湯川秀樹のレビュー一覧

  • 創造的人間

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    理系特に数学寄りの物理学者の方が
    考えているようなことは個人的に
    すごくストンと腹落ちできる
    自分もこういうタイプなんだろうな
    と思いながら読んでました

    文明、技術の恐ろしさやAIを連想
    させるような人と機械の役割について
    の意見など今見ても参考になります

    高い感受性や直観などの抽象的な
    ものを重視しつつも、論理的に
    一般化することが必要だが、
    それだけでなくそこから新しい発見
    や価値観の創出が必要
    →野中教授のSECIモデルと一緒だな
     と思いました

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    2025年07月12日
  • 目に見えないもの

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    理論物理学という学問をこころざし、その世界に魅せられて大きな業績を残しつつあった一人の若き科学者が、心を込めて書いた後進へのメッセージ。
    初版が出たのが昭和21年。ひとつひとつのエッセイの終わりに(◯年◯月)とあり、それが昭和10年代の順不同であるところをみると、雑誌や学会誌か何かに発表された短文をテーマ別に取りまとめたものかもしれない。

    第一部の最初のエッセイが昭和20年4月付けで、一番遅く書かれている。これが序文のように読める。時は太平洋戦争末期。学徒動員で出征させられた若者たちへの思いをつづった一文がある。
    「時局多端早卒に筆を走らせ首尾一貫せぬが、動員学徒のしばらくの伴侶となり得ば筆

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    2025年05月09日
  • 目に見えないもの

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    ネタバレ

    書物は思想の凍結であり、結晶である
    無駄に終わってしまったように見える努力の
    繰り返しの方が、たまにしか訪れない決定的瞬間よりずっと大きな意味をもつ

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    2024年09月14日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    幼少期の思い出から研究での悩みまでが綴られており、内容が戦前から数十年前の事柄なのに理解しがたい点が無いくらい明解な文で読むのに快適な本だった

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    2023年04月21日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    伝記物をほとんど読んだことがないと思い、関心のあった湯川秀樹氏の著書を読んでみました。物理学者にして文章が普通におもしろく、最後までとても楽しんで読めました。アインシュタインや朝永氏について、近い距離感から書かれているあたりは、少年マンガの激アツ展開のようで、熱くなりました。他の著者が書くと強いエピソードだけで盛った話になりそうですが、自伝だと等身大の視点で好感が持てます。同じ人の話を、自伝と他伝(?)で読み比べてみるのもおもしろそうです。

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    2022年12月01日
  • 目に見えないもの

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    湯川秀樹のエッセーは、たいがい素晴らしい。理論物理学者であるからといって、過度に抽象的な論理や言葉の綾を使ったりせず、真っ当な人の真っ当な言葉で素直に綴られている感じを受ける。

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    2022年09月15日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    ノーベル賞の発表シーズンに日本人初の受賞者である湯川先生の前半生を振り返った回想記があることを知り、手に取りました。

    湯川先生の生い立ちや学生時代について詳しく振り返っていて、人格の形成を理解することができます。

    特に印象的だったのが、下記二点でした。
    ・数学を得意としていた著者が、高校時代の教師によって進む方向を変えたこと
    ・量子力学の黎明期において、新しい発見に至るまでの不眠をはじめとする苦悩

    これから量子力学を学ぼうとする理系の大学生に特におすすめで勇気をくれる一冊になると思います。

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    2021年10月17日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    ネタバレ

    湯川秀樹博士の自伝です。
    中間子論の発見の物語を期待して読むと肩透かしを食らいます。最後の10ページくらいにならないと出てこない。
    どちらかというと教科書に出てくる偉人が、幼少期からノーベル賞級の発見に至るまで、どんな人生を送っていたのか、どんな性格で、どんな人との関わりがあって、時代の空気はどんなものだったのか、その薫りを楽しむ本です。
    「学問を尊重する気持が国民の間にあるのなら、学者はなるべく研究室に置いて、ことさら繁雑な世界に引き出さないようにしてほしいと思う」という、現在と同じような感覚を持っていたのだと思う。

    ”「ずいぶんまわり道をしたものだ」というのは、目的地を見つけた後の話であ

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    2020年12月29日
  • 湯川秀樹歌文集

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    湯川秀樹さんの「混沌と煩悩」。物理学の天才は、研究の成果が実るまでに、こんなにも多くの、一見、無関係に見えることへ興味と関心があったのだと思う。短歌についての考え方、言語に関する繊細な捉え方、とてもとてもおもしろかった。

    「一日生きることは、一歩進むことでありたい」

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    2020年04月02日
  • 目に見えないもの

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    第1部は面白かったけど、第2部、第3部はまぁ割と平凡かな。

    観測とは選択すること、という量子力学的できごとのシンプルな表現がとても気に入った。

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    2019年03月17日
  • 湯川秀樹 詩と科学

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    湯川秀樹先生(1907~1981)、1949年、日本人初のノーベル賞受賞者です。私が生まれた年ですが、そういえば、小学校の同級生に秀樹という友達がいました。「詩と科学」(2017.2)、著者ならではでしょうか、ユニークなエッセイです。詩と科学、遠いようで近く、近いようで遠い。出発点は同じ、どちらも自然を見ることからはじまる。薔薇の花の美しさをたたえる気持ちと花の形状を調べようとする気持ちの間に大きな隔たりはない。しかし、薔薇の詩をつくるのと顕微鏡を見るのでは方向は違う・・・。わかりやすいようで、難しく・・・、でも、なんとなく共感を覚えました。

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    2019年02月20日
  • 宇宙と人間 七つのなぞ

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    宇宙・素粒子,生命,ことば,数と図形,知覚・感情 のなぞについて平易な文章で非常に重要なことをまとめてある好著だ.どれも読んでいて感銘を受けたが,特に「ことばのなぞ」ではお孫さんが言葉を習得してく過程をよく観察して,そこから的確な内容を導き出しているのが素晴らしい.「生命のなぞ」でも遺伝子について深く追及している.凄い!

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    2018年06月25日
  • 湯川秀樹 詩と科学

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    紀行文で述べている「ただ何となく楽しい落ち着いた気分」がよいというところに共感しきり。朝永先生にしろ、仁科先生門下(?)は実に懐が深く学問はもちろん感性も磨きぬかれている方々で尊敬と憧れの感でいっぱいです。

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    2017年08月31日
  • 科学を生きる

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    「直感的に把握するということは、各部分をばらばらなものとしてではなく、全体として、あるまとまりを持ったものとして摑むことであります。[…]それがある図形として認識されるのは、人間の持つ直観の能力によるといってもよいでしょう。」(127頁)

    「自然は曲線を創り人間は直線を創る。[…]
    自然の創造物である人間の肉体もまた複雑微妙な曲線から構成されている。併し人間の精神は帰って自然の奥深く探求することによって、その曲線的な外貌の中に潜む直線的な骨格を発見した。実際今日知られている自然法則の殆ど全部は、何等かの意味において直線的なものである。しかし更に奥深く進めば再び直線的でない自然の真髄に触れるの

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    2016年08月05日
  • 宇宙と人間 七つのなぞ

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    ネタバレ

    かなり古い本なので現在までの科学の進歩で内容が古くなっている部分もあるが,著者の情熱などはよく伝わる。

    少年少女向けに書かれたものらしいが,大人が読んでもためになるだろう。

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    2016年05月17日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    なんだかんだと言っても、
    ノーベル賞をとるぐらいの人は、昔から偉かったんだな。

    自分との差を感じる。

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    2016年03月27日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    湯川秀樹の青年期の回想。勉強、大好きだか、この頃の人は、専門になる物理学だけでなく、数学、老荘思想など、幅広く本を読んでいるなあ、と感心する。

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    2016年02月06日
  • 目に見えないもの

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    初めて湯川秀樹先生の本(文章)を読んだ。

    終戦の数年前あたりに書かれたものをまとめたもの。
    学徒出陣した学生へ向けて「しばらくの伴侶となれば」などとあり、なるほどそういう時代だったかと改めて考えさせられる。

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    2015年05月22日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    湯川博士はこう言う。少年の意欲は固定されておらず、何に対しても敏感だ。あらゆるものを吸収して、それらが整理されてくる過程の中で、その人の人格とか個性といったものが形成されるのではないだろうか、と。

    全くその通りだと思いますよね。最近は周囲にも「食わず嫌い」の人間が多すぎる。入試で使わないから勉強しない、とかいうのもザラにある。でもそれは自分の可能性を狭めているだけにすぎない。様々なものに触れるからこそ、本当に自分が好きなもの、得意なものが見えてくるはずだ。
    多くのものに触れるほど、その人の総合的な人間力も増してくるように思われる。

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    2015年03月06日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    ノーベル物理学賞受賞者である理論物理学者 湯川秀樹の自伝。
    生い立ちから幼少~青年期にかけて考えていたことや自分の進んできた道について記している。

    この自伝を読んで、物理学会の天才は自然科学の領域においては明晰な頭脳を如何なく発揮したが、逆に対人関係においては子供のころから劣等感を感じているようなのが意外だった。

    それにしても彼のように自分の進むべき道がはっきり見えて、かつそれに全身全霊を打ち込めるのがとても羨ましく思えた。

    また彼は少年時代から哲学や修身学に触れ、生き方を模索してきたように、もっと本に触れてこればよかったと後悔。

    今からでも修身学や哲学は勉強すべきかなと思う。

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    2014年08月24日