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“物理学界の詩人”とうたわれ、平易な言葉で自然の姿から現代物理学の物質観までを詩情豊かに綴った湯川秀樹。「詩と科学」「思考とイメージ」など文人の素質にあふれた魅力を堪能できる28篇を収録。
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Posted by ブクログ
「直感的に把握するということは、各部分をばらばらなものとしてではなく、全体として、あるまとまりを持ったものとして摑むことであります。[…]それがある図形として認識されるのは、人間の持つ直観の能力によるといってもよいでしょう。」(127頁) 「自然は曲線を創り人間は直線を創る。[…] 自然の創造物で...続きを読むある人間の肉体もまた複雑微妙な曲線から構成されている。併し人間の精神は帰って自然の奥深く探求することによって、その曲線的な外貌の中に潜む直線的な骨格を発見した。実際今日知られている自然法則の殆ど全部は、何等かの意味において直線的なものである。しかし更に奥深く進めば再び直線的でない自然の真髄に触れるのではなかろうか。」(157-158頁) 「詩と科学、遠いようで近い。近いようで遠い。[…] ごみごみした実験室の片隅で、科学者はときどき思いがけなく詩を発見するのである。しろうと目にはちっとも面白くない数式の中に、専門家は目に見える花よりもずっと美しい自然の姿を、ありありとみとめるのである。」(159-160頁)
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