湯川秀樹のレビュー一覧

  • 科学者の創造性 雑誌『自然』より

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    科学の進歩が人間を幸福にするかどうか。という問いには、科学の進歩が人間を幸福するように、お互い努力しよう。という答えしかないのである。
    かなり専門的な内容に触れている部分もあり、難解であった。一方で、学生時代に学んだことを復習しようとする気にもなる。
    対談の部分も非常に興味深い。

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    2023年01月05日
  • 目に見えないもの

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    ・『学問することの喜びがこの頃はことさら身にしみて感ぜられる.くる日もくる日も研究生活を続けていけるということは,「喜び」などというにはもったいない,本当に有り難いことである.』:同じ気持ちを持っている点では,自分もアカデミア向きの人間なのだと思った.
    ・『大学に勤めているおかげで,若い純真な人たちと一緒に教えつつ教えられつつ研究していけることである.(中略)数多くの新しい弟を持ったような喜びを感ずる.』:企業で研究するか?大学で研究するか?この気持ちを持てるかどうかではないか.
    ・湯川先生が中間子論を発表したのは27歳の時で,同じ歳なのに,こうも差がついているのかと思うと自分の凡才を痛感する

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    2022年08月08日
  • 湯川秀樹 詩と科学

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    文の組み立てや論の進め方が整然としていて読みやすい。旅行の思い出や文学の話から科学技術と平和、国家や世界の在り方まで、物理学者と儒教思想の両方の考え方を感じた。

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    2022年07月30日
  • 湯川秀樹歌文集

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    歌文集とあるように、湯川秀樹の短歌(本人は、「和歌」と呼んでいた)とエッセイを収録した1冊。老子、荘子、源氏物語など古典への深い造詣や内省的な人柄が窺える。

    収録されている歌集『深山木』は京大退官記念の私家版で、文庫として手軽に読めるようになったのは、うれしい。外出先でのものが多いが、原爆投下を詠んだ一首が、物理学者・湯川の作品であるだけに、印象的であった。

    この星に人絶えはてし後の世の永夜清宵何の所為ぞや

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    2022年02月23日
  • 湯川秀樹 詩と科学

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    日本人初のノーベル賞受賞者、言葉にうっとりする。難しいところもあるけれど、すごく面白い。論理の進め方が、物理をはじめとする理系だからかなぁ。仏教や文学、短歌の話もあり、とにかくエレガントな印象がある。湯川秀樹さんのような会話が出来る友だちが欲しいなぁ。読み進めながら「そうそう」と愉しい時間を過ごした。

    わたしは、言葉がうまく紡げないときは、数式やおんがくなど、国語とは遠いものへ目を向ける。新聞だったり、絵画だったり、自然だったり。遠いようだけど、詩や短歌、文学に近付いている感じがする。湯川秀樹さん、ありがとう。もっともっと、読みたいなぁ。

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    2020年02月27日
  • 宇宙と人間 七つのなぞ

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     物理学の大先生の著書を1冊、やっと通読できた。ただただ面白く、早速再読開始。専門の宇宙論関連の部が、より理解しやすかった。古い言葉使いや、語尾の調子がまた実講義を受けているようで、またよい。

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    2017年05月25日
  • 目に見えないもの

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    二部構成。
    自伝的な部分と、研究者としての思いの詰まった部分と。
    中間子理論発見のまさにただなかに書かれたものであるだけに、新たなものを創造する時の息吹のようなものが感じられる好著だと感じた。

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    2016年08月14日
  • 目に見えないもの

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    ネタバレ

    今週おすすめする一冊は、湯川秀樹著『目に見えないもの』です。
    理論物理学者であり、わが国初のノーベル賞受賞者である湯川博士
    の戦前・戦中の文章を集めた啓蒙書で、初版は昭和21年。ノーベル
    賞受賞の3年前に出版された博士の初めての著書でした。

    物理学の理論やものの見方を解説した文章を集めた第一部、自伝的
    的な文章をまとめた第二部、そして短めのエッセーと書評からなる
    第三部という構成です。いずれも一般向けの平易な文章なので、物
    理学の素養は全くいりません。

    湯川博士の専門は量子力学や素粒子物理学で、中間子という物質の
    存在を理論的に証明したことが評価されてノーベル賞を受賞してい
    ます。この中間

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    2012年02月27日
  • 目に見えないもの

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    こっちからも引用して記事を書きたかったのだけど、
    結局、寅ちゃんからだけになってしまいました。
    湯川教授、ごめんなさい。専門的すぎてね。

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    2009年10月04日
  • 目に見えないもの

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    ノーベル物理学者 湯川秀樹さんが30代〜40代に記された諸篇本。深く豊かなお人柄が文面に滲み出ている内容は物理の内容を文学として(エッセイのように)読めるすばらしい本である。

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    2009年10月04日
  • 目に見えないもの

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    まったく奢りが無く、まさに巨人の肩に立っただけという姿勢。若い頃に読んでいなかった事を今更悔いる。2007/10/20

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    2009年10月04日
  • 湯川秀樹 詩と科学

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    藤本壮介展で出会った本。

    1907-1981年の時代を感じるものも一部はあるが、環境問題であるとか、今でも問題となっている事を既に語っているのは興味深い。
    さすがノーベル賞を取った方だけあり、語り口が理路整然としている。

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    2025年11月23日
  • 創造的人間

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    理系特に数学寄りの物理学者の方が
    考えているようなことは個人的に
    すごくストンと腹落ちできる
    自分もこういうタイプなんだろうな
    と思いながら読んでました

    文明、技術の恐ろしさやAIを連想
    させるような人と機械の役割について
    の意見など今見ても参考になります

    高い感受性や直観などの抽象的な
    ものを重視しつつも、論理的に
    一般化することが必要だが、
    それだけでなくそこから新しい発見
    や価値観の創出が必要
    →野中教授のSECIモデルと一緒だな
     と思いました

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    2025年07月12日
  • 目に見えないもの

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    理論物理学という学問をこころざし、その世界に魅せられて大きな業績を残しつつあった一人の若き科学者が、心を込めて書いた後進へのメッセージ。
    初版が出たのが昭和21年。ひとつひとつのエッセイの終わりに(◯年◯月)とあり、それが昭和10年代の順不同であるところをみると、雑誌や学会誌か何かに発表された短文をテーマ別に取りまとめたものかもしれない。

    第一部の最初のエッセイが昭和20年4月付けで、一番遅く書かれている。これが序文のように読める。時は太平洋戦争末期。学徒動員で出征させられた若者たちへの思いをつづった一文がある。
    「時局多端早卒に筆を走らせ首尾一貫せぬが、動員学徒のしばらくの伴侶となり得ば筆

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    2025年05月09日
  • 目に見えないもの

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    ネタバレ

    書物は思想の凍結であり、結晶である
    無駄に終わってしまったように見える努力の
    繰り返しの方が、たまにしか訪れない決定的瞬間よりずっと大きな意味をもつ

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    2024年09月14日
  • 目に見えないもの

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    湯川秀樹のエッセーは、たいがい素晴らしい。理論物理学者であるからといって、過度に抽象的な論理や言葉の綾を使ったりせず、真っ当な人の真っ当な言葉で素直に綴られている感じを受ける。

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    2022年09月15日
  • 湯川秀樹歌文集

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    湯川秀樹さんの「混沌と煩悩」。物理学の天才は、研究の成果が実るまでに、こんなにも多くの、一見、無関係に見えることへ興味と関心があったのだと思う。短歌についての考え方、言語に関する繊細な捉え方、とてもとてもおもしろかった。

    「一日生きることは、一歩進むことでありたい」

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    2020年04月02日
  • 目に見えないもの

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    第1部は面白かったけど、第2部、第3部はまぁ割と平凡かな。

    観測とは選択すること、という量子力学的できごとのシンプルな表現がとても気に入った。

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    2019年03月17日
  • 湯川秀樹 詩と科学

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    湯川秀樹先生(1907~1981)、1949年、日本人初のノーベル賞受賞者です。私が生まれた年ですが、そういえば、小学校の同級生に秀樹という友達がいました。「詩と科学」(2017.2)、著者ならではでしょうか、ユニークなエッセイです。詩と科学、遠いようで近く、近いようで遠い。出発点は同じ、どちらも自然を見ることからはじまる。薔薇の花の美しさをたたえる気持ちと花の形状を調べようとする気持ちの間に大きな隔たりはない。しかし、薔薇の詩をつくるのと顕微鏡を見るのでは方向は違う・・・。わかりやすいようで、難しく・・・、でも、なんとなく共感を覚えました。

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    2019年02月20日
  • 宇宙と人間 七つのなぞ

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    宇宙・素粒子,生命,ことば,数と図形,知覚・感情 のなぞについて平易な文章で非常に重要なことをまとめてある好著だ.どれも読んでいて感銘を受けたが,特に「ことばのなぞ」ではお孫さんが言葉を習得してく過程をよく観察して,そこから的確な内容を導き出しているのが素晴らしい.「生命のなぞ」でも遺伝子について深く追及している.凄い!

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    2018年06月25日