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    2009年10月04日
  • 目に見えないもの

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    まったく奢りが無く、まさに巨人の肩に立っただけという姿勢。若い頃に読んでいなかった事を今更悔いる。2007/10/20

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    2009年10月04日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    時代感の違いと、学問への取り組み姿勢の違いなど、興味深く読み、何も成し遂げていない悲哀から寂しくもなった。

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    2025年11月25日
  • 湯川秀樹 詩と科学

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    藤本壮介展で出会った本。

    1907-1981年の時代を感じるものも一部はあるが、環境問題であるとか、今でも問題となっている事を既に語っているのは興味深い。
    さすがノーベル賞を取った方だけあり、語り口が理路整然としている。

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    2025年11月23日