湯川秀樹のレビュー一覧

  • 旅人 ある物理学者の回想

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    表紙のイラストの階段が、横から見ると数字になっているのが面白くて買ってみました。
    湯川博士の回想録で、難しいかなと思いつつ読み始めましたが、意外とすんなり読めました☆
    挫折しそうな気持ちが、もう少し粘ってみようという気持ちに変わりました。この道しかないという決心も大事ですね~☆

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    2012年09月16日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    ネタバレ

    文学賞を受賞した方だっけ?って思うぐらい、作家顔負けの教養溢れるとても美しい文章でした。そのまま文学の道に進んだとしても成功したんでしょうね。人柄が文章に出ているのか読んでてとても静かな空間にいるような不思議な感覚に包まれる。現時点で物静かなのか謙虚なのかわからないが、また日を置いて再読し直して理解を深めたい

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    2012年04月22日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    徴兵官は書類に目を通すとすぐに、
    「丙種合格」
    と言った。それからいくらか、表情をやわらげて、
    「君たちは若い大学生だ。兵隊としては役に立たんが、学問の道にはげんで、その方面で、日本の存在を世界に知らせるようにしてほしい」
    と言う。

    未知の世界を探求する人々は、地図を持たない旅行者である。地図は探求の結果として、できるのである。目的地がどこにあるか、まだわからない。もちろん、目的地に到達できるのか、あるいは途中で、別方向へ枝道をつけねばならないのか。


    自分が高校から現在にかけて興味を持って読んでいるような小説や哲学書、歴史、等を小学校から読み始めておられた。やはりレベルが違う。
    それとは

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    2011年12月29日
  • 目に見えないもの

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    P118 人間は未来に対して無力である。小数の人にのみ付与された洞察力、ごく稀に現れる創意とによって、初めて現在の中に未来を見、未来が創り出されるのである。・・・そういう未来への考え方をしているところに共感した。簡単に夢を見たり、将来こうなりたいと言うけど、本当は、現在にしか生きてなんだと思った。また、『感覚は現在を現在として生きる。』見たり、聞いたり感じたりすることで、私は現在を生きているんだと思った。

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    2010年09月12日
  • 目に見えないもの

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    日本人初のノーベル賞を受賞した湯川博士のエッセイ。

    物理学を触ることもできて満足。きちんと読めば湯川博士の思想を知れると思う。

    「水は凍ったときに初めて手でつかむことが出来る。それはあたかも人間の思想が心の中にある間は水のように流動してやまず、容易に捕捉し難いにもかかわらず、一旦それが紙の上に印刷されると、何人の目にもはっきりした形となり、もはや動きの取れないものとなってしまうのと似ている。まことに書物は思想の凍結であり、結晶である。」150
    話し言葉は流動性があり、日々変化していく。それに比べて書き言葉は固定されている。日記を読み返すと今の自分と異なるなと思うことが多々ある。どちらが簡単

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    2025年08月24日
  • 宇宙と人間 七つのなぞ

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     この本は湯川秀樹が50年前に書いた本であるが、今読んでも古さを感じません。本当は難しいことをわかりやすく素人の目線で書けるというのは本当の大家なのだ。その点から言えば、この本は全く専門的な言葉は出てこないし、スラスラ読める本です。題名から期待した人は少しがっかりするかもしれませんが、わずか250頁足らずでこの7血の謎を解明することなんてできません。謎であることに気付くことこそ重要だと気づかせてくれる本です。

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    2024年12月10日
  • 宇宙と人間 七つのなぞ

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    少年向けに書かれた、ということもあり時代は感じるもののわかりやすい語り口で、テーマごとに色々な『なぞ』について、著者の思考含めて語られている。
    色々ななぞは、子どものなぜから始まるようなもので、そういった身近なところから問いを立てて、科学的に考えていくという流れも含めて、自分の子供が中学校くらいで手に取ってくれたら良いな、とおもった。

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    2023年12月10日
  • 目に見えないもの

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    少し期待はずれ、内容は物理の教科書のような感じでそこに少し著者独特の見解を肉付けしたような内容。物理を人並みに勉強して来た自分からするとはいはいはい。と言った感じでした。

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    2023年10月31日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    朝永振一郎の自伝を読んだので、湯川秀樹の自伝も読んでみた。文章は湯川先生の方が上手。

    学者の一家に育ち、5歳の頃には祖父から漢籍の素読の手ほどきを受けたそうで、昔のインテリ層は格が違うなと思った。
    研究や戦争についての回想はほぼなく、幼少から、青年時代、結婚してからの家庭生活などが内省的に淡々と語られる。孤独を好み、内面世界が豊かなタイプということがよく分かる。また、京大(三高)の自由な気風が彼の気質と才能を養ったらしく、その校風をずっと残していってほしいと部外者ながら思った。
    これが書かれたのが1960年なので無理もないのかもしれないが、パグウォッシュ会議に対する思いなどが書かれているわけ

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    2023年02月05日
  • 宇宙と人間 七つのなぞ

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    湯川秀樹先生の随想。
    前半の神話から始まる自然科学史は良くまとまっていて読みやすかった。
    実証科学は多くの人が確からしいと感じられるから人間にとって正しいということを再確認し、カントの認識論の確からしさを感じた。
    自然科学の導入にはとても適している読み物だと思った。
    後半の言語や認識に関する話は正直退屈だったが、ソシュールや三上章の言語学への導入としては良いと感じた。
    中学生時代に学問を始めるきっかけとして読むのがいいと思う。
    筆者も後書きでそのように述べている。
    自分の反省としては退屈に感じたり、興味を持ちにくい本は無理して読まない方が良いと思った。
    やはり、通読する前に目次を参照するのは大

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    2021年12月07日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    日本人初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹さんの中間子の発見までの前半生を綴った回想録。
    幼少期からの学生生活と時代の空気感の記述がほとんどで、理路整然で淡々と読み進められました

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    2021年10月17日
  • 目に見えないもの

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    中間子理論でノーベル物理学賞を受賞した著者のエッセイを収録している本です。

    20世紀における物理学の革命について、著者自身がそうした動向に触れたときの所感を交えつつ、わかりやすく語っています。また、著者の自伝である『旅人―湯川秀樹自伝』(角川ソフィア文庫)の内容を補完するようなエッセイも含まれており、両方併せて読むことで、著者のひととなりがより理解できるように思います。

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    2019年05月03日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    日本人初のノーベル賞受賞者である著者が、27歳になるまでの半生を語った本です。

    地質学者である小川琢治の三男として生まれ、貝塚茂樹、小川環樹を兄弟にもつ学者一家のなかで育った著者の家庭環境や、物理学を志した三校時代のエピソードなどが、わかりやすい文章でつづられています。幼少時から幅広い教養に触れることのできる来歴であることはいうまでもありませんが、その一方で、著者が育ってきた家庭においても、物理学の道をえらぶにあたっても、どこか自分の歩んできた道に対して距離を置き、冷静にそれを見つめている態度がうかがえるように感じられます。

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    2019年05月03日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    1.この本を一言で表すと?
    ・生い立ちから、学生時代のこと、物理学者を志し、中間子の理論を発見するまでの自伝。
    2.よかった点を 3〜5 つ
    ・ある証明問題について、先生の方法と異なるやり方で証明したために零点とされた
    →大人は知らないうちに、子どもの人生を大きく変えてしまうことがある。気をつけたい。
    ・エピソード(p148)秀樹少年を大学に進学させるか否かについて、両親が話し合ったというもの
    →親が判断を間違わないようにしたい。
    ・本を濫読した話
    →子供の頃はとにかく興味の赴くままに読書するのがいいと思う。
    ・この時の私の気持ちは、坂路を上ってきた旅人が、峠の茶屋で重荷をおろして、一休み

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    2018年12月30日
  • 目に見えないもの

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    ネタバレ

    前半の,物理学に関する論述は,わかりやすくかかれているものの,それでも素地のない者にとっては,難しい内容だった。
    後半の,随筆は,素晴らしいものが多かった。

    P.85「学問することの喜びがこの頃はことさら身にしみて感ぜられる。くる日もくる日も研究生活を続けていけるということは,「喜び」などというにはもったいない,本当に有り難いことである。」・・・以前の自分の状態を思い出すフレーズです。身に沁みます。

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    2017年09月15日
  • 湯川秀樹 詩と科学

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    15歳から68歳までの随筆集。幼い時の祖父から受けた漢籍の素読、父の膨大な蔵書の環境の中で育つことで教養の下地ができる。進路選択にあたり、教師の解答以外は評価しない不自由さを嫌い数学を離れ、手先が器用でないため工学系や実験物理を避け、理論物理に進むが、当時の量子論の台頭を先駆的に感知し、独学で進めた。精神の自由さと物事の本質を考え抜く姿勢が本書の論考に見られる。'人間万事、塞翁が馬'という寓話があるが、これをもとに少数意見に耳を傾ける重要性に触れている点は印象深い。

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    2017年08月30日
  • 湯川秀樹 詩と科学

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    端正な文章。論理的で理知的。
    特に若い頃の文章は、才気がみなぎっているとはこういうことなのかな。
    良質な文章という点では、読み応えがある。
    でも、こちら側の入り込む余地が少なくて、ちょっとしんどいかも。

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    2017年07月24日
  • 宇宙と人間 七つのなぞ

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    湯川秀樹先生が少年少女に向けて著した科学読み物です。宇宙・数の概念・ことば・認知・知覚といったものについて自身の観察や経験に基づいて考察を重ねています。難しそうな内容にもかかわらず易しい文章でスッと頭に入ってきます。文才に秀でた方でもあったんですね。

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    2016年11月22日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    ネタバレ

    ことに私は生まれつき、自己を表現することに困難を感じる人間である。それにまた自意識過剰の人間でもある。自分を客観的に見よう努めながら、自分で
    理論物理学と言う学問は、簡単に言えば、私たちが生きているこの世界の、根本に潜んでいるものを探そうとする学問である。本来は哲学に近い学問だ。
    それを裏切ることになるかもしれない
    私は孤独な散歩者があった。将来、無口な私は、研究室で手分けでも、1日中、誰とも話せず専門の論文だけを読んでいることも稀ではなかった
    最後にぜひとも書いておかねば気のすまぬことが2つある。1つは、私をして、思う存分、物理学の勉強することを可能ならしめた人たちに対する、感謝の気持ちであ

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    2020年12月09日
  • 旅人 ある物理学者の回想

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    高校生の頃に読んだときは「退屈なつまらない人」という印象だけだった。

    今、歳をとってから読むと感慨深い箇所が増えた。
    ・大好きな弟を戦争で亡くしたこと。
    ・暗い、つまらない、何も華やかで楽しいことがなかった青春。

    そして書いていなかったがノーベル賞を取った後の妻の虚栄と傲慢。
    これを書かないところに著者の孤独と品性を感じた。

    それは著者のコミュニケーション能力の無さのおかげか?

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    2016年10月21日