湯川秀樹のレビュー一覧
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ノーベル物理学賞受賞者である理論物理学者 湯川秀樹の自伝。
生い立ちから幼少~青年期にかけて考えていたことや自分の進んできた道について記している。
この自伝を読んで、物理学会の天才は自然科学の領域においては明晰な頭脳を如何なく発揮したが、逆に対人関係においては子供のころから劣等感を感じているようなのが意外だった。
それにしても彼のように自分の進むべき道がはっきり見えて、かつそれに全身全霊を打ち込めるのがとても羨ましく思えた。
また彼は少年時代から哲学や修身学に触れ、生き方を模索してきたように、もっと本に触れてこればよかったと後悔。
今からでも修身学や哲学は勉強すべきかなと思う。 -
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徴兵官は書類に目を通すとすぐに、
「丙種合格」
と言った。それからいくらか、表情をやわらげて、
「君たちは若い大学生だ。兵隊としては役に立たんが、学問の道にはげんで、その方面で、日本の存在を世界に知らせるようにしてほしい」
と言う。
未知の世界を探求する人々は、地図を持たない旅行者である。地図は探求の結果として、できるのである。目的地がどこにあるか、まだわからない。もちろん、目的地に到達できるのか、あるいは途中で、別方向へ枝道をつけねばならないのか。
自分が高校から現在にかけて興味を持って読んでいるような小説や哲学書、歴史、等を小学校から読み始めておられた。やはりレベルが違う。
それとは -
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日本人初のノーベル賞を受賞した湯川博士のエッセイ。
物理学を触ることもできて満足。きちんと読めば湯川博士の思想を知れると思う。
「水は凍ったときに初めて手でつかむことが出来る。それはあたかも人間の思想が心の中にある間は水のように流動してやまず、容易に捕捉し難いにもかかわらず、一旦それが紙の上に印刷されると、何人の目にもはっきりした形となり、もはや動きの取れないものとなってしまうのと似ている。まことに書物は思想の凍結であり、結晶である。」150
話し言葉は流動性があり、日々変化していく。それに比べて書き言葉は固定されている。日記を読み返すと今の自分と異なるなと思うことが多々ある。どちらが簡単 -
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朝永振一郎の自伝を読んだので、湯川秀樹の自伝も読んでみた。文章は湯川先生の方が上手。
学者の一家に育ち、5歳の頃には祖父から漢籍の素読の手ほどきを受けたそうで、昔のインテリ層は格が違うなと思った。
研究や戦争についての回想はほぼなく、幼少から、青年時代、結婚してからの家庭生活などが内省的に淡々と語られる。孤独を好み、内面世界が豊かなタイプということがよく分かる。また、京大(三高)の自由な気風が彼の気質と才能を養ったらしく、その校風をずっと残していってほしいと部外者ながら思った。
これが書かれたのが1960年なので無理もないのかもしれないが、パグウォッシュ会議に対する思いなどが書かれているわけ -
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湯川秀樹先生の随想。
前半の神話から始まる自然科学史は良くまとまっていて読みやすかった。
実証科学は多くの人が確からしいと感じられるから人間にとって正しいということを再確認し、カントの認識論の確からしさを感じた。
自然科学の導入にはとても適している読み物だと思った。
後半の言語や認識に関する話は正直退屈だったが、ソシュールや三上章の言語学への導入としては良いと感じた。
中学生時代に学問を始めるきっかけとして読むのがいいと思う。
筆者も後書きでそのように述べている。
自分の反省としては退屈に感じたり、興味を持ちにくい本は無理して読まない方が良いと思った。
やはり、通読する前に目次を参照するのは大 -
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1.この本を一言で表すと?
・生い立ちから、学生時代のこと、物理学者を志し、中間子の理論を発見するまでの自伝。
2.よかった点を 3〜5 つ
・ある証明問題について、先生の方法と異なるやり方で証明したために零点とされた
→大人は知らないうちに、子どもの人生を大きく変えてしまうことがある。気をつけたい。
・エピソード(p148)秀樹少年を大学に進学させるか否かについて、両親が話し合ったというもの
→親が判断を間違わないようにしたい。
・本を濫読した話
→子供の頃はとにかく興味の赴くままに読書するのがいいと思う。
・この時の私の気持ちは、坂路を上ってきた旅人が、峠の茶屋で重荷をおろして、一休み